公開された古本の競り風景(2018年10月、さいたま市緑区、東読提供)
 古本のネット販売を、セカンドライフの起業や副業に――。
 そんな狙いで、古本業者の組合が古本の競りを起業家向けに初公開した。街の古本屋は減り続け、存続の危機にさらされている一方で、インターネットでの古本販売は需要があるといい「新たに組合員を迎え入れ、市場を活性化できれば」と期待する。
 東北道浦和インター近く。関東の古本業者でつくる東京読書普及商業協同組合(東読、さいたま市緑区)の事務所を兼ねた倉庫では、毎週木曜日(第3週を除く)になると、中古の本が山のように持ち込まれる。組合員が買い取ったり、廃品回収業者らから仕入れたりしてきた本や漫画、雑誌が束ごとに入札や競りにかけられ、1回で1万冊以上が新たな業者の手に渡っていく。
 「業者には得意な本のジャンルがある。競りは、不得意分野や他の組合員がほしがる本を出品して、ほしい本を手に入れる交換会のようなもの」と山寺一美理事長(47)。