テックワン、負極材で中国開拓に再挑戦
2019/6/3 10:54
水を防ぎつつ、汗などの湿気を通す「透湿防水」。この機能を持つ衣料用フィルムで海外を開拓しているのが、染色加工のテックワン(石川県能美市)だ。登山服やスキーウエアの生地を製造する韓国、台湾などのメーカーに販売している。今後、リチウムイオン電池など非衣料分野を中心に中国市場を掘り起こす。
同社の防水フィルムは、フィルムが乾いた状態で通常品と比べると透湿性が2倍ある。防水と透湿という相反する機能は超微細な気孔で実現している。6.45平方センチメートルあたり約50万個あり、ここから蒸気を逃がす。スキーウエアや登山服の生地に貼り付ければ、雨風をしのぎながら汗などの速乾作用を高められる。
このフィルムで韓国や台湾などアジアの生地メーカーを中心に開拓してきた。高機能なスポーツ・アウトドアウエアの需要が高まっているためだ。
期待をかける中国市場では辛酸をなめた。スマートフォン(スマホ)などへのほこりの侵入を防ぐフィルムの用途開発に乗り出すため、2012年、フッ素樹脂製フィルムの現地メーカーと合弁会社を設けた。
会社設立の際、フィルムを貼り付ける設備を提供し、技術の詳細を開示した。にもかかわらず、合弁先は肝心な部分を隠した。生産現場を見学したときのことだ。「ここから先はお見せできません」という言葉が返ってきた。相手との信頼関係を築けず、3年間で合弁を解消した。
竹田忠彦社長は「こちらの技術は流出してしまった。得られるものはなかった」と悔しがる。中国でのビジネスに対する認識が甘かったと振り返る。
それでも「内需が拡大することに間違いはない」と挑むことはやめない。販路開拓を目指すのはスマホや電気自動車(EV)のリチウムイオン電池素材だ。17年、容量を従来の1.4倍に高められる負極材の製造技術を確立した。
電極部分には通常、薄くて軽い炭素を使う。同社はケイ素を主原料としたシリコンの粉を電極に使った。シリコンがリチウムイオンを吸収するため、炭素より多くのイオンをためられる。一方で、イオンを吸収することで、電池の体積が変化して負荷が大きくなり劣化が早い課題があった。
培ってきた紡糸などの繊維技術を使って素材を加工して、シリコンの粉に含まれるケイ素の粒径を小さくし、体積変動を抑えることに成功した。竹田社長は「すでに中国企業から強い引き合いがある」と話す。
国内アパレル市場は縮小が続く。竹田社長は「油断していれば市場縮小と共に会社もしぼんでいく。常に次の成長方法を考えなければ」と話す。海外売上高を現在の年間3億円から5年後に10億円に増やす目標がある。厳しい中国市場ではビジネスの交渉も重要と肝に銘じた再挑戦となる。
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