単身世帯の金融資産保有額「平均744万円」。アナタは、この額に「リアリティ」を感じるだろうか。
金融広報中央委員会(知るぽると)は2018年11月9日、全国2500の単身世帯を対象とした「家計の金融行動に関する世論調査 単身世帯調査」(2018年版)を公開した。
これが「現実」! 保有資産、ホントは「50万円」?
全世帯の金融資産保有額の平均は、前年比マイナス198万円となる744万円だった。その内訳は、預貯金が310万円(前年比136万円減)、保険が147万円(15万円増)、有価証券が230万円(95万円減)、そのほか金融商品が57万円(16万円増)となった。
「そんなにあるわけないだろ!」と思う人もいるだろうが、無理もない。この平均値は、一部の高額資産保有世帯によって大きく引き上げられたものだからだ。
反対に、世帯全体の実感に近い数字になると考えられる中央値(全体の中位世帯の金融資産保有額)は50万円(前年比18万円増)に過ぎない。平均値との差額はじつに694万円(216万円減)だ。
また、前年とは質問の仕方や統計方法が異なるが、全体のうち「金融資産を保有していない」(日常的な出し入れ・引き落としに使う預貯金は除く)という回答は38.6%にのぼり、そのうち預貯金含め一切の金融資産を持っていない世帯は5.6%だった。
ちなみに調査で、預貯金さえまったくない世帯率を公表したのは、今回が初めて。
金融資産を保有する世帯に、金融資産を運用する商品を選択の際に最も重視していることは何か聞いたところ、「流動性」(換金しやすさ、入金出金の自由さ)と答えた割合が20.7%(前年比2.9ポイント増)と、2014年以来の20%台。
一方で、「収益性」(利回り、将来の値上がり期待)と答えた割合は32.1%(1ポイント減)と、ピークだった2015年(34.5%)から2.4ポイント減少。また、「安全性」(元本の保証、金融機関に対する信用)と答えた割合も29.6%(前年比1.5ポイント減)で、2007年の調査開始以来過去最低だった。
今後どの金融商品の保有を希望するか(複数回答可)という質問では、「預貯金」が51.2%(前年比6.6ポイント増)と過去最高を記録したのに対し、外貨建て投資信託などの「外貨建金融商品」(4.6%、1ポイント減)や、「不動産投資信託」(1.8%、1.3ポイント減)といった商品が過去最低となった。
「生活のための借金」が過去最高に
借入金の状況では、「借入金がある」と答えた世帯が全体の18.5%(前年比2.7ポイント増)にのぼった。
借入の目的(3つまで複数回答可)で最も多かったのは「日常の生活資金」の40.4%(11.2ポイント増)で、調査開始以来最高を記録。次いで「耐久消費財の購入資金」(自動車、家具、家電など)が14%(3ポイント減)、「住宅(土地を含む)の取得または増改築などの資金)」が12.3%(0.9ポイント減)、「旅行・レジャーの資金」が12.3%(1.1ポイント増)だった。
また借入金がある世帯に、借入金残高がいくらあるか聞くと、50?100万円未満が16.4%(前年比2.7ポイント増)、100?200万円未満が20.1%(2.8ポイント増)と、いずれも過去最高を記録。200万円未満の借入金残高がある世帯は全体の6割にものぼった。
なお、調査は2018年6月22日?7月4日に、全国2500の単身世帯(20歳以上70歳未満)を対象に、インターネットで実施した。
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