モンスター顧客とまではいかなくても、お店やレストランで他の客が大声を出しているようなシーンに出くわすと、決して気分の良いものではありません。今回の無料メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』のテーマは「一流の態度を身につけるトレーニング」。著者で現役教師でもある松尾英明さんが、一流のお店やサービスに触れることによる「学び」を説いています。

一流の働き手となる

時々、店員さんに対して、すごく横柄な人がいる(店員さんの方が横柄な場合もある)。お金を払っているのから当然、という態度である(または時給以上のことはしません、という態度である)。
なぜこうなってしまうのか。きっと、自分が働いている時に、そういう態度をとられているのである。それは、可哀そうな人である。勤労時に、人から感謝されていないのである。だから、自分のために働いてくれている相手に対して、感謝ではなく横柄な態度をとってしまう。
これを是正するトレーニング法を考えた。何に関してでもいいので、いわゆる「一流」の店やサービスに触れることである。これをやると、なかなか横柄な態度をとれなくなる。
なぜなのか。まず、一流のお店は、店員さんがものすごく丁寧に接してくる。それも、卑屈な態度ではない。「お客様」へのリスペクトがある。だから、こちらも丁寧にならざるを得ない(一流の品でもそうである。雑に扱えない)。
また、一流のお店では、サービスが学べる。どういう風にすると相手が嬉しいかがわかる。ちょっとした心遣いなど、一流の店は全てが違う。それを、自分の仕事に取り入れていけばよい。
つまりは、そこが自己投資ポイントである。贅沢するために一流の店に入るのではない。自分を磨くために入るのである。それは、自分の仕事のサービスを受ける相手のためでもある。当然、身の丈より上なので、多少の緊張もある。それも修行である。
ここで、何をもって「一流」とするかである。一流は、一位とは違う。一位は一つしかないが、一流はいくつあってもいい。一流とは「その他大勢と違う」ということである。
ちなみにずっと前だが、大好きな中谷彰宏先生の講座で「一流塾」というのがあり、興味があってそれに出たことがある。なるほど、一流は、全てがそれ以外と違う。一流の作家さんの言うことなので、説得力が違う。
その講座の中で、講師の中谷先生から「この中で、私は一流ですという人?」という質問があった。誰も手を挙げなかった(当然、私も手を挙げられなかった)。
中谷先生いわく「そこがダメ」だという。
「私は一流になりたい」という人は、気持ちが悪い。それは「私はもてたい」という人と同じだという。そんな人は気持ち悪いし、付き合いたいと思われないという。
だからまずは「私は一流です」と言い切れるようになることが大切だという。そのためにも、その世界を見る必要がある、ということである。
なるほど、まずは実行が大切である。本物に触れること。その上で、一流のサービスの根本・本質・原点を学ぶこと。
ちなみに一流とは、職種や値段とは直接関係がないという(値段との相関関係はありそうである)。地元民に愛される名店のような一流もある。知る人ぞ知る下町の部品工場のような「超一流」もある。そこにしかできないサービスや技術は、一流の証である。
勤労は、人々の幸せに貢献するものである。一流の働き手の仲間として、一つでも良い働きをし、互いに感謝をして生きていきたい。
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