サラリーマン裏流行語大賞 エアポート投稿おじさんが9位、1位は…
 「そだね~」が年間大賞となった「2018ユーキャン新語・流行語大賞」。だが、ノミネートされた30語を見て「こんな言葉知らない」「この言葉が入らないのはヘンだ」といった違和感を覚えた人も多いだろう。そこで、毎年恒例『SPA!が選ぶ「2018年の裏流行語大賞」』を発表!! 今回は人材育成コンサルティング企業を営む前川孝雄氏が選んだ「サラリーマン」編をお送りする。

◆「働き方」に大きな異変アリ

◆1位 70歳定年
65歳までの雇用確保に向けた法改正に続き、政府は「希望すれば70歳まで働けるようにしたい」と発表。「70歳定年」が採用される可能性が浮上し、50代会社員を中心に流行した

◆2位 おじさんの孤独
労働時間外に部下を誘うのがパワハラとみなされ、飲みニケーションも減少。「アフター5が暇で街をふらつく『孤独なおじさん』が増えたと、耳にする機会が多かったです」

◆3位 超人材不足の売り手市場
少子高齢化などの影響で、人手不足が深刻化。失業率は2%台を維持する売り手市場に。「人事業界で今年非常に話題になった単語。どの会社も人材確保に奔走しました」

◆4位 学び直し(アンラーニング)
社会人などが大学や大学院へ通い直したり、資格などの勉強をする「学び直し」の重要性に注目が。60歳以上世代の就業促進の意味合いも兼ね、社内で導入する企業も増えた

◆5位 外国人労働者受け入れ
深刻な人材不足解消のため、技能実習生や留学生など外国人労働者の受け入れが盛んに。「飲食・介護業界などを中心に、法案整備などの動向も含めて、幅広く使われました」

◆6位 生産性向上
長時間労働の是正が求められた結果、従来の仕事量をより短い時間で行う「生産性向上」を、各社がスローガンとして使用。IoTやAIなどの導入により、一層の効率化が進んだ

◆7位 アンコンシャスバイアス
「無意識の偏見」という意味。職場が女性やLGBTをはじめとしたダイバーシティ(多様性)化するなかで、いかに「無意識の偏見」を社員の間で減らすかが、経営陣の課題に

◆8位 スーパーサラリーマン
ZOZOの田端信太郎のように、会社員でも個人で目立つ働き方に注目が。起業や会社員とも違う第3の道として「スーパーサラリーマンになりたい」と公言する若手も出現した

◆9位 エアポート投稿おじさん
飛行機内や空港での写真をSNSに投稿し、「さて、私はどこに行くでしょう?」などとのコメントを残す中年男性が多発。自ら「エアポート投稿おじさん」を名乗る人も現れた

◆10位 コワーキングスペース
サテライトオフィスやコワーキングスペースを利用する企業が急増。今年ソフトバンクから30億ドルの資金を調達した米国発の「WeWork」などのサービスにも注目が集まった

●選者・前川孝雄氏のコメント

 働き方改革関連法施行を’19年4月に控え、各社が本格的にさまざまな取り組みを始めたのが今年最大の特徴。流行語にノミネートされた「時短ハラスメント」のように、「生産性の向上」や「リモートワーク」など労働時間短縮の余波で多様なキーワードが各企業の職場で導入されました。

 一般サラリーマンの間で広く話題に上ったのが「70歳定年」。特に自分は逃げ切り世代だと思っていた50代前後会社員の間では、この言葉は恐々と語られるように。

 一方、若者世代は新たな働き方を模索し、「スーパーサラリーマン」などの新語が生まれた。総じて、会社員の働き方に大きな転機を与えた1年だったと言えるのではないでしょうか。

【前川孝雄氏】
FeelWorks代表。400社以上で「人が育つ現場」創りを支援。青山学院大学兼任講師。近著に『もう、転職はさせない!一生働きたい職場のつくり方』(実業之日本社)

― 2018年[裏流行語]大賞 ―