そもそも賞与とは給料の一種ではありますが、いくらもらえるかどうかの基準は、定められたルールや算定式に基づき、会社の業績、部署の業績、従業員の実績に応じて決まる会社が多いです。よって、正式な名前は「業績連動型賞与」ということになります

そもそも「賞与」とは何か

みなさんがもらって嬉しいものといえば、ボーナスですよね。日本語では「賞与」と言いますが、どちらも同じ意味で使われます。そもそも賞与とは、給料の一種ではありますが、賞与がいくらもらえるかどうかの基準は、あらかじめ定められたルールや算定式に基づき、会社の業績、部署の業績、従業員の実績に応じて決まる会社が多いです。

よって、正式な名前は「業績連動型賞与」ということになりますが、会社によっては、「特別手当」という名前が使われることもありますが、同じ意味です。

賞与支給の時期は、会社によって異なりますが、日本では夏と冬に支給されることが多いようです。しかしこの賞与は年2回と決まっているわけではなく、年1回や年3回といった会社もあり、さらに賞与制度を導入していない会社もあります。つまり賞与の回数に決まりはありません。

筆者の前職の会社は年3回賞与があり、年度末には「決算賞与」と呼ばれる賞与がありました。決算賞与とは決算月に支給される賞与を指します。決算月は3月の会社が最も多いです。決算賞与は年2回の通常賞与と比べ、金額の変動が大きくなる傾向にあるようです。

「業績連動型賞与」を出している会社は約35%

業績連動型賞与を出している会社は人事・労務全般を網羅した専門情報誌「労政時報(2010年)」によると約4割。

ただし、この数値は、上場企業3585社および、上場企業に匹敵する非上場企業(資本金5億円以上かつ従業員500人以上)1405社の合計4990社にヒアリングを行い、回答のあった283社の比率であるので、全体からすればもう少し割合が少ないと想定されます。

本調査は2013年にも行っていて、業績連動型賞与を出している会社は34.6%とのこと。

なお、本調査を行うにあたって、業績連動型賞与制度を「あらかじめ決められた一定のシステムや算定式に基づき、部門、全社といった組織業績に応じて賞与原資を決定する制度」と定義されており、部門長の裁量で決められるものや、算定式が不明瞭なまま賞与に上乗せされるもの、個人の人事考課によって賞与を配分するだけのものなどは除外されています。

ちなみに、労務行政研究所の「東証第1部上場企業の2018年夏季賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査」によると、平均支給月数は132社の平均で2.45カ月とあるので、賞与は給料の平均約2.5カ月分が支給されているということになります。

「業績連動型賞与制度」は、従業員の経営参画意識を高める効果がある

「業績連動型賞与制度」は、業績に対する従業員意識の向上、業績に応じた人件費の適正化、賞与決定プロセスの明確化・透明化などを目的として、導入されています。

あらかじめ定められたルールや算定式に基づき、成果に応じて賞与が得られるので従業員にとってはわかりやすく、納得しやすい制度でしょう。
そもそも、個人の成績だけでなく、会社全体の業績によるものが大きいので、経営参画意識を高める効果もあります。

「臨時賞与」がもらえる会社も

「臨時賞与」とは、会社の賞与規定に定められている賞与とは別に支給されるものを指します。この臨時賞与は、その年の会社の業績が著しく良かった(良いと見込まれる)場合に支給されます。

私の前職の会社でも、一度だけこの臨時賞与をもらったことがあり、少額ではありましたが、突然のご褒美に嬉しかった経験があります。臨時賞与は、「一時金」「臨時手当」という言葉を使われることもありますが、同じ意味です。
(文:頼藤 太希(マネーガイド))