家庭用の燃やせるごみや燃やせないごみを有料で出す市区町村が増えています。ごみを減らすことを考えたら、有料化は効果の大きい方法ですが、家計においては無料の方が有難いです。市区町村ごとにわかれる費用の現状を調べてみました

帯広市はごみの指定袋が1枚120円!

東京23区民や大阪市民なら、家庭用の燃やせるごみと燃やせないごみは無料で出しているはずですが、日本全国でみれば、無料で出せる市区町村は限られてきています。現状では無料と有料の市区町村があり、有料でも費用は統一されていないため、住んでいる市区町村によってごみを出す費用に差があります。ごみを処分するにはお金がかかることを再認識するとともに、各市区町村によって異なる現在の処分費用を知るため、任意で選んだ全国の市区町村の費用を表にしてみました。

燃やせるごみ(燃やすごみ・燃えるごみ・可燃ごみ等)を出す場合、多くの市区町村では指定袋を購入して、その袋にごみを入れて出します。指定袋のサイズは数種類あり、サイズも価格も市区町村によって異なります。表の価格は指定袋10枚あたりの価格で、1リットルあたりの単価は最も大きい袋を計算しています。

北海道から沖縄まで大都市を中心に17市を調べたところ、指定袋の種類と価格に15通りもの組み合わせがありました。札幌市と鎌倉市、新潟市と京都市が同じ以外は全て異なるので、引っ越しの多い人は、引っ越すたびにごみ出しに頭を悩ませているのではないでしょうか。

指定袋の種類は3から5種類、10枚当たりの価格は40円から1,200円まで様々です。指定袋が高額で気になったのは帯広市で、どのサイズも1リットルあたり3円の設定になっています。指定袋のサイズを帯広市のホームページで確認すると、取っ手部分を除いて最も小さい5リットル用が縦290mm×横190mm、最も大きい40リットル用が縦640mm×横480mmとなっています。10リットル用が縦370mm×横260mmで、B4サイズ(364mm×257mm)とほぼ同じです。甲府市の45リットルサイズは150円で、1リットルあたりの単価は帯広市の僅か10分の1ですが、無料と比べてしまうと安いとは思えないかもしれません。

京都市や北九州市はかん・びん・ペットボトルを出すのも有料

燃やせないごみ(燃やさない・燃えない・不燃ごみ等)でも有料にしている市区町村は多いですが、何のごみを有料にしているかは市区町村によって異なります。燃やせるごみで調べた各市について、燃やせないごみ等の指定袋の価格も表にしてみました。

調べた17市では、燃やせないごみも札幌市と鎌倉市が同じ以外、全て指定袋の種類と価格の組み合わせが異なっています。そもそも燃やせないごみの言い方からいろいろあります。燃やせないごみ(札幌市・久留米市等)、燃やさないごみ(帯広市・新潟市等)、燃えないごみ(水戸市・福岡市等)、不燃ごみ(千葉市・長野市等)等です。

調査した市の中では、燃やせるごみと同様に帯広市が他よりも高くなっていますが、何が燃やせないごみなのかが異なるので、指定袋の価格だけでは、帯広市民がごみの処分に割高な費用を負担しているとは言い切れません。

ごみをタダで処分できるのは今のうち!?

国の方針としてごみの排出量を削減させる目標があり、排出量に応じた負担の公平化や住民の意識改革を進めるためにも、ごみの処理について有料化を推進しています。有料化はごみの排出量を削減させる効果が大きいことから、新たに有料化する市区町村が増えています。東京23区は現在、燃やせるごみも燃やせないごみも無料で出せますが、事業用は既に有料化しています。埋立処分場に限りがあることから、今後の状況次第では有料化される日が来るかもしれません。既に有料化している市区町村においても、現状ではごみ指定袋の購入費用が家計に与える影響は小さいですが、将来値上がりする可能性がないとは言えません。

全国的に家庭用のごみを有料で処分するのが当たり前の時代が来るかもしれませんが、現状では市区町村によって住民の負担に差があります。もし、居住コストを極力抑えたいのであれば、このような費用を事前に確認してから住む場所を決めてみてはどうでしょうか。
(文:松浦 建二(マネーガイド))