洋書の翻訳本は手間が違う!
投資をするとき、とりあえず株を買ってみたいという理由から、なんとなく株式投資に入る人もいれば、とにかく準備をしてから始めたいという人もいる。どちらのタイプでも、多くの人がいずれ考えることになるのは投資について、もっと勉強してみようということだろう。
投資方法を学ぶ方法はさまざまである。インターネットで検索する、投資の本を読む、著名な投資家や専門家のセミナーに参加する、などだ。本を読むなら、どのような本を読むべきだろうか。

日本語訳された洋書を買え!

書店の「マネー」コーナーに足を運べば、たくさんの投資に関係する本が並んでいる。株式投資だけでなく、FX(外国為替証拠金取引)、不動産、仮想通貨などのさまざまな分野の投資関連書籍も見つかるはずだ。
株式投資の本を買いたいので、「株式」の本棚に足を運んでみる。だが、問題はそうしたたくさんある中で、どの本を読めばいいのか、ということだ。
投資コーナーにある本のすべてを読むことができる人はいない。忙しいサラリーマンであれば、なおさら読める冊数は限られてくるだろう。そんなときに、「買うべき本」の目星をつける方法がある。「日本語に翻訳された洋書を買う」ことだ。
まず、日本のベストセラーと海外のベストセラーには、決定的な違いがある。それは、読む人の層だ。よく知られていることではあるが、日本人の教育水準は世界的に見て高い。より正確には、中間層の水準が極めて高い。したがって、日本では数多くの人が読書をする傾向がある。
一方、海外は教育格差がかなり大きい国が多い。したがって、読書習慣があるのは必然的に知識人層ということになる。だから、海外のベストセラーというのは、言い換えれば、海外の知識水準の高い人たちから支持されている本、ということになる。
投資関連書籍についていえるのは、投資の本を読んで勉強しようという人は、海外では投資に意欲的に取り組んでいて、実力が高い人たちが多いということだ。そのような環境で受け入れられるような本は、良書である可能性が高いわけだ。

翻訳本は出版社が手間をかけている

洋書を読むべき理由は、ほかにもある。洋書の翻訳本に良書が多い理由は、出版社が取るリスクで説明ができる。
英語で書かれた本を日本語に翻訳して出版するとき、出版社が取らなければいけない手順は、日本語をそのまま出版するより遥かに多くなる。まず、原書を出版した外国の出版社とコンタクトを取り、日本で出版する許可を得なければならない。次に、英語で書かれた原書を、日本語に翻訳する訳者を探さなければならない。
いずれも、日本人が書いた本を出版する際には必要のない手続きだ。翻訳本は、より多くの経費がかかるため、初めから日本語で書かれた本と比べて高価になる傾向がある。
海外で出版された本を日本語に翻訳して発売することは、出版社にとっては大きなリスクを伴う。そうしたリスクを負って出版された本は、出版社が「この本は売れるに違いない」と、自信を持って出版したものが多い。
ほかにも、書店の店頭で読むべき本を探す方法はある。最初の出版から何年も経っていて、過去に何度か改定がされているような書籍を選ぶというものだ。出版から何年も経っても絶版にならずに販売が続いているような書籍は、時代を超えた普遍的な真実を述べているものが多い。ある意味、不朽の名作ともいえるだろう。
もしあなたが投資家なら、直近の2、3年間しかその成果を証明されていない手法と、過去40年間にわたって、ずっと実績を上げてきた手法のどちらを学びたいだろうか?おそらく、後者だろう。
電子書籍の普及も後押しして、数多くのの書籍が毎年出版される時代になった。だからこそ、限られた読書時間を最大限に有効活用するためのスキルを身につけたいものだ。(ブラックスワン)