食費の平均とはいくらなのでしょうか? 家族の人数によって平均食費、外食費、エンゲル係数がいくらかについて分析してみました。食費を節約するならどうしたらいいのかについても解説します

食費の平均はいくら?どう節約すればいい?

気になるけど人には聞けない毎月の食費。1人暮らし、2人世帯、3人以上世帯ごとの食費はどれくらいか、そのほかにも地域や年収ごとに違いはあるのか。家計調査のデータをもとに解説します。

あなたの家の食費はかけすぎなのか、うまく節約できているのかを測る目安にしてください。食費を把握できていないご家庭は、まず、毎月いくらの食費がかかっているのかを知ることから始めるきっかけにしてください。

まず図は、総務省の家計調査をもとに作成した、世帯人数ごとの平均の食費になります。


(1) 1人暮らしの食費は42,623円。3分の1は外食費!

勤労者世帯のうち、単身世帯、つまり1人暮らし世帯の平均の食費は42,623円、1日当たりは約1400円となります。うち外食代は、16,008円と食費の3分の1以上を占めています。

一方収入はどうでしょう。1人世帯の場合の平均可処分所得(手取り収入)は、258,966円です。手取り収入に対する食費の割合は、約16.5%となります。収入が増減すると支出の割合にも変化はあるのでしょうか。

▼年収別の比較(勤労者・単身世帯)
図は、年収区分ごとの各指標の変化を示しています。

1.年収が高くなるほど、食費の割合は減っていく
2.年収が高くなるほど、(食費に占める)外食費が増える

と言えそうです。

図に登場した『エンゲル係数』とは、消費支出に対する食費の割合(= 食費 ÷ 消費支出)で、生活水準を示す指数です。エンゲル係数の値が高いほど生活水準は低いとされていますが、表を見てもわかるように収入と比例しているわけではなく、ほぼ横ばいですので、家族単位で気にする必要はありません。

(2) 2人世帯の食費は毎月65,060円 年収による違いは?

2人世帯の食費は65,060円、1日当たり約2170円となります。対する手取り収入額は379,827円。手取り収入に対する食費の割合は、約17%と若干単身世帯を上回る割合です。

収入の増減による比較をしてみましょう。2人以上世帯(3人、4人世帯も含まれます)のデータです。

▼年収別の比較(勤労者・2人以上世帯)
年収区分が、1人暮らしのデータとは異なりますが、同じような傾向が表れています。

1.年収が高くなるほど、食費の割合は減っていく
2.年収が高くなるほど、(食費に占める)外食費が増える
3.年収に関わらず、収入に対する外食費(外食費÷手取り収入)の割合はほぼ3%

エンゲル係数は、年収500万円辺りから低下しています。

(3) 3人以上世帯は?

3~5人世帯、6人以上世帯をまとめてみてみましょう。


1.世帯の人数が多いほど、収入に対する食費の割合が増える。1人当りの食費は世帯人数が増えるごとに小さくなるが、手取り収入が大きく変わらないため、食費負担は重くなる
2.世帯の人数が多いほど、外食率は減っている

となっています。

(4) 九州住まいとしては地方の違いも気になります

私のいる九州と関東とでは、収入も生活慣習も違っていそうです。最後に食費の使い方は、地方による違いがあるのかを家計調査から見てみたいと思います。

▼総世帯(単身・2人以上すべて)・勤労者世帯の地方別月間収支


地域ごとの特徴が出ていて、意外とバラつきがあります。関東は外食率が突出していますね。九州は、食費が高いかと思ったのですが平均的でした。

【まとめ】食費の節約は無理なくしましょう

あなたの家の食費はいかがでしたか? 家族構成や世帯の年齢、慣習などの違いにより、食費は大きく違うと思いますが、今回紹介した数字を目安にして見直してみましょう。

外食を除く食費の節約については、健康にも直結するので、優先順位は低めでよいでしょう。食費だけを見るのではなく、収支全体をチェックするようにしてください。外食については、手取収入の3%を目安にして、超えないというルールを作って管理するのはどうでしょうか。

今回紹介したデータは、家計調査のうち「勤労者世帯」に絞って紹介しています。勤労者世帯とは、世帯主が「会社」「官公庁」「学校」「工場」「商店」などに勤めている世帯のことです。「社長」「取締役」「理事」など団体の役員は含まれません。
(文:井上 陽一(マネーガイド))