5月10日で「グリーン車50周年」

実は「旧二等車」が前身

 1969(昭和44)年の5月10日、当時の国鉄は「一等車」を廃止し、新しく「グリーン車」と改称した。つまりグリーン車は昭和、平成を経て、令和元年の5月10日に50周年を迎えたことになる。
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 だが、グリーン車の前身が「一等車」だったのは事実ではあるが、注意が必要だという。鉄道ライターが解説する。
「日本の鉄道は1872(明治5)年10月、新橋―横浜間で営業を開始しました。この時から等級が設定されており、具体的には上等、中等、下等でした。これが1897(明治30)年に一等、二等、三等と改称されます。それから太平洋戦争後の1960(昭和35)年7月に一等が廃止され、二等が一等、三等が二等に格上げされます。これで明治以来の『三等級制』が『二等級制』になったのです」
5月10日で「グリーン車50周年」
 昭和44年5月にグリーン車と改称された一等車は、実は昔の二等車だったのだ。これは単なる名称の問題ではなく、実際の豪華さにも影響が出た。今のグリーン車であっても、旧一等車の贅沢な車内空間には到底及ばなかった。
 読売新聞(オンライン版)は18年8月、「鉄道ファン憧れの一等展望車~読売新聞の過去映像から」という記事を掲載した。ここに旧一等車の贅を尽くしたサービスについて簡潔にまとめている。該当部分を引用させていただく。
《戦前から1950年代まで、東海道線の特急列車には、一等車から三等車(現在の普通車。一・二等車だけの編成もあった)まで連結されていた。中でも最も豪華だったのが一等展望車だ。
グランクラスの座席