スマホで行う決済 スウェーデン・中国では
来年に開催される東京オリンピックなどにより、さらなる訪日観光客を迎えるいま現金を使わず、スマートフォンで決済ができるサービスが国を挙げて盛り上がっています。
先月行われたあるグルメイベント。これまでの食券制に加え、スマホを使った決済を今年から始めました。客からは「あっという間だったね」「すごく早くてビックリしました」「かなり楽でした。早かったです」という声が聞かれました。
beet eatの店主・竹林久仁子さん「外のお仕事は、おつりがいらないというのがすごく大きい。後の伝票整理がないというのはすごくいいので」
これらは、「コード決済」と呼ばれる決済方法で、新たな「キャッシュレス」として注目されているんです。
始め方は、スマホの機種によらず、自分が使いたいアプリをインストールし、引き落とし先を登録するだけ。支払いの時に「バーコード」や「QRコード」を読み取ってとることで決済されるんです。
そして「コード決済」で特に話題となったのが、ポイント還元などの様々なサービス。これが利用者にとって大きな魅力なんです。
半年前から「コード決済」を始めた、あるドラッグストアでは…
トモズ三軒茶屋店・内田哲也店長「利用者は、かなり増えています。導入した時に比べると5倍以上に増えている」
しかし日本はまだまだ現金社会。キャッシュレス化は海外に比べて大きく遅れています。その理由とは…
コード決済に詳しいオールアバウトガイドの綿谷禎子さん「日本は治安がいいので、現金に対する信頼性が高いということがあげられると思います」
またコンビニなどで、いつでも現金を引き出せる便利さも原因のようです。
キャッシュレス先進国のスウェーデン。首都・ストックホルムで、海外移住の支援事業を行う吉澤智哉さんに話を聞くと…
吉澤さん「これまで3年間住んで、現金を使ったのは3、4回ですね。紙幣が何色だとかコインがどういう種類があるかすら分かりません」
なんと現金は一切持ち歩かず、代わりにカード決済が主流のようです。街には「現金お断り」の看板も。そんなスウェーデンで、スマホによる決済が始まったのは6年半ほど前で「Swish」というアプリが一般的とのこと。
スウェーデンでのスマホ決済は“個人間でのお金の受け渡し”を行うためのもの。国民の7割以上が利用しているそうです。
例えば露店のような個人経営の店では、ある紙が貼られていて、下に書かれてある“送金先”を意味する「店番号」を入力し、金額を打ち込むと支払いが完了するんです。さらに…
吉澤さん「会社で会議をしていると、同僚に子どもから電話がかかってきて『お父さん、お金がないからちょっとSwishしてくれ』って」
子どもへのお小遣いまで、スマホで決済するようです。
一方中国でも「コード決済」が進んでいます。利用者は全人口の6割。「コード決済」ができる端末が街の至る所にあって、店に人がいない「セルフレジ」が多いのだそうです。
しかし問題もあります。店に掲示されたQRコードの上から偽のQRコードを貼ったり、さらにはQRコードを出して並んでいる客の背後からスキャンするといったものです。今後、日本でも起こり得るかもしれません。犯罪に巻き込まれないよう、いまできることは…
綿谷さん「生体認証が対応しているスマートフォン、例えば、指紋認証とか顔認証とかだと、その方個人しか支払えないことになるので使った方がいいと思います」