実は今の時点で40代の人こそが最も老後資金のことを真剣に考え、貯蓄に励む必要があるのではないかと思うようになりました。その根拠について説明しましょう

1969年から1978年にかけて生まれた40代は老後のお金が作れない?

「50代で無貯蓄世帯が約3割もいる。そりゃ大変だ!」という話はよく耳にしますし、そもそもこのコーナーも、貯蓄ゼロの50代が、どうすれば不安のない老後生活を送れるのか、ということを考えるために書いているわけですが、このところ気になっているのが、今の40代です。

40代を、40歳から49歳の範囲で捉えると、1969年4月から1978年3月にかけて生まれた人たちですから、大学を卒業したのが1991年3月から2000年3月。そのまま社会人になったとすると、リタイヤする時期は、65歳定年制が広く普及していれば2034年から2043年になります。

とはいえ、65歳定年制を採用できるのは大企業と公務員だけで、日本企業の大半を占める中小企業は、60歳定年制からなかなか抜け出られないとすると、多くの会社員は2029年から2038年に定年を迎えることになります。

で、なぜ40代がヤバイのではないかと考えるようになったのかというと、老後の生活に必要なお金を、現役時代に作れない恐れがあるからです。