資産価値が落ちない不動産、3つの条件とは?
◆「資産価値を保つ」不動産選びのコツは?

 先行き不透明な時代において資産運用での“自己防衛”は必須だ。しかし、やらなければと思いつつも実際にはむしろムダな出費にカネをかけている人が多いのではないか。中でも不動産については資産価値がいかに落ちない選び方をするかが大事だろう。

 金融商品に投資をしつつ自宅も購入したい――。そう思った際、いかに資産価値が“落ちない”不動産を選ぶかは、重要なカギとなるだろう。

「マンションの資産価値とは、ずばり“出口戦略”が立てやすいこと。間取りが60㎡前後で都心・準都心の駅から徒歩7分以内、そして’01年以降に完成。この3条件が揃っている物件が、今は最も売りやすくて貸しやすいので、資産価値の低下を抑えることができます」

 そう語るのは不動産コンサルタントの後藤一仁氏だ。これまで1万2000組以上の面談を行ってきた不動産のプロである。

◆なぜ「60㎡前後」がいいのか?

 ただ、家族で住むとなると60㎡前後は少し狭いのでは……?

「もちろん大人数で暮らす場合や荷物が多いといった場合は別ですが、例えば、結婚などを機に初めて住宅を購入する層だと、80㎡3LDKなどを購入したものの、子供が大きくなるまでは一部屋を物置代わりに使ってしまうことが多々あります。実際には不要な負担をして買っているんです」 

 そして、この規模の中古マンションは、今後どんどんニーズが高まってくると予想されるという。

「都心部の駅近で60㎡前後のマンションは子供が小さいファミリー世帯から、DINKS、単身世帯、子供が独立した高齢夫婦までさまざまな層から一年を通じて需要があり、かつ供給数が少ないので売りやすく貸しやすいのです。これが80㎡以上だと金額負担が大きくなりリスクになってしまう。また、住宅ローン控除は登記面積で50㎡以上が要件なので、その要件をクリアしているのも大きい。さらに、’01年以降に完成した物件は、住宅の基本性能が高まり、耐震、遮音性などを向上させた物件が比較的多く出ています」

◆ローンを組むのに有効な手段は?

 では、いざ購入する際に住宅ローンを組むとしたら、今はどんな手が有効か?

「現在、住宅ローンは史上稀にみる低金利で、借りどきと言えるでしょう。例えば、購入から10年で手放す将来が見えているのであれば、変動金利のほうが低金利の恩恵を最大限に享受できるかもしれません。一方、ずっと住み続けて終の棲家にしたいのであれば、全期間固定金利のほうが毎月の支払額が一定でライフプランを立てやすい。いずれにせよ大切なのは、住宅ローン返済以外のお金をしっかりとプールしておくこと。余剰資金をほかの資産運用に回す手段は、住居費以外の余力があって初めて実行できると思うべきです」

 資産運用をするうえで「本当に必要なもの」を見極めるのは重要だ。不動産選びでも、本当に価値がある物件を見抜く目を養いたい。

【後藤一仁氏】
不動産コンサルタント。フェスタコーポレーション代表としてこれまで多くの顧客の不動産購入に伴走してきた。近著に『マンションを買うなら60㎡にしなさい』

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