「飲みに誘う時期も重要。週末は部下もプライベートに割きたいので、仕事が少し落ち着く水曜あたりがベストでしょう」(人材コンサルタントの午堂登紀雄氏)
 経営陣と一般社員を繫ぐポスト、管理職。4月1日から実施された「働き方改革」や、「プレイングマネジャー化」など、受難の時代を迎えている管理職の悩み&解決法を具体的に解説!

◆管理職が部下を「飲み」に誘うならどういう店を選ぶべきか?

 ITがいくら進化しようとも、アフター5にお酒を酌み交わして本音で語り合う“飲みニケーション”は仕事を円滑に進めるために必要だ。ただし、部下を連れていくとなると、やはり支払いは上司の役目。とはいえ、現代の管理職も懐事情は苦しく、アンケートを取ると奢れる総額は1万円以下がほとんどだ。

Q 部下との飲み会の支払いはいくらまで払う?
対象/現在、課長クラス(課長・室長・マネジャー)の役職に就く、30~50代の男性300人(調査は3月18日~22日)

3000円まで 34人
5000円まで 91人
1万円まで 114人
1万~3万円まで 30人
3万~5万円まで 4人
飲みに行かない 27人

 それでも管理職としてのプライドはある、予算の折り合いがつき、部下が満足する店とは?

「やはり部下が普段行けないような店を選ぶべきです。銀座・赤坂の高級クラブに連れていっても、当然萎縮してしまうし、『まさか会社の経費で行っているんじゃないか?』と疑心暗鬼に陥られても困る。

 オススメはカウンター5~6席程度の女将が一人でやっているような小料理屋です。若者にはなかなかハードルが高く行かないし、席も近く腹を割って話せる。

 もしもあなたが口下手な上司だったら、事前に口利き役を “女将”に頼んでおけば仲を取り繕ってくれることもありますから」(人材コンサルタントの午堂登紀雄氏)

 馴染みの店は1、2軒をつくっておくのがベスト。ただ、本性が出るほどの飲みすぎは禁物とか。

「やはり現代の若手社員は、上司の一人芝居・説教をとにかく嫌います。あまり飲みすぎず、部下にお酌をしてあげるぐらいに聞き役に徹する。そして1軒目を終えたらサクッと帰すぐらいのほうが、部下も『カッコいい飲み方をするな』と、次回もついていきたくなりますから」

 管理職はうまい酒を飲むのではなく、飲ませるものと心得るのも、現代のマネジメントの一つと言えるだろう。

【午堂登紀雄氏】
人材コンサルタント。不動産コンサルや教育関連事業、講演活動など多岐にわたって活躍。『年収1億を稼ぐ人、年収300万で終わる人』など著書多数

― [はじめての管理職]読本 ―