激安で温泉をのんびり楽しめたら…… ※写真はイメージです。本文と一切関係ありません
 インバウンドの高まりやゲストハウスブームで、競争は熾烈を極める観光産業。東京や大阪などの主要都市では、ビジネスホテルでも一泊1万円を超えるのが当たり前になってきており、宿泊料金が高騰しているという側面も。かといって民泊やワケあり激安宿などでは、「他の宿泊客の声がうるさい」「トイレや風呂が汚い」など快適性に難がある場合も多い。そんななか、大阪市内に天然温泉付きで一泊5000円を切る宿があると聞き、クオリティを確かめてきた。

◆激安の温泉宿に泊まってみたら…

 予約したのは梅田から電車と徒歩で15分ほどの距離にある温泉宿H。最安値の素泊まりプランで一泊4980円なのだが、実はこのプラン、2人向けの料金。つまり、1人あたりに換算すると2490円(記者は5月上旬の平日に宿泊)という破格の料金だ。なお、プラス1100円で朝食もつく。

 駅からほど近い立地のため、特に迷うことなくホテルに到着。ロビー、エレベーター、廊下を通り部屋へと進んでいくが、掃除が行き届いており、従業員の接客もよい。気になる室内は、1人用の部屋にダブルベッドを詰め込んだ感じで狭くはあるものの、清潔感はあるし、アメニティも充実。テレビ、冷蔵庫、エアコン、ドライヤー、タオル、寝具、温水洗浄便座付きトイレはもちろん、空気清浄機やスマホ用の充電ケーブル、Wi-Fiもあり、体ひとつで来ても困らなさそうだ。

 続いて、ホテル最大の目玉である地下1000mから湧き出ているという天然温泉へ。5~10時と11時~深夜2時が入浴可能で、遅くまで利用できるのがありがたい。加温循環濾過ではあるが、大阪のど真ん中で、しかもこの料金で天然温泉に入れると思えば全く気にならない。そして浴室の空間はなかなか広く、10人以上が一斉に入浴しても問題ないレベルで閉塞感はない。また、サウナや水風呂、打たせ湯など数種類のコンテンツがあり、飽きずに楽しむこともできる。温泉を堪能した後、部屋に戻って就寝。物音がうるさいと感じることはなくベッドの寝心地も悪くなかった。

 安さの理由をフロントスタッフに尋ねたところ、「予約日の直前に空いている部屋を提供していることと、そのために禁煙と喫煙を選択できないこと。そして鍵をボタン式にすることでチェックアウト業務に必要な人員を削減するなど、徹底的なコストカットを図っているため」とのこと。

 企業努力にも裏打ちされた、激安にして確かなクオリティ。大阪に行く際には、宿泊先の選択肢に入れても損はないだろう。<取材・文/週刊SPA!編集部>

※週刊SPA!5/28号「激安商品すべて試した!」特集より