1億円貯金を目指すメリット、理由と具体的な方法、お金の増やし方を解説します。

貯金額1億円で得る自由とは? 2つの意味がある

1億円の資産を作ることの意味とはいったい何でしょう。人によって異なるかもしれませんが、私は「自由を得る道具」だと考えています。お金とは何かをするための道具に過ぎませんが、1億円の資産を作ることで、より強力な道具になり得ます。

私たちが「自由を得る」ということには、2つの意味があります。1つは、「経済的不安から開放される」という意味。もう1つは、「人生を謳歌する」という意味です。

1億円があれば「経済的不安から開放される」というメリット

今の年齢が50歳未満の人が老後を迎えたとき、現在年金暮らしをしている人と同じ水準の金額がもらえると考えている人はほとんどいないでしょう。仮に60歳で定年退職し、夫婦合わせて月10万円の年金がもらえるとします。しかし、経済的に不自由のない生活をするためには、月30万円くらいは必要でしょう。

毎月不足する20万円を補いながら80歳まで生きるとしたら、年金とは別に4800万円が必要になります。2000万円は退職金でまかなえるとしても、あと3000万円を貯めるか、老いた体に鞭打ってアルバイトをするなどして補わなくてはなりません。しかも、医療費負担の上昇も予想されていますし、介護保険も先行きは不透明です。そんな状況で体の自由がきかなくなってきたら、もっとお金が必要になるかもしれません。

家のローン返済や子供の教育費などを捻出しながらそれだけの金額を貯めようとすると、人生がただの倹約生活で終わってしまいます。それに、貯蓄を取り崩すという、銀行の残高が減っていく生活は不安との闘いです。かといって働き続けるのにも限界があり、長生きすること自体が恐怖になってしまいます。

ここで、もし1億円があったとしたらどうでしょうか。80歳までなら毎月40万円は使えることになり、年金を足せば月50万円。仮に90歳まで生きたとしても不安はありません。

このくらいあれば、夫婦で旅行に行ったり孫にお小遣いをあげたりすることができます。余暇やレジャーにお金を費やす余裕もでき、第二の人生をアクティブに楽しむことができます。病気になっても高度な治療を受けることができますし、仮に体の自由がきかなくなっても、比較的快適な介護を受けることができるでしょう。

しかもそれが、若い時の爪に火をともすような倹約生活ではなく、お金がお金を稼ぐ「運用」で貯めることができたとしたら……?

年齢が若いうちに1億円をつくることができれば、リストラや減収も怖くありません。そして貯めた1億円を利回り5%で運用できれば、年間500万円(税金は考慮しない)の配当が得られることになりますから、仕事をしなくても、ちょっとしたサラリーマンの年収くらいの稼ぎになります。しかも、経済的不安から開放されるのです。

1億円があれば「人生を謳歌する」ことができる

2つ目のメリットですが、20代や30代という若い年代で1億円を作ることができたら、人生の自由度は一変します。例えば通勤時間を短縮したいと思ったら、都心に引っ越すことができますし、家族との時間を重視するため仕事のペースを落とすことも可能です。1万円のワインと5000円のワインとどちらを選ぶか迷うこともありません。留学もエステも可能です。つまり、人生でできることの幅が広がるのです。

一生は一度しかなく、やりたいことはたくさんあるけど時間もお金もない。しかし、やりたいと思ったときにやらなければ、二度とその機会も来ない。お金がなければ選べませんが、お金があれば選ぶことができる。お金がないからといってあきらめなくてもいい。つまり、若くして1億円をつくるというのは、まさに人生を謳歌する最高の道具になるのです。

さて、「自分も若くして1億円をつくりたい」と思った人は、今すぐ次の2つのことをやってみてください。

1億円を貯めるには? WHY(理由)とWHAT(目的)を書き出そう

まず、「なぜ1億円を作りたいのか?」という理由と、「あと○○年で1億円貯める!」という目的を紙に書き出すことです。全ての行動には、WHY(理由)とWHAT(目的)と、そこから導かれるHOW(方法)があります。

理由と目的は、自分のモチベーションの源泉になります。テクニックなどのHOWのみに注目すると、他人の発言に振り回されたり、長続きせず挫折したりしてしまいます。ですから、まずはここを明確にしましょう。

そして、なぜ書くことが必要かというと、自分の脳に目的をしっかりとインプットするためです。頭の中で考えているだけでは、日々の忙しさに忘れ去られてしまいます。しかし書くことによって、ぼんやりした思いを明確な文字として脳が認識するのです。書くことで記憶がより強固になるように、手を動かすことでさらに脳への定着を促すことができます。

そうすると、日常生活の中で1億円をつくるために役立つ情報が、自分の目や耳に飛び込んできます。何気なく過ごしていても、あなたの脳にインプットされた「1億円をつくる」というキーワードが、自動的に情報を集めてくれます。これがいわゆる「問題意識を持つ」ということです。しかし、「1億円貯める」と書いただけでは、それはまだ単なる願望に過ぎません。

1億円を貯めるには? HOW(方法)を書き出そう

そこで次は、1億円を作るために、自分は具体的に何をすべきなのか、という方法や年間・月間・週間のプランを書き出してみてください。具体的な実施項目を書き出し、スケジュールに落とし込んでいくと、単なる夢や願望から、達成すべき目標に変わります。夢と目標の違いは、行動レベルまで具体的にできるかどうかです。

例えば、「年収3000万円になりたいですか?」と聞くと、ほとんどの人が「なりたい」と答えるでしょう。「では年収3000万円をどうやって実現しますか?」と聞くと、多くの人は「昇進して」「仕事で実績を出して」「株か何かで」と抽象的な方法しか答えられません。

つまりこういう人たちは思考が「浅い」のです。年収3000万円に至るプロセスをすっ飛ばして、結果という夢を見ているだけです。具体的にイメージし、そのために何をどうするというところまで思考できなければ、自分の行動が変わらないので、実現することはできません。

1億円稼げる人は思考が深く行動が具体的

反対に、本当に実現できる人というのは思考が「深い」。例えば年収3000万円を3つに分解して、1000万円を給与で、1000万円を投資で、1000万円をネットビジネスで達成する。そして、それぞれを実現するために必要な、方法論から使うべきツール、助言を求めるべき人は誰か、それらの期限……。短期間で財を成した人は、他の人よりはるかに詳細で深いところまで考えようとしているのです。

世の中の成功法則で、「夢や目標を紙に書けば、潜在意識に働きかけていつの間にか実現する」と言われますが、現実はそんなに甘くありません。何をすべきか理解できてこそ、日々の行動が変化し、時には素晴らしい偶然を引き寄せ、達成への原動力になるのです。

ですから、正しいか正しくないかは関係なく、まずは自分なりに何をするのかという行動プランを書き出しましょう。その内容も、自分の経験や習熟度の向上、使える時間の変化などによって、どんどん変更してしまって構いません。ぜひ、自分の決意とアクションプランを紙に書き出し、1億円達成プロジェクトをスタートさせましょう。
(文:午堂 登紀雄(マネーガイド))