36歳主婦、子ども3人。貯金300万円を貯められない
教育費資金と車の買い替え、貯蓄が増えない中でどうすれば……
皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、お子さん3人を育てながら、パートと家計のやりくりに頑張る30代の奥様です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。
▼相談者紫ゴリさん(仮名)
女性/パート/36歳
東京都/持ち家一戸建て
▼家族構成夫(40歳/会社員)、子ども3人(7歳、4歳、1歳)、動物
▼相談内容なかなか貯蓄が増えないことに悩んでいます。いつも貯蓄は300万円目前までいくのですが、そのつど、何かしらの出費が発生し、貯蓄300万円を一度も超えたことがありません。インフラ関係の現場監督をしている主人は、仕事の移動で週6日はクルマを使います。走行距離は月2000kmにもなり、会社のクルマがないため、自家用を使っています。ガソリン代は出ますが、中古のためか頻繁に故障し、その費用も含め、クルマのコスト(私用と2台所有)は高くなってしまいます。
また、主人が半年前に交通事故を起こし、罰金50万円。それを機会にクルマに乗らない仕事への転職も考えましたが、精神的に参ってしまい、転職自体がきびしい状況でした。結局、衝突回避機能のクルマに買い替えよう(来年の車検には買い替える予定だったので)いうことになり、その資金づくりとして、子どもが寝た後に3時間ほどパートに出ています。
しかし、実際には買い替えず、1台を使い回していくべきか悩んでいます。貯蓄についても、今は月1万円しかできていませんが、下の子が幼稚園に入学したら、昼間の仕事にシフトチェンジ、収入アップを目指すつもりです。それでも、教育費が用意できるか不安です。アドバイス、よろしくお願いいたします。
▼家計収支データ
▼家計収支データ補足(1)加入保険の内訳
[夫]
・低解約返戻金型終身保険(65歳払込終了、死亡200万円)=保険料4622円
・無解約返戻金型収入保障保険(保険期間65歳、年金月額10万円)=保険料3990円
・医療保険(終身保障終身払い、入院1万円、がん診断一時金、先進医療特約)=保険料3560円
・収入保障保険(保険期間60歳、58歳払込終了、月額10万円)=保険料3310円
[妻]
・医療保険(終身保障65歳払込終了、がん診断特約、先進医療特約など)=保険料7379円(65歳から4862円)
・低解約返戻金型終身保険(65歳払込終了、死亡保障300万円、65歳時点での解約返戻金235万円)=保険料5580円
[子ども]
・1人目の子ども/低解約返戻金型終身保険(15歳払込終了、死亡保障300万円、15歳時点での解約返戻金126万円)=保険料6792円
・2人目の子ども/低解約返戻金型終身保険(15歳払込終了、死亡保障300万円、15歳時点での解約返戻金126万円)=保険料7044円
・3人目の子ども/低解約返戻金型終身保険(15歳払込終了、死亡保障300万円、15歳時点での解約返戻金146万円)=保険料8151円
(2)ボーナスの使いみち
財形貯蓄ボーナス積立分20万円、住宅ローンボーナス支払い分20万円、投資信託購入20万円、レジャー費5万円、その他貯蓄15万円、残りは生活費の補てん
(3)住宅ローンの詳細
物件価格3500万円、借入額3780万円(所有していた中古マンション売却損200万円と諸費用を含む)、平成25年2月返済開始、変動35年払い、金利0.875%
(4)クルマの買い替えについて
夫の仕事用に衝突回避機能付きの軽自動車(中古で120万円程度)を購入しようか、買い替えせず、現在家族用のミニバンを仕事用に回し、1台だけにするか検討中。相談者の希望は2台所有。
▼FP深野康彦からの3つのアドバイスアドバイス1 年間40万円の貯蓄ペースで教育費は間に合う
アドバイス2 貯蓄300万円も2年後には達成可能
アドバイス3 数年後には住宅ローンの繰上返済も
アドバイス1 年間40万円の貯蓄ペースで教育費は間に合う
まずは教育資金から考えてみましょう。とは言え、まだお子さんは小さく、進路は確定しているわけではありませんので、とりあえずは高校までは公立とすると、事前に用意すべきは大学費用ということになります。大学4年間の学費は平均で私立文系は390万円、私立理系が520万円ほど。都内在住ですから、一人暮らしによる仕送りの可能性も低いと考えられますので、お子さん3人であれば1200万~1500万円が準備すべき教育資金のひとつの目安となります。
お子さんそれぞれに掛けている低解約返戻金型の終身保険は、おそらく学資保険代わりでしょうから、すでに用意しているのが合計で約400万円。仮に1200万円を必要額とすれば、残り800万円をざっと20年間(上の子の大学3年時)で貯める、つまりは年間40万円のペースで貯蓄することができれば、目標とする教育資金は達成できる計算になります。
次に家計収支ですが、まずはボーナス。ここから毎年どれだけ確実に貯蓄を積み上げていけるかがポイントですが、現時点でそれができているのは、財形貯蓄への20万円だけのようです。余ったら貯蓄もされているようですが、結局はクルマの維持費やその他、予期せぬ支出に回っているのでしょう。こういったコストはある程度仕方がないとすると(もちろん、抑える努力は必要です)、毎月の貯蓄ペースをいかに上げていくかが、今後のマネープランにおいて重要となるわけです。
アドバイス2 貯蓄300万円も2年後には達成可能
毎月の貯蓄ペースを上げる手段としては、まず着手したいのが保険の見直し。保険料は固定支出ですので、一度見直せばずっとその効果が継続します。具体的には、ご主人の低解約返戻金型終身保険を払済保険にします。老後資金のための貯蓄として加入されていると思いますが、今は教育資金を最優先に、現金を貯めるべきでしょう。
また、収入保障保険に2本加入されているので、どちらか1本は解約します。保険期間が65歳の方の保険であれば、死亡保障に換算して現在3200万円ほど確保されていますから、保障額としてはこれで必要十分です(ただし、住宅ローンの団体信用生命保険に未加入であれば、2本とも継続)。
紫ゴリさんの保険については、同じ理由で低解約返戻金型終身保険を払済保険に。新たに死亡保障として、定期保険なら10年定期で死亡保障1000万円を確保します。保険料は2000円前後でしょう。あるいは同程度の保障が得られる収入保障保険でも構いません。
ともあれ、これで1万1000円程度保険料コストが節約できます。それを貯蓄できれば年間13万円ほど。財形貯蓄を年間32万円積み立てていますから、合わせて45万円。とりあえず目標の貯蓄ペースは確保できます。ただ、教育資金づくりが優先するものの、それで貯蓄が底をつくというのでは困ります。したがって、貯蓄ペースはさらに上げたいところ。
そこで気になるのが、家計からの投資比率。毎月5万円にボーナスで年間20万円、投資信託を買われています。数本をしかも積立で購入されているのはとてもいい投資方法なのですが、現状を考えればリスクを取り過ぎと言わざるを得ません。年間80万円のうち、少なくとも半分は貯蓄に回してください。それだけで確実な年間貯蓄は、保険で節約した部分を合わせれば85万円になりますから、紫ゴリさんが昼のパートに変わって収入がアップすれば、年間100万円の貯蓄ペースも可能でしょう。
そうなれば、本人いわく「鬼門」と感じている貯蓄300万円超えも、大きな支出がなければ最短で2年後には達成できるはず。つまり、貯まりそうでまた減ってしまうというのは、結局は貯蓄に回っている額が少ないことが原因なのです。
また、投資を継続する場合、NISAを利用するのではなく確定拠出年金がおススメです。勤務先がその制度を採用していれば(企業型/企業年金なしの場合で掛金の上限は月5万5000円、企業年金ありで2万3000円)それを利用し、採用していなければ個人型(掛金の上限2万3000円)もあります。目的は老後資金づくりなので60歳までは引き出せませんが、掛金の全額が所得控除となり、所得税や住民税が減額されます。これは大きなメリットなのです。
アドバイス3 数年後には住宅ローンの繰上返済も
貯蓄額がある程度まとまってきたら、ぜひ住宅ローンの繰上返済も実行したいところ。現在、完済がご主人70歳のとき。これは60歳以降の家計を考えると、大きなリスクです。しかもボーナス併用ですから、結果的に毎月の家計負担は今より大きくなります。
ちなみに、5年後に300万円を繰上返済すれば、期間短縮型で返済期間が3年短縮、支払利息は約75万円軽減されます。できれば65歳完済まで短縮したいので、現実的には何回かに分けたとしても、トータルで500万円以上の繰上返済が必要ですが、無理は禁物。あくまで手持ち資金が残る形で行ってください。
また、クルマの買い替えに関しては、家計的に言えば1台で使い回して行くのが望ましいことになります。ただし、どうしても生活が不便ならば、必要経費として仕方がない部分だと思います。一度試しに1台で生活をしてみてから判断してもいいのでは。
ただ、それよりも気になるのは、ご主人の勤務先がマイカー持ち出しだという点。本来、企業側が負担すべきものです。また、仕事の移動距離も多過ぎます。これでは、体力的にも長く勤められる職場とは言い難いでしょう。であれば、やはり転職を考慮すべき。職種から判断してニーズは高いはず。まだ元気なうちに、それについても前向きに検討されてはどうでしょうか。
教えてくれたのは……
深野 康彦さん
業界歴26年目のベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。
取材・文/清水京武
(文:あるじゃん 編集部)
仕事で忙しくしていても、ふと秋風を感じて、 独り身が寂しくなる——そんな季節になってきまし た。
メットライフ生命保険が、20〜40代の働く未婚 女性600人に対して行った「仕事観・人生観・ラ イフプラン」に関する調査は、そんな女性たちの 揺れる思いが見てとれます。
◆“まぁまぁ幸せだけど不安”な胸の内
●「幸せですか?」の答えは「普通」が最多
まず、「現在、どのぐらい幸せだと感じます か」という質問に対して、「とても幸せ」 (6.3%)「幸せ」(33.5%)。4割弱の人は幸せ を感じているようです。でも一番多かったのは 「普通」(47.3%)という微妙な答え。確かに、 「まあ、こんなもんじゃないの?」という実感は よくわかります。
●「一生独身かも」と考えたことがある人が82.5%
また、「一生独身かもと考えたことがあるか」 との質問には、実に82.5%が「ある」。考え始め た年齢は「30〜34歳」(20.2%)が最多でした。 実際、生涯未婚率(50歳での未婚率)はどんどん 上がっていて、いま34歳の人が50歳になる2030年 の生涯未婚率は22.6%(女性)と推計されていま す。5人に1人以上が、一生独身という時代がやっ てくるのです。
同時に、9割以上の人が、将来に何らかの不安を 抱えてもいました。
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Q.将来不安に思っていることはなんですか?
1位:老後の生活 27.7%
2位:結婚できるかどうか 18.2%
3位:失業・収入減 16.3%
(以下略)
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筆者の周囲で聞いてみても、 「もし結婚できなかったら、寂しいとかいう以前 に『食べていけるのか?』と不安で不安で」(36 歳・派遣)、
「40過ぎたら腹を括れました。ダンナがいたって 先に死んじゃうことが多いし、“最後は一人”と 思って老人ホームの資金を貯めてます」(44歳・ 会社員)という現実的な声が……。
●対策は「婚活」より「貯蓄」
「将来の不安に備えて実施している対策の中で、 最も有効だと思うもの」を聞いたところ、ダント ツは「貯蓄をする」(44.5%)。2位は「健康的な 生活を心がける」(30.4%)で、それ以外の項目 はヒトケタでした。特に、「婚活をする」は、わ ずか2%。「婚活ブーム」と言われて久しいです が、「幻の夫より、現実の貯金のほうが頼りにな る」(36歳・会社員)ことを、女性はわかってい るようです。
では、その貯蓄がいくらあるかというと……。
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Q.現在の貯蓄額は?
100万円未満 22.8%
100万円以上〜300万円未満 20.2%
300万円以上〜500万円未満 17.8%
500万円以上〜700万円未満 13.2%
700万円以上〜900万円未満 6.0%
900万円以上 20.0%
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4割強は300万円未満。回答者が20〜40代と幅広 いので何とも言えませんが、老後資金に2000万円 だの3000万円だのが必要だと言われているなか、 ちょっと不安を感じる数字ではあります。
◆働く独女が共感する「ピーナッツの名言」に涙
調査では、チャーリー・ブラウンやスヌーピー でおなじみの漫画「ピーナッツ」に出てくる名言 を挙げ、どれに共感するかを聞いています。これ が結構、泣けるんですよ。
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1位:「配られたカードで勝負するっきゃないの さ…それがどういう意味であれ。」 193票
2位:「いいでしょ?あなたのそばに立っているだ けで幸せなの。」 112 票
3位:「自分以外の人間になりたいと願いながら、 人生を送るのは耐え難いって。」 89票
※以下略
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「配られたカードで勝負するっきゃない」。働く 独女の一人として、激しく共感する言葉です。選 択肢には、愛や恋にまつわるスウィーツ名言もあ るなか、これが圧勝することに、私たちの現実が あるように感じます。
(C)PNTS
【調査概要】 「仕事観・人生観・ライフプラン」に関する調査 メットライフ生命保険 http://www.metlife.co.jp/調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営 するアンケートサイト「アイリサーチ」のシステ ムを利用した WEB アンケート方式で実施 調査の対象:アイリサーチ登録モニターのうち、 20 歳〜49 歳の有職者(年収300万円以上)かつ、医 療保険に加入している未婚女性 有効回答数:600人 調査実施日:2014 年6月6日(金)〜6月9日(月)
livedoor参照
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