お金を貯める!と決めたら始めたい「マネーノート」
お金を貯めるのは、何のため?誰のため?
お金を貯めようと決意したときに、「家計簿をつけなくちゃ!」と思っていませんか? お金を上手に貯めている人はムダがないし、節約を一生懸命やっているというイメージから、まず家計簿をつけることから始めようと思いがちです。でも、これが貯蓄下手になる第一歩です。「え?」と思われるかもしれませんが、家計簿は何のためにつけるのか理由も明確ではないのに、家計簿をつけることでやった気になってしまうのが、一番ダメなことです。さらに家計簿をつけるのが面倒になれば、とたんに貯蓄の意欲もなくなってしまいます。
お金を貯めるのは、家計簿をきちんとつけるためではないですよね? 貯蓄のベースができてから、あらためて毎月の支出を見直して、ムダ、無理がないかをチェックするようにしましょう。そのときに初めて、家計簿を使えばいいのです。
その1:「マネーノート」をつくる
最初にすべきことは、「何のためにお金を貯めたいと思ったのか」をノートに書くこと。
何でもそうですが、何かいつもと違う行動を起こそうと思ったとき、そのモチベーションとなる理由があるはずです。来年ハワイに旅行に行きたい! スクールに通いたい! 子どもを私立の学校に入れたい! どうしてもタワーマンションに住みたい!……なんでもいいのです。お金を貯めたい!と思った理由をいつも忘れないために、メモとして残しておきましょう。もしも、くじけそうになったとき、そのメモをみることで、自分が何のためにお金を貯めようと思ったのかを思い返してください。
このとき、漠然と、老後が不安だから……、もしも病気になったら……、働けなくなったら……、とネガティブな不安を解消するためという理由は避けたほうがいいでしょう。確かに、貯蓄の三大目的は、万が一に備えて、老後資金のため、子どもの教育費ですが、いずれも漠然としていて、そのためにいくらあればいいのか?いくらあれば安心なのか?が見えてきません。できるだけ貯蓄のモチベーションは具体的に、「誰のために、何をするために、いくらあればいいのか」を書き出すことです。
「マネーノート」、「夢実現ノート」、「お金を貯めたいノート」……なんでもいいです。自分でいつも見返したくなるネーミングをつけて、スケジュール手帳などとは別に作っておくといいでしょう。
その2:貯められない理由は何?
その上で、これまでお金を貯められなかった理由も書き留めておく。
収入が思うように上がらなかった、というのは理由になりません。収入が少なくても貯蓄ができている人はたくさんいます。自分の行動のなかで、お金を貯めることを阻害する要因がなんだったのかを冷静に考えてみてださい。
・今、特別に困っていることはないと思っていたから。
・将来もずっと働けばなんとかなると思っていたから。
・お金を貯める手続きが面倒くさいと思っていたから。
・子どもが生まれたら、お金を貯めようと思っていたから。
・お金を貯めてもすぐに取り崩していたから。
・周りの人も、そんなにお金を貯めていないように見えたから。
いろいろな理由が出てくるでしょう。どんな理由にせよ、どれもお金を貯めない理由を自分のなかで正当化し、自分を無理に納得させていたことに気がつけばオッケーです。うすうす自覚していたこともあるでしょう。それをきちんと書き留めることで、もう、以前の自分には戻らない!と決意することも大事です。もう自分への言い訳はできません。
その3:早く始める以外にオトクなことはない
1日でも早く、行動に移すこと。金利や金融機関を調べるのはムダ。
お金を貯めようと思ったときに、どの銀行で、どんな貯蓄商品で、と調べ始める人がいます。これまで意識していなかった人は、選択基準ができていないので、調べるだけで途方に暮れてしまいます。そして、面倒くさくなって、貯蓄行動をストップさせてしまいます。
最初は、いろいろ調べる必要は、まったくありません。そんなに違いはないからです。その時間があるなら、勤務先で使える貯蓄制度がないかを確認することが先決です。財形貯蓄制度があれば、何も考える必要がありません。即座に申し込みをすればいいだけです。勤務先に貯蓄制度がなければ、給与振込口座で使っている銀行の「自動積立定期預金」に申し込むだけです。いずれも、給与から先取りで貯蓄できるので、お金の貯め忘れがありません。
やる!と決めたことを後回しにせず、1日でも早く行動に移すことが、金利よりも大事なことです。
その4:毎月1万円から即スタート
平均やいくら貯蓄できるかを考えるより、毎月1万円からでもスタートさせること。
貯蓄ができていない人に限って、同年代の給与平均はいくらだろう?いくら貯蓄しているのだろう?と気にします。確かに、同年代の平均貯蓄額は、ひとつの目標になるかもしれません。でも人は人。収入も違えば、貯蓄の目標も違うのです。
毎月いくらなら貯蓄できるのか?も大事なことですが、最初は、家計の収支管理もできていないわけですから、いくら貯蓄できるかがわかりません。毎月1万円も無理でしょうか? 毎月5000円も無理でしょうか?
初めからハードルを高くする必要はありません。自分の夢や目標を達成するためには、毎月いくら貯蓄しなければ!と単純に計算はできますが、車の運転と同じで、いきなりフルスピードで発進するのは危険です。ゆっくり、ゆっくりスタートし、長く続けることを優先しましょう。
その5:我慢することはネガティブなことではない
日頃の行動のうち、ひとつだけ我慢することを決める。
毎月1万円と決めたとします。会社の給与天引きや銀行の自動積立で、毎月1万円は確実に貯められます。その代わりに、毎月使えるお金は、これまでより1万円少なくなります。当たり前ですね。では、使えるお金が1万円少なくなったことをどう考えるか、です。日頃の行動のうち、ひとつだけ我慢することを決めてください。
・毎日コンビニに寄るのを2日に1回にする
・朝、カフェに立ち寄るのをやめる
・スマホの有料アプリを1つ解約する
・毎晩の缶ビール2本を1本にする
・テレビを見る時間を1時間減らす
日頃の行動を見直そうと思うと、意外と無駄と思えることが、いくつか思い当たるでしょう。でもそのすべてを一度にやめてしまうと、かえってストレスになってしまいます。たった1つだけ我慢することを決めましょう。それで月1万円の節約にならなくてもいいのです。月1万円少なくても生活は意外と困らないものです。
大事なのは、我慢したことを「マネーノート」にも書き留めておくこと。なぜ、自分はこの行動をやめたのか、我慢しているのかを見失うこともなくなります。いずれ、それは我慢ではなく、目標達成のための必然の行動に変わっていきます。
お金を貯める行動とともに、何か我慢する行動もする。セットにして考えられるようになれば、もっとお金を貯めるためには、小手先の我慢ではなく、根本的に家計管理の問題点を見つけようとなるはずです。その段階で、家計簿をつけたり、もっと有利な貯蓄法を調べたり、効果的な節約法を考えたりするようになるでしょう。
お金を貯めなくては!でも貯められない!という強迫観念や自責の念から解放され、楽しく、無理なくお金を貯められるクセをつけるようにしてください。
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筆者はお金を貯めることは、思うように生きていくためには不可欠なことと、社会人になったときにすぐに積立貯蓄を始めたので、ここに書いたことを実際にやってきたわけではありません。
でも、あることがきっかけで、日常のすべてのことが後ろ向き、ネガティブな思考に陥ってしまいました。自分の行動を阻害する要因はわかっているものの、それを正当化しはじめ、前に進むことをやめてしまいました。でも、このままじゃいけない!と思ったときに、まず用意したのが、前に進むためのノートでした。目標や、これからやりたいことをできるだけ詳しく書き、そのためには何をすべきなのか、これまで前に進むことを阻害していた要因はなんだったのかを客観的に書き出すことをしました。
実は、こうしたことは行動認知と呼ばれるもののひとつで、単に思っているだけではなく、書くという行為をすることで脳への意識づけになり、脳にプラスの作用をもたらします。「お金を貯められない」のは、そう思い込んでいるだけで、お金を貯められないことが脳にとっては心地よくなってしまっていたからです。
そう考えるクセがつき、思考が歪んでしまっているだけです。ノートに自分の行動を書き出すことで思考の歪みが修正され、「お金を貯める」ことを脳が覚えてくれるようになります。もう「お金を貯められない」に戻ることはないのです。最初は、いくら貯まったのかをチェックするよりも、「お金を貯めたい」と思った理由を、何度も何度も繰り返し読み返すことのほうが大事です。
これまでくじけてしまった人は、騙されたと思って、一度ノートに書き出してみてください。そのうち、ノートの存在が不要になるぐらい、「お金を貯めること」が日常で、当たり前のことになっているでしょう。
(文:伊藤 加奈子(マネーガイド))
いやあ、本当に面白い!
レディスアパレルで15年以上、企画やプレスの仕事をしてきた私が、今年一番ハマっているドラマが沢尻エリカ主演の『ファーストクラス』です。
ケレン味溢れまくりの演出と、意地悪すぎるキャラクターたちによって賛否両論が激しく分かれている本作。「あんなエグい職場ありえない!」と思われるでしょうが、実はあれ、レディスアパレル業界を忠実に再現しています。大げさに演出しているのは1割くらいで、9割はリアル。ドラマの舞台となっている「TATSUKO YANO」のような中規模デザイナーズブランド企業には、実際に似たような人間関係・状況が山ほどあります。
(1)分刻みのギリギリ進行!寝る時間も無いファッションショー&展示会前の様子がリアル
未だ手作業が多い業界ですので、基本的にいつもケツカッチン。そのわりにはてんで儲からないデザイナーズブランドと、周りからは“オワコン”と思われても不敵な笑みと自信を失わない社長デザイナー、夏木マリの演技が超リアル!こんな人いるもん。
(2)職種毎のキャラクター造形が異常にリアル
若ぶったイタいデザイナー、外面(そとづら)ばかり良いスカしたプレス、頑固オヤジみたいに職人気質なパタンナー・・・こういう人、本当によくいるんですよ。で、表面上は必要以上に仲良しぶっているけど裏ではドロッドロの人間関係。私服勤務だけど、常にファッションチェックされちゃうところもリアル~。
(3)数少ない男性社員の弱い立場がリアル
やっぱり女性メインな世界なので、そこで働く男子はおのずと物腰柔らか~な草食系が生き残る生態系に。オラオラ系男子は駆逐されます。
(4)ファストファッションに苦戦してるとこがリアル
「デザインから2週間で店頭に商品が並ぶ時代に、1年後の服をデザインしてるのが当たり前だと思ってる。なぜなら、今までずっとそうしてきたから」という木村佳乃のセリフ、リアルに自分が怒られてるみたいで耳が痛いです。
(5)国内縫製工場の衰退と高齢化がリアル
ドラマ内であった「金よりも人と情で仕事を受ける」という描写は実はとてもリアル。工場さんにはそういう気質を持ったところが多いのです。ちなみに舞台になっていた桐生とは、日本を代表する織物と縫製工場の街。他にも「シフォンの毛抜き合わせが縫えるなんてあの工場くらいだよ」というマニアックなセリフもあったりして、もはやリアル過ぎて視聴者ついていけないんじゃ?という心配も。
これらのリアルさの源は、前作に続いてファッション監修をされた軍地彩弓さんによるところが大きいでしょう。アラサー女性のオシャレを一気に二段階引き上げた伝説のファッション誌『GLAMOROUS』を立ち上げた、その筋ではとても有名なお方です。
いずれにせよ、かなり業界研究をして作られた作品です。あまりにリアルな「アパレルに絶対いるキャラクター」像に、観ていてニヤニヤしてしまいます。
というわけで、今後の展開から目が離せない『ファーストクラス』。変わりダネのイロモノドラマに見られがちですが、意外にも沢尻エリカをはじめとする俳優陣のネームバリューに頼ることなく、骨太に現代アパレルの問題点を描き出そうとしている意欲作なんです。
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