平成31年度の国民年金保険料は月額1万6410円です。この金額は翌月末日までに支払わなければなりません。国民健康保険や住民税の支払いを優先し、国民年金保険料を滞納するケースも多いようです。

20歳以上60歳未満は国民年金に全員加入

昭和36年4月から始まった国民年金制度は昭和61年4月に大きく改正され、20歳以上60歳未満は国民年金に全員加入することとなりました。厚生年金や共済年金は、保険料を支払う時も年金をもらう時も、国民年金の上乗せという形になっています。

10年期間があればもらえるようになった老齢年金

平成29年8月より以下の期間(受給資格期間)が合計で10年あれば老齢年金がもらえるようになりました。

1. 年金保険料を支払った期間(厚生年金・共済年金で天引きされている期間含む)
2. 国民年金保険料が免除・猶予された期間(学生納付特例・若年者猶予含む)
3. 合算対象期間

*合算対象期間(カラ期間)とは、会社員だった元配偶者との婚姻関係を証明する戸籍、学生時代の在籍証明、外国への出入国記録等、証明を要する期間です。

10年の受給資格期間の中で厚生年金・共済年金に1年以上加入していた人は、生年月日・性別に応じて原則60歳から64歳までの間に特別支給の老齢厚生年金を受け始め、65歳からは他に老齢基礎年金を受けるので年金額が増えます。

国民年金にだけ加入していた人や1年未満の厚生年金・共済年金期間だった人、平成41年4月2日以降生まれの人は原則65歳から年金を受け始めます。

国民年金保険料っていくら?

平成31年度の国民年金保険料は月額1万6410円です。結構な額だと思いましたか? この金額は翌月末日までに支払わなければなりません。平成17年度には1万3580円でした。

会社員は厚生年金保険料が、公務員は共済年金保険料がお給料から差し引かれているので、国民年金保険料に上乗せして支払っているという扱いです。

従って月額1万6340円を支払う義務があるのは、20歳以上60歳未満の自営業者や退職者、所得の高い主婦(夫)、配偶者が会社員・公務員以外の主婦(夫)等です。

特に退職後など支払うのが大変な場合は、国民健康保険や住民税の支払いを優先し、国民年金保険料を滞納するケースも多いようです。

厚生労働省が7カ月の年金保険料未納で強制徴収!

厚生労働省と日本年金機構は国民年金保険料を滞納した人に、平成30年度から取り立てを強化しています。財産を差し押さえる強制徴収の対象者を3年連続で拡大しています。

年間所得が300万円以上ある場合、7カ月以上(平成29年度までは13カ月以上)未納だと、財産を差し押さえられることもあります。

平成27年度の実績では、年金保険料滞納者のうち、文書・電話・個別訪問による支払い促しが合計で約6320万件あり、これらの度重なる要請に応じない場合、財産差し押さえによる年金保険料の強制徴収が7310件です。文書や電話で支払いを促した件数と比べると強制徴収は多いとはいえませんが、支払いを促された人は督促された年金保険料を払っているのでしょう。

平成29年度は期限内に支払いがなければ、財産差し押さえを通告する最終催告状が出された件数は10万3614件、財産差し押さえによる年金保険料の強制徴収は1万4344件。平成30年4月から9月まででは、最終催告状は9万3566件、財産差し押さえは6655件なので、より厳しくなっているといえます。年金保険料徴収に対しての国の本気度を実感します。
(文:拝野 洋子(マネーガイド))