企業に「現在、社員の副業・兼業を認めているか」聞いたところ、容認している企業の割合が25%にとどまることが、人材サービス大手のエン・ジャパンの調べでわかった。2019年9月9日の発表。
厚生労働省が2018年1月に策定した「副業・兼業の促進に関するガイドライン」で、政府が副業の後押しを表明したことで、昨年は「副業元年」といわれ、この方面からも働き方改革が進むとみられていたが、思うようには進んでいないようだ。
を行ったところ、企業間の同ガイドラインの認知度は73%だったが、副業・兼業を容認している割合は25%だった。
「副業・兼業ガイドライン」知ってる?
エン・ジャパンの「副業・兼業アンケート調査」によると、厚労省が策定した「副業・兼業の促進に関するガイドライン」については、22%の企業が「内容も含めて知っている」と回答。「名前だけ知っている」(51%)と合わせ、認知度は7割を超えた。
企業規模別では「100~299人」の72%(「内容を含めて知っている」が36%、「名前だけ知っている」が36%)が最多。「1~9人」では「知らない」が67%だった。また「50~99人でも「知らない」が48%あった。
「現在、社員の副業・兼業を認めているか」どうかの問いには、25%が「認めている」と回答。企業規模別では「1~9人」(50%)、業種別では「金融・コンサルティング」(56%)がそれぞれ最多。その一方で、全体の65%の企業が、副業・兼業について「禁止」と回答している。
「社員の健康」懸念強く
副業・兼業を禁止している企業にその理由を聞くと、トップは「本業に専念してもらいたい」(73%)。これに「社員の過重労働の懸念」(56%)、「社員の健康の懸念」(38%)が続いた。また「情報漏洩のリスク」(35%)「労務管理が煩雑になる」(30%)など、会社都合をあげる企業も少なくなかった。
副業・兼業をめぐる今後については、禁止企業では43%が「認める予定はない」と答え、39%が「導入を検討する」と前向きな姿勢を示した。容認企業では、36%が「今後も積極的に推進」、29%が「条件を厳格化しようか検討中」と回答。8%が「認めているが止めようか検討中」と答えた。
厚労省はの「副業・兼業の促進に関するガイドライン」をきっかけに、丸紅、日産自動車、花王、富士通などの従来からの大手企業や、ソフトバンク、LINE、サイバーエージェント、サイボウズなどIT企業の間で、副業制度導入が広まっている。2019年になってからは、金融機関でも副業解禁の動きが強まっているという。
なお調査は、エン・ジャパンが運営する人事向け総合情報サイト「人事のミカタ」を利用している従業員数300人未満の企業を対象に実施。インターネットで、7月10日~8月6日に実施した。有効回答数は402社。
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