ほんとにお金がないのか? お金がないと思っているだけなのか? 必要と思うお金がないのか? 年金は当てにできるほどないんだろうな……お金がない、年金が少ない、と言ってもその状況は様々です。

老後のお金がない、と不安に思うときには、どうする?

お金がないと思っている方の多くは、色々な場所にお金が散らばっていて自分が使えるお金がいくらあるのか認識できていない、といった状況があります。自分に合った管理方法で使えるお金の見える化が必要です。お金の管理はメンドクサイ、管理がニガテといった方でも、1年に一度の管理で、お金があるのかないのか、ひと目でわかる方法でお金管理をしましょう。

▼(1)散らばったお金を見つける家中の棚、引き出し、脱衣所、車の中、カバンの中など、あらゆる場所にある散らばったお金を一カ所に集めましょう。お金管理にはコインケースを使います。集まったお金をどんどん入れていけば、計算しなくてもいくらあるのかすぐにわかります。小銭は必ずコインケースに入れる習慣をつけましょう。そして、ある程度貯まったら、預金します。

▼(2)通帳と保険証券からお金を見つける通帳と保険証券からお金を見つけます。ノートを用意して、表を作ります。


・通帳
昨年の1月1日の預金残高を左側へ記入します。同じ通帳の今年の1月1日の預金残高を右側へ記入します。複数の通帳があるときは同じことを繰り返します。

・保険証券
貯蓄タイプの保険が対象になります。例えば、学資保険、低解約返戻金型終身保険、変額保険などです。1年間で支払った保険料を書いていきます。

▼(3)お金を見つける全て書き出し、合計を計算しましょう。1年にたった1回書き出して計算するだけで、年間の預貯金の状況が一目でわかるようになります。

年金が少ないと不安に思ったときの対策

年金はいくらもらえるのか、正しい数字の把握が基本です。年金受給額はねんきん定期便、もしくは、日本年金機構ホームページのねんきんネットで確認をしましょう。

▼(1)年金定期便をチェックねんきんネットを利用する場合は、事前に登録が必要です。

1. 基礎年金番号
2. アクセスキー

こちらを用意して利用登録しましょう。ねんきん定期便やねんきんネットに表示されている額が必ず保障されているものではありませんが、まずそこを目安の金額にしましょう。

▼(2)国民年金の未納期間のチェック国民年金保険料の未納期間がある方は、このままでは年金の加入期間にカウントされません。老齢基礎年金を受給するためには、原則10年の加入期間が必要です。受給資格期間が不足していると老齢基礎年金の受給ができません。

保険料免除、納付猶予制度を活用していた方の場合、年金額を計算するとき、免除期間は保険料を納めたときに比べて2分の1(平成21年3月までの免除期間は3分の1)になります。また、納付猶予になった期間は年金額には反映されません。受給する年金額を増やしたいという場合は、保険料免除や納付猶予になった保険料を後から納める(追納する)必要があります。この追納する制度はご自身で手続きを行う必要があります。

また、加入していたはずなのに未納になっている場合もあるかもしれませんので、記録の調査をしましょう。明確な数字の確認をして、一歩進んだ計画を立てていきましょう。

▼(3)厚生年金基金に加入している場合ねんきん定期便には掲載されていない情報もあります。「厚生年金基金」の情報はねんきん定期便には掲載されていませんので、ねんきんネットを使って調べましょう。

厚生年金基金は「代行部分」といい、「厚生年金を国に代わって給付する」という制度です。

『厚生年金基金制度は、国が行う老齢厚生年金の一部(報酬比例部分)の支給を代行し、これにプラスアルファ部分を上乗せして年金給付を行う仕組みです。厚生年金基金の中には母体企業の倒産や経営悪化による解散を余儀なくされるものが従来からありましたが、平成25年の法律改正により、代行部分の資産の保全の観点から存続のための基準が厳しく設定され、平成26年4月以降、厚生年金基金を解散するかまたは確定給付企業年金へ移行することが促されることとなりました』(資料:日本年金機構「厚生年金基金加入期間がある人の年金」より)

ご自身が加入していた厚生年金基金の解散・代行返上がある場合は、注意が必要です。どんな年金に加入していたのかを調べて、受取漏れにならないように準備をしましょう。不明な点はお近くの年金事務所で確認をしましょう。
(文:小山 智子(マネーガイド))