電気料金とガス料金、上下水道料金の平均的な支出がいくらなのかを世帯人数別、地方別や月別、年収別にご紹介します。平均や違いがわかれば水道・電気・ガス代の節約を考えるヒントになります。

水道光熱費の平均額はいくら? 月ごと、家族の人数、住んでいる地域で比較してみた

夏や冬など気候が厳しい時期は、電気代や水道代といった出費が気になる季節でもあります。周りの家庭がいくら使っているのか、自分の家庭の支出が高すぎるのか、それとも上手に節約できているのか気になりませんか?

電気料金とガス料金、それに上下水道料金を加えた支出を『水道光熱費』ともいいます。

今回はこの水道光熱費の平均的な支出がいくらなのか、世帯人数別、地方別や月別などいくつかの切り口で分析してご紹介します。平均的な水道光熱費や違いを知ることで節約すべきポイントにも気付くことができるはずです。

夏の冷房と冬の暖房どちらが高いのか

まずは、電気代・ガス代・水道代、その他の4つの支出が月別にどのように変化しているかをグラフにしてみました。



電気代は、1~2月と8~9月に山が2つあります。夏は電気代が高いというイメージがあったのですが、冬の電気代が夏場を大きく上回っていることがわかります。ガス代・他の光熱は、夏が低く、冬が高くなっており、上下水道料は1年を通じて5000円前後と安定しています。

1人暮らし、2人~5人世帯の水道光熱費の平均を比較

次に、世帯の人数別に1カ月の水道光熱費を比べてみます。


世帯の人数が増えるごとに月の水道光熱費も増えています。1人世帯と2人世帯を比べると、ガス料金は1人世帯の1.5倍程度、電気料金と上下水道料は2倍となっているのですが、3人以上の世帯になるとより効率良くなっています。

▼一人当たりの支出に置き換えると…1人当たりの支出に置き換えてみるとわかりやすいでしょうか。


ここで紹介した世帯人数別の水道光熱費は1年間の月平均ですので、自分の家計と比べる時には1年の合計額にする必要があります。1年分の合計は、2人世帯であれば、9376円×12カ月=11万2512円と計算するだけです。

寒い地域は暖房代が高い

気候の違いによる冷暖房代など、地方ごとに差がありそうです。データを見てみましょう。2人以上勤務世帯の地方別・水道光熱費の月平均支出額です。


地方ごとにかなりのばらつきがあることがわかります。支出額が最も多い地方と少ない地方の差はなんと7000円以上になるのです。

地方別に見ると、北海道・東北・北陸が2万7000円前後と飛びぬけています。この3つの地域の共通点は、寒さが厳しいこと。支出は「他の光熱」が目立って多く、この「他の光熱」のほとんどが灯油代です。お住まいの地方がどのような特徴かを把握した上で見比べてみましょう。

年収別は大きな差がない?

違う切り口でも見てみます。年収に応じて水道光熱費の使い方は変わるのでしょうか。


年収が高くなるにつれ、水道光熱費は少しずつ増えていますが、年収の増え方に比べると水道光熱費の増え方は小さいようです。

▼可処分所得に対する光熱費の占める割合手取収入に対する水道光熱費の占める割合の変化を見た方がわかりやすいかもしれません。年収が増えるほど、水道光熱費の割合が減っています。


つまり、年収が10%上がっても、水道光熱費が10%増えるわけではないということです。

水道光熱費の節約のポイントとは?

月単位で水道光熱費を見た場合に、地方ごとの差はありましたが、年収による支出の金額の違いはありませんでした。水道光熱費はゼロにすることができない支出のため、(他の支出と比べると)大きな節約効果は望めないかもしれません。が、「塵(ちり)も積もれば山となる」といいます。

平均と比べて支出が多いと感じた場合には、次の手順で水道・光熱費の見直しをやってみてください。

1. 月・季節ごとの電気代、ガス代と消費電力をチェック。
2. 電気やガスの使い方に問題がないか・無駄がないかを見直してみる。
3. 使用している使用している家電の消費電力をカタログ等で確認し、どの家電や設備に電気代やガス代が使われているかをチェック。非効率なものは買換えを検討。
4. 電力会社や電力会社やガス会社を比べる。

水道光熱費全体で1人世帯の場合は年間で10万8000円(月9000円)を、2人~4人世帯の場合は19万2000~24万円(月1万6000万円)を目安にすると良いでしょう。

節約しすぎて、熱中症になるなど健康を損なうことになっては元も子もないので、1年を通じてメリハリある使い方をしましょう。
(文:井上 陽一(マネーガイド))