スポーツ用ひんやり手袋開発 温度を自由に設定 シャープ
シャープ、TV用パネル再挑戦へ 堺工場の子会社化検討
戴会長「8K戦略の貴重な資産」
2019/6/15 2:10
シャープの戴正呉会長兼社長が14日、日本経済新聞の取材に応じ、堺市の液晶パネル工場運営会社の子会社化を検討すると明らかにした。既存工場はスマートフォンなどに使う中小型パネルが主体で、子会社化はテレビ用大型パネル工場への再挑戦となる。戴氏は経営危機にあるジャパンディスプレイ(JDI)の支援も「要請があれば検討する」とした。
シャープ、米国向けノートパソコンも中国から生産移管へ
戴会長兼社長が表明、追加関税なら
2019/5/27 15:21
シャープの戴正呉会長兼社長が27日、日本経済新聞などの取材に応じ、米国の中国に対する制裁関税「第4弾」の対象となるノートパソコンについて、中国から東南アジアへ生産移管する考えを明らかにした。戴氏は「ASEAN(東南アジア諸国連合)にも安く生産できる拠点はたくさんある」と語り、複合機やデジタルサイネージ向けなどの大型ディスプレーも移管を検討する。
米国の対中関税第4弾は最大25%の関税を課す内容で6月末以降に発動される見通しだ。シャープ子会社のダイナブック(東京・江東)が手がけるノートパソコンは杭州市の自社工場を中心に中国で全量を生産しているが、第4弾が発動されれば、台湾やベトナムなどにあるシャープや親会社の鴻海精密工業グループの拠点への移管を検討する。「全体の1割程度が米国向け」(戴氏)という。
第4弾が発動されれば、複合機は江蘇省の自社工場で高速印刷できる上・中位機種を生産しているが米国向けについてはタイ工場に移す方針だ。同様に広告向けなどの大型ディスプレーも今は鴻海の中国工場で生産しているが、同社のメキシコ工場に移管する方針だ。
一方、戴氏はシャープの部品を除く最終製品の売り上げの中で「中国で生産する米国向けは3.8%しかない」と語り、影響は軽微であることを強調した。該当する製品の生産移管を迅速に進め、競合に対してコストメリットを発揮してシェア拡大につなげる。
また米国による事実上の中国・華為技術(ファーウェイ)への部品供給禁止規制について、シャープは現在、規制の対象になるかの調査を進めている。日本国内でもファーウェイ製スマホの発売延期などの動きが生じているが、戴氏はこうした動きを「チャンスにもなる」と述べた。競合する携帯電話や携帯用ルーターなどでシェア拡大を目指す。
また戴氏は同日、自身の進退についても言及した。今年6月に鴻海精密工業の董事に復帰予定で、任期が残るため「2021年度まではシャープの会長職を継続する」と語った。社長職については「適当な人物がいたら引き継ぎたい」とし、20年度以降の交代を示唆した。後任は「できれば日本人から選びたい」とし、今後も幅広く社内外から候補者を募る。
また後継者育成の取り組みも強化する。戴氏と、野村勝明・石田佳久両副社長の3人が務めている共同CEO(最高経営責任者)については、今年7月から権限を拡大する方針だ。これまでは2千万円以下だった決済権限を1億円以下まで引き上げる。他の共同CEOの担当分野についても戴氏自身は「業績が達成できれば、関与しない」という。より重要な経営判断を共同CEOに任せることで、後継者としての適正を見極める。
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