ギャンブルはばくちですから、お金を増やす方法としては薦められませんが、お金持ちが好むギャンブルというものがあります。お金持ちは、何に注目してギャンブルを選ぶのか? その思考を知ることで、お金との付き合い方のヒントとなるはずです。

資産運用としてのギャンブル

ギャンブルはバクチですから、真面目なFPとしてはオススメできません(笑)。

しかし、資金規模が大きければ大きいほど、勝率が上がるのもギャンブルなので、ギャンブルが好きなお金持ちは大勢います。では、どんなギャンブルが一番得なのでしょうか?

お金持ちは競走馬を持つ

競馬こそ、お金持ちがするスポーツです。あっ、誤解しないでください。お金持ちが騎手になってサラブレッドに乗るわけではありません。お金持ちは馬主になります。

ギャンブルとは、主催者/胴元/プレイヤーが儲かるもの。大衆から資産家にお金が逆分配されるゲームともいえます。

お金持ちは仔馬を買い、調教師に預けて一人前の競走馬に育つことに賭けます。エサ代などの養育費を負担して、成長のときを待ちます。競走馬として公式レースを走れば、出走手当が出ます。

それだけでは赤字ですが、賞金を稼ぐような名馬になれば、出資金は何倍にもなって返ってきます。賞金の80%は馬主に入るといわれています。

種目で異なる控除率

ギャンブルで、資金が勝敗に応じて公平に分配されれば、それはフェアなゲームです。勝者の取り分と敗者の負け分が近しいほど、フェアな世界ということになります。

しかし現実には、資金は胴元に抜かれています。それが控除です。控除が大きいとは、それだけ参加費を取られていることであり、損をする可能性が高いことを意味します。

控除率の実際は、宝くじが55%、公営競馬が20~30%、パチンコは10~20%となっています。ということは、参加者全員に還元される払い戻し額は、宝くじは45%、競馬は70~80%、パチンコは80~90%となります。

参加者個人としてみれば勝てば儲かる、負ければ損するという単純なお話。しかし、その勝率には控除率が影響を与えているので、合理的に考えれば控除率の高いギャンブルは、勝ち目も低いということになります。

勝率を上げる方法

ギャンブルで勝率を上げる方法が、実はあります。競馬なら、出走記録や馬体重、外観などから馬の調子を予測します。一生懸命に分析し、競馬をビジネスにまでしてしまう人もいるのです。

そういう人は、全体の控除率がどうであれ、自分の勝率を上げることができ、得をすることになります。

パチンコも同様です。店の傾向を読んだり、パチンコ台を選んだりして、勝率を上げようと努力できます。

しかし、「宝くじ」はただ買うだけです。売り場を選ぶという手はありますが、効果の程はどうなのでしょう。縁起を担いでいるだけではないでしょうか。

カジノがお金持ちに好かれるワケ

そういう意味で、お金持ちが大好きなギャンブルにカジノがあります。カジノの控除率は2~5%といわれており、還元される金額が大きいです。

さらに、勝者と敗者の仕組みには、他のギャンブルと比べて大きな差があります。技術によって勝率を上げることができるからです。

カジノで勝てる人は、どこで行っても上手いのです。しかも勝敗は、相対的な人間関係、つまり、ディーラーとプレイヤーの力関係により決まります。

これは、ブラックジャックやポーカーの場合ですが、プレイヤーが勝ち続けて店の負けがこんでくると、ディーラーを交代させます。少しずつ強いディーラーを登場させることで、控除率を調整しているのです。

ギャンブルをすると、その人の金銭感覚がはっきりと現れます。人の性格や金銭運を測りたい相手がいたら、カジノに連れて行くといいですよ。
(文:北川 邦弘(マネーガイド))