みなさん何もしなくても貯まっていたというわけではありません。独自の「貯める仕組み」を持っているんです。その「貯める仕組み」の代表的な3パターンを紹介します。

あなたがしっくりくるパターンはどれ?

1000万円以上貯蓄がある人にたくさんお会いしてきた私ですが、「気付けば1000万円になっていた」というような自然現象で貯まったのではありません。みなさん独自の「貯める仕組み」を持っているんです。

ここでは、1000万円以上貯蓄がある人の「貯める仕組み」のうち、代表的な3パターンを紹介します。

「お金を貯めるには、手間や頑張りが必要……」と感じている方も多いので、「手間度」を「かなり小」から「大」と、レベル別に紹介しますね。


パターン1:財形貯蓄や自動積立定期など、「勝手に貯まる仕組み」がある

●手間度:かなり小(頑張るのは、最初の1回だけ!)

これは、一度手続きをしてしまえば、自分で貯蓄を意識しなくても、毎月一定額が貯まっていく仕組みです。手間度は「かなり小」。

「財形貯蓄」は、会社によっては制度がないところもありますが、制度があればチャンス。お給料が出る際に先に貯蓄をし、残ったお金が銀行口座に振り込まれるので、振り込まれたお金を使いきっても、貯蓄分は確保! 確実に貯まっていくのです。

「自動積立定期預金」は、給与振込口座で、毎月決まった日に(1日や25日など、給与振込日にしている人が多いです)3万円など、自分で決めた金額を定期預金に自動的に移してくれるというもの。

銀行で一度手続きが必要ですが(ネットからできる場合もアリ)これも、自動的に貯まっていく仕組みです。

一度手続きさえしてしまえば、まるであなたの秘書のように、勝手に貯めていってくれるので、「ものぐささん」にもピッタリ。「手元にお金があればあるほど使ってしまう」という人にも向いています。

例えば月に5万円、ボーナスで年間40万円貯めれば、1年間で100万円貯まります。10年間で1000万円! 思ったよりも現実的に1000万円貯蓄が見えてくるのではないでしょうか。

パターン2:普通預金に貯めていき、100万円単位で定期預金へ

●手間度:中くらい(ただし、節約家さんに向いています)

1000万円貯めている人は、自分の好き・嫌いが比較的ハッキリしています。自分にとって不要なものをセーブし、好きなところにお金を使うのが得意。

そうやって、無駄なものを削っていくと、次のお給料日までにお金を使い切ることがなくなり、銀行口座に少しずつお金が貯まっていきます。

さらに「家賃や光熱費を除き、毎月生活費として使えるお金は8万円だけ」などと出費ペースを決め、それを必ず実行できれば一段と貯まりやすくなります。

残高が多いと思っても豪遊せず、粛々と毎月の出費ペースを維持していけば、そのうち口座に100万円ほど貯まる日がやってきます。その100万円を、定期預金や、別の銀行口座などに移して、「貯蓄専用のお金」として意識。確実に貯めていく方法です。

それがどんどん積み上がって、1000万円に到達する日がやってきます。通帳を眺めて「残高がまた増えた!」と密かにニコニコする人にも向いていますね。

パターン3:自分で毎月、決まった金額を「貯蓄専用口座」へ移す

●手間度:中~大(銀行口座を2つ持ち、毎月お金を移す手間が必要)

「毎月3万円」「毎月5万円」などと貯める金額を決め、お給料が振り込まれるたびにその金額を下ろし、「貯蓄専用口座」に移すという方法です。

会社に財形貯蓄の制度がない人や、自動積立定期ではなく、別の銀行(例えば、給与振り込み口座が都市銀行や地方銀行で、貯蓄はネット銀行にしたいなど)で貯めたい人に向いています。

ただし、毎月お金を移し替えるのは、少々時間と手間がかかります。「よし今月も貯めたぞ!」という実感を味わいたい人にはいいですね。

「今月はお金がかかるから、貯蓄はパス!」としてしまう人は向いていません。このパターンで貯めるには、何があっても毎月一定額を貯められる強い意志を持ちたいですね。

併用もOK! 「ボーナスから貯める」のも忘れずに!

これら3つのパターンは、どれか1つだけ選ぶのではなく、組み合わせてもOK。例えば、財形貯蓄で月に3万円貯め(パターン1)、月に2万円は別の貯蓄専用口座に移す(パターン3)、というように併用してもOKです。

また、いずれも「月々」の貯める仕組みを紹介しましたが、「ボーナスからたくさん貯める」ということもとても重要です。ボーナスの3分の1~半分を貯めることで、年間貯蓄額がいっきにアップしますよ。

以上、1000万円貯蓄がある人の「貯める仕組み」3パターンを紹介しました。

貯蓄上級者さんなら「意外と普通のことでは……?」と感じたかもしれません。「え? こんな方法があるんだ!」と驚いた方や貯蓄が増えないと悩んでいる方、「1000万円貯めてみたいな」と思っている方は、自分に合いそうな方法を始めてみてくださいね。
(文:西山 美紀(マネーガイド))