「これからは資産運用の時代だ!」なんて話をよく聞きますが、具体的にどう資産運用すればよいか分からないですよね。それに、詐欺被害のニュースや怪しい勧誘も多いので、ヘタなことはやりたくないのでは? 今回は、そんなあなたのために、超「保守的」な資産運用術をご紹介しましょう。
「これからは資産運用の時代だ!」なんて話をよく聞きますが、具体的にどう資産運用すればよいか分からないですよね。それに、詐欺被害のニュースや、怪しい勧誘も多いので、ヘタなことはやりたくないのでは?

今回は、そんなあなたのために、超「保守的」な資産運用術をご紹介しましょう。その名も「カウチポテトポートフォリオ」です。

カウチポテトポートフォリオとは?

カウチポテトポートフォリオ(Couch Potato Portfolio)とは、米国のコラムニストであるスコット・バーンズ氏が提唱している資産運用法です。

カウチポテト(Couch Potato)とは、「ソファ(カウチ)に寝転んで(ジャガイモのように)長時間を過ごす人」のことを指します。平たくいえば、怠け者のことですね。カウチポテトポートフォリオは、そんな怠け者な方のために作られた、安全性の高い運用法です。

カウチポテトポートフォリオでは、資産の半分を株式の投資信託に充てて、残りの半分を国債の投資信託に充てます。このとき、それぞれの投資信託は、日本のものだけでなく、全世界に資産を分散するタイプのものを買うとよいでしょう。

この運用法はシンプルなので、管理の手間がかかりません。筆者個人の見解としては、このポートフォリオこそ、世界で最も安全だと考えています。なぜ、安全なのか? その理由を、これからご説明しましょう。

なぜ、カウチポテトポートフォリオは安全なのか?

こんなことを言うと驚かれるかもしれませんが、カウチポテトポートフォリオは、全財産を銀行預金として預けておくよりも安全だと思います。なぜなら、好景気が来ても不景気が来ても、どちらの場合でも上手くいくようにできているからです。

たとえば、あなたが100万円の資産を持っているとします。このうち半分を株、もう半分を国債として持っているとしましょう。

株は、景気がよくなると、値段が上がって得をします。だから、株をたくさん持っていると、あなたの資産は「好景気が来ると増えやすく」なります。

しかし、2008年のリーマン・ショックのような不景気が起きると、値段が下がります。ですから、株だけを持っていると、不景気に弱くなります。

一方、国債は景気がよくなっても、値段が上がらないので得をしません。むしろ、株を買っておいたほうが、お金が増えたはずなので、損をしてしまいます。アベノミクスのような好景気は、じっと貯金していた人が大損した時期だといえるでしょう(損をしたことに、気がついてさえいない方が多いのが驚きですが)。

その代わりに不景気では、「株を持っていたら損するハズのところを、損をせずにすむ」ことになります(少しこじつけっぽく聞こえるかもしれませんが)。そう考えると、不景気では、国債を買っておいたほうが得ということになります。

つまり、「好景気では株を持っていると得」「不景気では国債を持っていると得」ということです。そして、その両方を半分半分に持っておくことで、「どっちに転んでも大丈夫になる」ということですね。

株を持っているだけではダメだし、国債(または預金)を持っておくだけでもダメ。両方を組み合わせることではじめて、安全なポートフォリオを作れるということですね。

カウチポテトポートフォリオは、失敗したくない人にオススメ!

知の巨人、ナシーム・ニコラス・タレブ氏は、「将来のことは、誰にも予想できない」という旨の発言を、著書の中で繰り返し述べています。「将来が好景気になるか、不景気になるかは分からない」ことを考えると、どちらが来てもよいように準備できる、カウチポテトポートフォリオこそ手堅いと思います。

カウチポテトポートフォリオ。名前はあまり格好よくありませんが、覚えておいて損はないテクニックだと思います。ぼく自身も一部で取り入れている手法です。手堅くお金を増やしたい方は、実践してみてはいかがでしょうか。

●参考文献:お金で失敗したくない人にオススメな資産運用方法とは(https://allabout.co.jp/gm/gc/476811/)記事下段に記載
(文:中原 良太(マネーガイド))