「お金持ちほどケチ」「お金持ちはたくさんお金を使う」とか、「お金持ちは高級品を好んで買う」という話を耳にすることがありますが、実際はどうでしょうか。お金持ちとそうでない人の行動パターンを分析してみます。

小金ができるたびに浪費してはお金持ちになれない

「お金持ちほどケチ」といわれることがありますが、実際はどうでしょうか。

ちょっとお金が貯まると、とたんに新車を買ったり家を建てたりする人がいますが、こういう人はすぐにお金がなくなります。

なぜなら、自分のお金をどこに重点配分するかの軸がないからです。軸がないので、何ごとにもまんべんなくお金をかけます。

そうして急速にお金がなくなります。急に羽振りがよくなった人は、たいてい長続きしないものです。

「お金持ちはケチ」ってホント?

一方、富裕層は自分が価値を認めないものには1円たりとも払いません。何に資金を投入すべきで、何は投入する価値がないかを明確に線引きしています。

そのため、日用品は徹底的に安く買おうとします。見栄をはる必要がないので、外見にも無頓着な人も多い。一方で、食器はロイヤルコペンハーゲンを買ったり、高級腕時計を好んだりします。

ビジネスでも、たとえば、オフィスの立地が重要なビジネスであれば、オフィスにお金をかける。そうでなければ、オフィスは地味な場所にある雑居ビルを選ぶ。

名刺や封筒のクオリティが重要であれば、そこにお金をかける。そうでなければ名刺は100枚で1000円くらいの安いものにして、封筒も問屋街で買った業務用の茶封筒です。

また、彼らは経験が豊富で、物事の価値を比較する目を持っています。金額に見合った価値があるかどうかを見極めます。価値と価格が見合わないと感じたら、自分が納得できる金額まで交渉します。

凡人は彼らの振る舞いを見て、「お金持ちはケチ」と感じるのです。

お金持ちは高額品を好んで買う?

また、「お金持ちはたくさんお金を使う」とか、「お金持ちは高級品を好んで買う」という話を耳にすることがありますが、実際はどうでしょうか。

テレビのバラエティ番組などで派手に買い物をしているお金持ちの映像が流れることもあるので、そんな先入観を持ってしまいがちですが、実はお金持ちの多くはあまり買い物をしません。身なりも普通の人と見分けがつかず、若者ではフリーターか無職にしか思えない人もいます。

そのため、富裕層は収入に対する支出割合が低くなります。たとえば月収30万円の人が毎月20万円を使うとしたら、お金持ちは月300万円の収入のうち30万円を使う、というイメージです。

金額自体はお金持ちのほうがたくさん使っているように見えます。しかし前者の消費性向は67%ですが、後者は10%ですから、無理せずともお金が貯まるわけです。

お金持ちは資産価値を重視する

次に、「お金持ちは高級品を好む」という指摘ですが、これはほぼ当たっています。

お金が貯まらない人は、「安さ」を重視して買い物をします。彼らは「安いから買う」という行動を取るので、安物買いの銭失いになりがちです。

たとえば、資産価値が急速に下がる郊外の新築マンションを平気で買います。すぐに飽きて部屋の邪魔になる健康器具をテレビショッピングで衝動買いします。

一方、富裕層は「安さ」よりも、そのものが持つ「資産性」を重視して買い物をするので、自然と高級品を中心に買うようになります。衝動買いをすることも、まずありません。

彼らが高級住宅街に家を買ったり、ゴールドを買ったりするのには、そういう理由があるのです。
(文:午堂 登紀雄(マネーガイド))