シャラポワが学んだ「お金」の真実、「お金で得る物資的満足は一時的」
元世界1位のマリア・シャラポワ(ロシア)は今や間違いなくテニス選手として大成し経済的にも恵まれている。
シャラポワはどうやらその成功を掴むまでに、独自の金銭哲学を作り上げてきたようだ。米大手メディアの一つであるCNBCとのインタビューで「究極的には、お金は幸福をもたらさない」などとその一端を明らかにした。
シャラポワは自伝「アンストッパブル」の中で、父親とともにロシアから渡米した際にはたった700ドルしか所持していなかった境遇を紹介。アメリカを拠点にしてからも、シャラポワ自身はトレーニングに励む一方で、父親が毎月250ドルの家賃などの生活費やレッスン料を稼ぐために低い賃金で働かなければならなかったという。
ただ、シャラポワ親子の経済的な苦境は今では過去の事だ。シャラポワは17歳で「ウィンブルドン」の優勝を手にしただけではなく、現在までに5度もグランドスラムでのタイトルを獲得。さらに獲得賞金額は現在までに3,800万ドルにものぼり、最も稼ぐ女子スポーツ選手に選ばれたことも何度もある。
その結果、シャラポワは「お金は究極的には幸福を運んでこない。もちろん、より多くの物品を購入できるけれども、それらはすべて一時的なもの」との見解を語るようになった。
彼女は自身を分析して「ああいう環境で育ってきて(若い頃から自分で稼いで育ってきて)そのことに気づくのだと思う」と話しており、金銭哲学もその過程で培われたもののようだ。
さらにCNBCによれば、シャラポワは今ではキャンディの会社を立ち上げており、ビジネスにも進出。オンラインストアだけではなく小売店での販売も展開しており、将来にはライフスタイルブランドへの成長を目指しているという。
ほかにもシャラポワは「若くして成功し、上手くいっているときは、それが何年も続くと考えがちだ。大事なのは、明日起こりうること(怪我をすること、誰かが会社を辞めること、他社が台頭して競合になること)について現実的に考えることだ。」と話しており、テニス以外の活動でもシャラポワに油断はなさそうだ。
(テニスデイリー編集部)
※写真は2017年のヴァニティ・フェア誌のオスカーパーティでのシャラポワ
(Photo by Taylor Hill/Getty Images)