節約しているのに、お金がたまらないのはなぜ?
 これまで多くの女性の「お金」に関する相談にのってきましたが、その中でも「一生懸命節約しているのに、なぜかお金がたまらないんです」という相談が少なくありません。なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。今回は、節約しているのに、なぜお金がたまらないのか、その原因と対策についてお話しします。

固定費にメスを入れると効果的

「一生懸命節約しているのに、なかなかお金がたまらない」という人に、どんな節約をしているのかを聞いてみると、「電気代節約のため、マメに電源コードを抜いている」「スーパーのチラシをチェックして、安売りをしているスーパーで買い物している」「節水シャワーを利用して水道代を節約している」といった答えが返ってくるケースが少なくありません。
 ただし、日々、一生懸命節約している割に、「どうしても欲しい」という感情が働いてしまうと、節約という考えがなくなってしまいがちに。例えば、「ブランド品のバッグが欲しい」と思ったら、普段5000円のバッグを使っている人が、20万円ものバッグをためらわずに買ってしまうということもあります。また、「旅行の時くらいはぜいたくをしたい」と言って一気にお金を使ったり、「ストレスがたまっているから」と言って、一晩で何万円も使って飲みながらグチっていたりします。
 これでは、日々小さな節約に励んでいても、なかなかお金はたまりません。もちろん、日々の細かい節約も大切ですが、節約をするときは、毎月一定の金額がかかる固定費にメスをいれる方が効果的です。
 例えば、月々の保険料を5000円下げ、携帯電話の料金プランを3000円安くできれば、それだけで毎月8000円の節約ができ、年間では、実に9万6000円もの節約になります。しかも、保険料も携帯電話料金のプランも固定費なので、一度見直してしまえば、その後は何もしなくても節約効果が得られるのがメリットです。日々50円安い食材を探すのに時間を費やすより、はるかに効率的です。

「バーゲン」での買い物は要注意

 また、「無駄遣いしていないのにお金がたまらない」という女性に、自分なりの節約ポイントを聞いてみると、洋服やバッグ、靴などの服飾品を「バーゲン」「ファミリーセール」で買っているという人が少なくありません。
「服飾費を少しでも節約するためにバーゲンなどを利用しているのに、ちっともお金がたまらない」という事態に陥っているわけです。「バーゲン」「期間限定お買い得」のフレーズを見ると、「バーゲンでお得だから買わなきゃ損」とばかりに、あれもこれもと買いがちです。帰宅して冷静になると、同じような洋服が何枚もある、手持ちの洋服に合うものがないなど、結局クローゼットの肥やしになってしまうというケースも多いのではないでしょうか。
 また、食料品や雑貨品などのセールで、お得とばかりに、まとめ買いをする人もよく見かけますが、たくさん買いすぎて賞味期限までに消費できなかったり、他の商品の方がよいと思ってしまって、使い切る前に新しい物を買ってしまったりといったこともあります。
 セール品を目の前にしたときに、まず考えていただきたいのが、「正規の値段でも買うかどうか」です。正規の値段だったら買わないという物は「そもそも必要のない物」の可能性大! 本当に必要な物であれば、多少割高でも「必要なものだから仕方がない」と割り切って買う人がほとんどなのではないでしょうか。
「正規の値段なら買わないけど、安いから買っちゃおう!」という動機で買った物を思い返してみると、「買ったはいいけど、ほとんど使っていない」ということになっている場合が多いものです。正規の値段でも買うか買わないかを判断軸にすると、無駄遣いを防げます。

習い事をやめるのは残念な節約

 さらに、目先の節約のために、趣味や習い事、スキルアップのための勉強などをやめてしまう人も多いのですが、これはとても残念な節約といえます。
 例えば、目先の節約のために、健康維持目的で通っていたヨガをやめてしまったとします。ヨガの月謝は1万円程度。それで、体調を崩して会社を半年休むことになった場合、月謝分の損失どころではありませんね。また、目先の資格取得代をケチってしまったがために、将来の昇進・昇級のチャンスを逃してしまうかもしれません。
 日々の細かい節約もバーゲンセールでの買い物も、節約している割に成果が出ないというのは、目先の損得に踊らされている節約が多いということです。これでは、頑張っている割に成果が出ないので疲弊し、行く末は、心身の健康もお金も失い、つらい人生が一生続いてしまうことになります。
「一生懸命節約している割にお金がたまらない」という人は、長期的な視点に立ち、効果的な節約とは何かを考えてみましょう。そうすると、おのずと「正しい節約」が分かってくることでしょう。この機会にぜひ考えてみてください。