交通系ICカードでポイント獲得 賢い人の使い方
2019/4/25
SAPICAのポイントはチャージ不要で札幌市営地下鉄の運賃の支払いなどに使える
4月から新天地で、通勤や通学のために交通系ICカードを利用し始めた人も多いだろう。ICカードを利用して乗車するだけで、ポイントがたまる鉄道事業者が増えている。お得なため方や使い方を調べてみた。
■定期券区間以外でポイント
「1年間で500ポイント以上もたまるのか」――。都内在住の40代の会社員の男性Aさんは3月末、東京メトロのポイント「メトポ」の残高をネットで照会したところ、1028ポイントになっているのを知って驚いた。確かにAさんはプライベートでよく東京メトロに乗るが、「入会キャンペーンで得た500ポイントを除いても、思っていた以上のペースでたまる」とAさん。
メトポは10ポイント=10円単位で、PASMO(パスモ)にチャージできる。大手銀行の1年物の円定期預金の金利は年0.01%(税引き前)。500円の利息を得るには500万円預金する必要があるが、Aさんは地下鉄に乗るだけで、520円分得した。
ICカードでの乗車を促すため、ポイント制度を導入している鉄道事業者は全国にある。所定のICカードで原則、定期券区間以外を乗車するとポイントがたまる。
■電子マネーの支払いでもたまる
乗車回数や月の利用金額に応じてポイントがたまるなど、付与の仕方は様々だ。土日祝日に乗車したり月の利用金額が一定以上になったりすると、さらにポイントを上乗せする事業者もある。
西日本鉄道などのnimoca(ニモカ)ポイントのように、九州地方の鉄道・バスだけでなく、函館市電や函館バスなど、複数の交通手段でたまるポイントもある。また、ICOCA(イコカ)ポイントは乗車だけでなく、一部のイコカ加盟店で電子マネーで支払ったときにもたまる。
どの小売店で買い物をすれば、日ごろ利用する交通手段のICカードにポイントがたまるのかを確認しておけば、効率よくためられそうだ。
交通系ICカードには登録した本人しか利用できない「記名式」と、誰でも使える「無記名式」がある。ポイントをためるには「記名式」のカードにする必要があったり、種類によって利用手続きやポイントのため方が異なったりするので確認したい。
■利用登録が必要なカードも
記名式であっても、ポイントをためるには「利用登録」が必要なカードもある。このタイプのカードの場合、インターネットや郵送、駅に設置された券売機などで事前に手続きを済ませよう。
発行枚数が3千万枚を超えたといわれるパスモは、利用登録すれば、同一のカードでメトポと、都営地下鉄などのToKoPo(トコポ)をためられる。札幌市営地下鉄などのSAPICA(サピカ)や仙台市地下鉄などのicsca(イクスカ)などは登録が不要だ。
たまったポイントの活用法は主に2種類ある。まず、ポイントをカードにチャージして、1ポイント=1円相当で電車やバスなどの運賃として利用できる。駅に設置された券売機やチャージ専用機などでできる。サピカはチャージが不要で、運賃以上のポイントがたまっていると、自動改札を通過するときに自動的に運賃に充当される。
■有効期限に注意
運賃のほか、パスモやイコカなどはたまったポイントを加盟店での買い物の支払いに使える。サピカやイクスカなど一部を除き、カードは全国で共通利用できる。たまったポイントを地域外の乗車や買い物にも利用できるので、旅行や出張などの訪問先でも便利だろう。
一部のカードを除き、ポイントには有効期限がある。付与されてから1年後や翌年の月末などとするのが一般的だ。西日本鉄道などのニモカは翌年の12月末、メトポは翌年度末といった具合に、有効期限を迎えると一定期間内に獲得したポイントがすべて失効してしまうカードもある。
定期的に有効期限を確認して、ポイントが失効しないよう気をつけたい。
(藤井良憲)
[NIKKEIプラス1 2019年4月20日付]
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