Photo by iStock
「2ちゃんねる」の創設者、「ニコニコ動画」の命名者として知られる、ひろゆきこと西村博之氏。月5万円の極貧生活から、年収数億円の大富豪にのし上がった彼が、その「マネー哲学」を語ったのが、著書『これからを生きるための無敵のお金の話』だ。「バカを騙して稼ぐビジネスモデルがたくさんある」と指摘するひろゆき氏。消費者金融、リボ払いがその典型だ。いかにこれらを利用することが「バカ」なのか、その理由を語る。

リボ払いは「借金」です

消費者金融でお金を借りる人は、基本的に皆さんバカだと僕は思っています。
Photo by iStock
仕事で、どうしても今現金が必要という人ならいいと思いますよ。たとえば、接待の仕事をしていて、支払いにカードが使えないので、どうしても現金が必要になって、そういうわけで消費者金融でちょっと摘みました、で、すぐに返しました。これはまだいいんです。
それは、自分の仕事のために必要な資金を回しているわけなので、「消費者」ではないからです。でも、本当に消費するために消費者金融からお金を借りて、消費している人って、バカですよね。
クレジットカードのリボ払い(分割払い)で払う人も、バカだと思っています。
リボ払いというのは、毎月小さな一定のお金に分割して払っていくやり方ですが、たとえば10万円分の買い物をしたとしますよね。毎月1000円ずつ返しますっていう場合、100カ月間(8年4カ月間)借り続けるわけです。その間ずーっと利子が増えるんですよ。
毎月1000円しか払わなくていいんだと喜んでいても支払いはずっと続く。なので、支払う総額がめちゃくちゃ増えるわけです。
「リボ払いのここがいいんです!」という意見があるなら聞いてみたいです。
消費者金融もリボ払いも借金です。
借金というのは時間がたてばたつほど、返さなければいけないお金が増え続けて損をするものです。借金でストレスがたまり続ける人は多いと思います。
自転車操業でめちゃめちゃ借金を抱えて、計画倒産して逃げる、っていうんだったらわかります。「借金、返さないなら借金じゃない」って理論ですけど、まあ、犯罪ですね。
そうじゃないんだったら、消費者金融もリボ払いもやめたほうがいいと思います。

バカを騙して儲ける人たち

世の中にはバカな人がいっぱいいるので、 バカを騙して稼ぐビジネスモデルが、本当にたくさんあります。
Photo by iStock
バカには「バカ」って言ってあげないとわからない。ひどい言い方かもしれませんが、僕は優しさで言っているんです。「バカ」って言われないと気がつかないですから。
「リボ払いしているやつはバカ」って言われて、「え? 俺バカなの?」って気がついたほうが、その人にとっては良いことだと思っています。
バカを騙して儲かる仕事って、世の中を良くしているとは思えないんです。
僕はそういう会社は徐々に減っていくべきだと思っています。
そこで働いている人たちが、もっとまともな、人々が幸せになったりするもの、面白いものを作る会社で能力を発揮してくれたほうがいいと思います。
「バカを騙したほうが楽に儲かる」っていう気持ちもわかりますよ。でもそれって、社会にとってはどうなんでしょうか。
これは単純に好き嫌いの問題なので、「バカを搾取して何が悪いんだ、おれは金持ちになってキャバクラに行きたいんだ」って人も間違ってない。法律上、まったく問題はありません。それは個人の自由ですから。
ただ、そうじゃないほうが社会にとっていいんじゃない? って思うんですけどね。
もちろん騙される人たちも喜んで騙されているのであれば、それはなんの問題もない社会だと思うんですが、ただ僕は、最大多数の最大幸福みたいなことが良い社会だと思っているので、そうすると、10人のバカを騙して一人が幸せになりました、っていう状態は、最大多数ではないわけですよね。