「貯金1000万円」。数字だけを見ると、とても手に届かない金額に思えます。毎月少しずつ貯金していくことで、実際に貯めることが可能な金額だと私は考えています。

貯金1000万円を目指して自分のペースで貯めよう!

1000万円貯金する!と言うと、相当な覚悟がいる気がしますよね。

気合を入れるのは良いことですが、生活のレベルを落として収入のほとんどを貯蓄に回す、なんて必要はありません。それぞれ自分のペースで、無理のない範囲で貯金することが大切です。

たとえば、毎月2万円、ボーナスから10万円を貯金するとしましょう。この場合、おおよそ30年で1000万円が貯まります。毎月4万円、ボーナスで20万円を貯金できれば、およそ14年。毎月6万円、ボーナスで30万円貯金できれば、およそ10年ちょっとで1000万円になります。

会社にお勤めの場合は、徐々に収入が増えていくと思いますので、その分貯金に回せる金額は増えていきます。意外と早く貯められるかもしれません。

貯金する金額の目安は?

とはいえ、収入、年齢、はたまたどういった家族構成なのかによって、貯金に回せる金額は異なります。収入のうち、どの程度貯蓄に回せば良いか、その目安をまとめました。

▼独身の場合一人暮らしの方は手取りの10%、実家暮らしの方は家賃や生活費がかからないとして、手取りの30%は貯蓄へ回したいところです。実家にお金を入れている場合は、それを含めて30%でOKです。

▼結婚していて子どもがいない場合支出に大きな変化がないので、常時15%を目安に貯蓄しましょう。住宅購入を考えている場合は、頭金を増やすために20%を目指しましょう。

▼子どもがいる場合子どもがいる方は、子どもが小学生に入学するまでは10%、子どもが小学校を卒業するまでは8%、中学校を卒業するまでは6%、高校を卒業するまでは3%を目安に貯蓄しましょう。もっともお金がかかる大学生の間は、無理に貯蓄する必要はありません。

図に記入をして、貯蓄額の目安と現状を比較してみましょう。


おすすめは「先取り貯蓄」

おおよその目安がわかったところで、次はお金を貯める方法です。おすすめは「先取り貯蓄」。お金を使って余った分を貯めるのではなく、お給料が入ったらすぐに積み立て口座などに移して、残りのお金で生活するやり方です。

勤めている会社に財形貯蓄の制度があれば、利用してもよいでしょう。財形貯蓄は会社の福利厚生の一環として導入されているもので(会社によってはないところもあります)、従業員が給与やボーナスからの天引きで資産を積み立てられます。お給料から天引きされますので、ついつい使ってしまうことがありません。

しかし、金利の低い定期預金が対象の財形貯蓄では、お金を増やすことは期待できません。貯めたお金を増やすには、運用をする必要があります。

お金は運用しよう

資産運用するのであれば、まずは税制優遇されている制度を利用したいところ。

60歳以降にしか引き出すことができませんが、「iDeCo(個人型確定拠出年金)」は、掛け金の全額が所得控除(税金が安くなります)され、運用益は非課税。そのほかにも、年間投資額が120万円までの運用益が最長5年間非課税となる「NISA」、2018年1月からスタートした、年間投資額40万円までで運用益が最長20年間非課税となる「つみたてNISA」など、税制上有利な制度があります。これらを利用して、資産運用をはじめてみるのはいかがでしょうか。


ただし、「NISA」と「つみたてNISA」の併用はできませんのでご注意ください。株式で運用する投資信託の場合、株式市場が好調であれば資産は増えていくはずです。ただし、その逆もあり得ますので、リスクを取りたくないという人は株式の割合を下げ、債券の割合を増やしているバランス型投資信託も良いでしょう。

お金を貯めつつ、お金自身にも働いてもらう。これが1000万円を貯める近道です。
(文:井戸 美枝(マネーガイド))