2019年4月28日日曜日

名古屋とその周辺のサラリーマンの腹を満たしているソウルフード 名古屋の腹満たすあんかけスパ 具材たっぷりピリ辛

名古屋の腹満たすあんかけスパ 具材たっぷりピリ辛


2019/4/25付 日本経済新聞 夕刊
そ~れの「ミラカン」はベーコン、ソーセージ、トマト、タマネギと、肉類と野菜両方の具材を味わえる
ナゴヤメシといえば、ひつまぶしやみそカツが頭に浮かぶ人が多いだろう。だが、ミートソースのような赤いソースをかけた「あんかけスパ」を忘れてはいけない。名古屋とその周辺のサラリーマンの腹を満たしているソウルフードだ。地元では皆知っているご当地料理だが、歴史を探ると「発祥の地」「元祖」「名付け親」と3つの「親」がいることが分かった。
名古屋を歩くと「あんかけスパ」の看板を掲げるレストランが目に入ってくる。あんかけスパとは、ミートソースに野菜や肉、トマトピューレなどを加えてオーブンで焼いたり、煮込んだりして作る赤いソースがかかったスパゲティのこと。代表的な「ミラネーゼ」はベーコンやソーセージなど肉類、「カントリー」はトマトやタマネギなど野菜がのっている。両者の頭文字をとった「ミラカン」は肉と野菜を同時に味わえる。
厨房であんかけスパを作るヨコイの横井慎也さん
第1の親、発祥の地は名古屋市中区のそ~れだ。3代目店主の金岡晃弘さん(47)にお勧めを頼むと、麺が300グラム、トマトやタマネギなどの野菜が200グラム以上のったミラカンが出てきた。タマネギのシャキシャキ感を感じながら、ピリッとコショウが効いたあんかけソースのかかったスパゲティを楽しめる。
金岡さんになぜそ~れが発祥の地なのか聞いてみた。もとは丸栄ホテル(現名古屋国際ホテル)で洋食の料理人として働いていた横井博氏が、友人との共同出資で1961年に開いた店だという。横井氏が洋食料理のデミグラスソースをヒントに作った「あんかけ」をパスタにかけた料理を初めて提供した店なのだ。

その横井氏が2年後の63年に独立して開いた店が第2の親である「元祖」のヨコイ。同じく名古屋市中区に本店を構え、今は3代目の横井慎也さん(31)が店を切り盛りする。お勧めは海老フライがのったミラネーゼ。「05年の愛知万博でナゴヤメシに注目が集まって、地元の人も県外の人もあんかけスパをより食べるようになった」と話す。
からめ亭の「あんかけロカボ+スパ」はカロリーが少なく、小食の人も楽しめる
そんな歴史があるあんかけスパの第3の親が「名付け親」のからめ亭だ。代表の志智均さん(64)は「あんかけうどんに似ているので、あんかけスパという名前にした」と打ち明ける。からめ亭池下店(名古屋市千種区)でお勧めを頼むと、こんにゃくやアスパラガスをトッピングした「あんかけロカボ+スパ」が出てきた。「カロリーを抑えており、小食の女性や子供にもあんかけスパを楽しんでもらえる」と志智さんは話す。
<マメ知識>モーレツ人の腹満たす
名古屋で1960年代に生まれたあんかけスパは高度経済成長期の猛烈サラリーマンたちの腹を満たしてきた。その歴史もあり、あんかけスパの大盛りサイズには独特の特徴がある。ヨコイの通常サイズの麺は220グラムだが、ただメニュー表にある「1.5倍」の麺は2倍の440グラム、「ダブル」は3倍の660グラムだ。横井慎也さんは「腹をいっぱいにして働く原動力にしてほしいという、博おじいさんの思いから始まった」と話す。食べる時はメニューをよく見て、本当に食べたい量、食べられる量を選ぶようにしよう。
(名古屋支社 藤岡昂)
[日本経済新聞夕刊2019年4月25日付]

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