2020年3月22日日曜日

マツダCX-8[商品力を左右する”2列目シート”の仕立て方]機能追加を最小限の重量アップで

マツダCX-8[商品力を左右する”2列目シート”の仕立て方]機能追加を最小限の重量アップで

3列席を持つSUVはまだ絶対的な販売台数こそミニバンより少ないものの、乗車定員6名以上の多人数乗用車として注目を集めつつある。こうした市場背景から、マツダはCX-8の2列目キャプテンシートに電動スライド&リクライニング、ベンチレーション機構(1列目席にも装備)を加えた特別仕様車を直近の変更で設定。多人数乗用車でとくに重視される、2列目席の利便性をさらに高めている。これらの機能追加について、同社シート・乗員保護開発グループの芦原氏にお話を伺った。

 高温下での車内の快適性を大きく高めるシートベンチレーションだが、装着されるのは高価格帯のモデルがまだまだ中心。CX-8開発中にも搭載の検討はした、ということだが、17年の発表時には設定がなかった。しかし販売開始後にリクエストが多く届くようになる。ミニバン代替、さらに直接の競合車がないCX-8の独特のポジショニングから、この機能の存在を知っている層のショッピングリストに名前が挙がるようになったせいもあるだろう。「シートベンチレーションには空気を吹き出す方式と吸い込む方式があり、両者を切り替えるタイプもありますがマツダは吸い込むだけのシステムにしています。身体の蒸れを解消するのが一番の目的でエアコン冷気を乗員とシートの間に流れ込ませられるし、シンプルなぶん、重量も抑えることができるので」と芦原氏。CX-8では座面と背もたれのそれぞれにブロアモーターを備え、広範囲で空気を吸い込むようにしているが、1脚あたり2個のブロア関連の重量は約500g。ベンチレーションシステム全体でも1脚あたり約900gの増加に抑えている。SUVはヒップポイントが高くシート下に空間があるためセダン系よりは余裕があるというが、それでも各部品の陣取り合戦は大変だった。

 そもそもシートには座り心地だけでなく強度も求められる。乗員を守るのはボディだけの役目ではない。シートも衝撃試験に合格できる強度がなければ使えない。芦原氏に、コストなどをひとまず置いてシートを50%軽量化せよと言われたら、と質問すると「それはもう骨格、フレームの見直しです」と即答された。「強度確保に現状ではいろいろと重量がかかっています。ここに画期的な新材料が使えたら。剛性も欲しいし、形状を三次元的に見直して強度を高めていくやり方でも骨格自体が小さくなって、より軽くできるようになるかもしれません。パッドやトリムよりも大きく効くのは、フレームの刷新だと私は思います」とのことだった。
大型アームレスト付きキャプテンシート
3名掛け可能なベンチシート
CX-8の2列目席は3タイプを用意 これは、センターウォークスルー可能なキャプテンシート
 上左から、大型アームレスト付きキャプテンシート、3名掛け可能なベンチシート、センターウォークスルー可能なキャプテンシート(これがもっとも軽い)。近年はミニバンでもキャプテンシートの人気が高いが、最大乗車定員数にこだわる層からのベンチシートへのニーズも残っている。中央席用シートベルトを内蔵するため骨格強度が必要なベンチシートは、どうしても重くなる。
〈ベンチレーションシステムの構造〉
 シートバックと座面の2ヵ所にブロアモーターを配置し、シート表皮から外気を吸い込む方式。CX-5では1列目席、CX-8では1列目/2列目席に設定される。中央の写真は操作性を考慮してセンターコンソールに用意されたCX-8の2列目席用スイッチ。座面下の空間がセダン等より大きいのは、搭載面で有利だったという。

3点式シートベルトをどう成立させるか

〈衝突時の大荷重を支えるためには強固な構造が必要〉前面衝突時にはシートベルトのショルダーアンカー部分に、体重の数倍もの荷重がかかることも珍しくない。そのためベルトはピラー側に内蔵されるのが一般的だが……。
〈ミニバンのロングスライドに対応するシート組込式〉ドア側の肩口に専用のシートタワーを設けたホンダ・オデッセイの“プレミアムクレードルシート”。前後スライド位置に影響されることなく乗員を適切に保持する。
〈車体側マウントのメリット/デメリット〉小型ワゴンのリヤ中央席などでは写真のようにルーフ部分にシートベルトを内蔵するケースが多い。シート自体の重量増は抑えられるが、装着時の手間が増えるほか、後方の視界を遮ってしまう。


マツダ、タイ生産見直し バーツ高でSUVを日本に移管

マツダはタイの生産体制を見直す。同国からオーストラリアに輸出する自動車の生産を日本に切り替える。年内にもまず、主力の多目的スポーツ車(SUV)で実施する。タイの通貨バーツの上昇で採算が悪化していた。タイ国内の自動車市場の不振もあって米ゼネラル・モーターズ(GM)は完成車、日本製鉄は自動車用鋼板を減産しており、同様の動きが広がる可能性がある。

マツダが小型SUV「CX-30」発表 SUV市場の競争激化








マツダが小型SUV「CX-30」発表 SUV市場の競争激化
 自動車メーカーが市場の拡大が続くSUV(スポーツ用多目的車)の開発にしのぎを削るなか、マツダは新型の小型SUV「CX-30」を発表しました。

 マツダの新型車「CX-30」はSUVとしては小型で、立体駐車場の多くに入るよう高さを抑えるなど都心部でも扱いやすい大きさなのが特徴です。マツダは「日常の使いやすさを追求した」としていて、新型の小型SUVの投入で新たな顧客の取り込みを狙います。発売は来月24日で、価格は10%の消費税込みで239万2500円からです。自動車のなかでもSUVの市場は伸びているため、各自動車メーカーは大型から小型まで様々な車種を開発していて、競争が激しくなっています。

マツダ新販売店 レストランの料理にあたる光を参考にした

東京都内で4店舗目となるマツダのブランド発信旗艦店(板橋区)

レストランのディナー席を参考に照明の当て方にもこだわった

高級感溢れる店舗コンセプトをどこまで広げられるか

 近年、新型車の統一したデザイン改革や車名変更などブランド力のさらなる強化に余念がないマツダだが、今度は東京でのブランド発信拠点となる新しい販売店をオープンさせる。経済ジャーナリストの河野圭祐氏が、“新世代店舗”に込めるマツダのこだわりと販売戦略についてレポートする。

来たる8月3日、東京都内でマツダの4店舗目となる“ブランド発信旗艦店”がオープンする。皮切りは2013年の洗足店、続いて2014年に目黒碑文谷店、2016年は高田馬場店、そして今回は板橋本店だ。
「4店の基本コンセプトのエッセンスで共通化できるものは、ほかの全国にある店舗にも順次、移植しているところです」(常務執行役員で国内営業を担当する福原和幸氏)
 ちなみに、マツダの国内店舗923店中、そのエッセンスを注入した新世代店舗は169店と、比率にして、まだ18%という段階だ(いずれも今年6月1日時点)。
 では、肝心の基本コンセプトとは何か──。ドレスコードならぬ“デザインコード”という表現で、ブランド旗艦店のデザインに携わってきた、建築家の谷尻誠氏はこう解説する。
「黒基調のカラーを基本に木材もふんだんに取り入れることを、ひとつのデザインコードとして定めました。店全体をダークトーンにしつつ、木を使うことで落ち着いた雰囲気を作るわけです。
 事前に、他社のディーラーも回ってみましたが、木を使っているディーラーはなかった。ミュージアムとかギャラリーのように、店舗内の空間をストイックに、かつシンプルに作ってクルマを浮かび上がらせる方法がほとんどだったのですが、マツダでは、店舗のトーンは黒基調でソリッドな空間だけど、温もりを出したいので木も使っています」
 そこが、たとえば同じ黒基調にゴールドカラーをあしらって高級感を演出するレクサスの店舗や、メルセデス・ベンツなどの高級輸入車のショールームとは違うところだという。
 マツダの常務執行役員でデザイン・ブランドスタイルを担当する前田育男氏は、谷尻氏や同様にデザインに関わった建築家の吉田愛氏に対して、店舗デザインの設計についてこんな注文を出していた。
「最初にお願いしたのは、お客様にとって居心地のいい空間にしてほしいという点と、ともかく敷居を上げないでくれと。上質さを追求すると高級な方向に振りやすくなりますが、敷居が高くなってお客様が入りにくくなるのでは意味がない。そうではなく、店内でゆったりと寛いだ気持ちになれるようにしてほしかった。あとは店内に入らずとも、外から見てもショールームのクルマが美しく映えるように見せたいと。
 もう1点、店長には、ここはクルマを売る店じゃないという自覚でやってほしいと言っています。いわばマツダのクルマを“味わってもらう”場所であって、いきなり販売スタッフが契約書類や電卓を片手にお客様と接するスペースではない。そういう場所づくりを心掛けてもらっています」
 以前、マツダの丸本明社長は、「マツダ車の目標は和製BMWのようなイメージか」との問いに対し、「(ベンツやBMWなどの)欧州プレミアム車の中で“賢い選択肢”になりたい」という表現をしていた。
 品質面ではドイツ車と遜色ないのに価格帯はお買い得──というポジションの獲得を意識しているとすれば、ブランド発信旗艦店でも上質感や上品さを保ちつつ、敷居は上げないというポリシーは合致する。
 ちなみに、前田氏のようなカーデザイナーが店舗デザインの監修をすることは異例のこと。マツダ車の世界観をトータルで表現するには、「料理(クルマ)に見合う皿(店舗)があってこそ」(同)というわけだ。
 たとえば、クルマを最大限に美しく見せるため、ショールームの照度は一般的な明るさよりも落とし、照明の当て方も、最もクルマが映えるような角度に設定されている。想定したのはレストランのディナー席だという。周辺の照度は同じように落とし、テーブルに置かれた料理に照明をフォーカスするやり方をクルマに応用したのだ。
 この徹底ぶりは、“納車ルーム”のフロアを設け、新車引き渡しに際して駐車場でキーを受け渡すだけの、よくありがちな味も素っ気もない儀式を廃した点にも見て取れる。
「お客様はクルマに300万円とか400万円を支払うわけで、ポンとキーだけ渡されたらイヤな感じですよね。もっと丁寧にお渡しすることが必要。百貨店でも、高価な陶器や時計などを買ったら包装してレジで、はいどうぞではなく、お渡しは別室で行ったりする。それと同じです」(前出の前田氏)
 クルマの見せ方や接客へのこだわりは、マツダがクルマを所有することに悦びを見出す層をターゲットにしているからだ。クルマというハードに完成形がないように、店舗デザインの深化やクルマの見せ方にもまだまだ貪欲でありたいという。
「クルマに当たる光にはこだわっています。光の当たり方が変わることで、あたかもクルマが生きている動物のように見えるところまでもっていきたい。そういう要素を店舗内でも表現できたらいいですね。具体的には店内にターンテーブルを置いて、クルマを少しずつ回して見せるようになればベスト。次はクルマの見せ方の進化です」(同)
 見せ方と同時に前田氏が渇望しているのが、よりマツダ車のブランドイメージを高めるためにも、都心部にフラッグシップとなるショールームを出すことだ。たとえばホンダは港区青山に本社ショールームがあり、日産自動車も中央区銀座の4丁目交差点という好立地にショールームがある。ブランドイメージ向上に一役買ってきたことは間違いない。
 その点、マツダも広島と東京の2本社制を敷いてはいるが、東京本社が入る千代田区内幸町のビルは自社ビルではないため、ショールームがない。当地は三井不動産が同エリアの広域再開発に入るため、年末にもマツダは東京本社を移転する。移転先はまだ非公表だが、テナントで入る以上、ショールーム併設は難しそうだ。
「都心のショールームは本当に欲しい。たぶん、マツダの中で僕が一番欲しがっているでしょう(笑)。それも、ビルの1階の一角でいいので、できることなら丸の内界隈に欲しい。物件難やコスト面のハードルは高いですが、次のステップでは、そういうことも企画しないといけないですね」(同)
 マツダではクルマのデザインは全車統一感を出し、「どのクルマも似ていてつまらない」と考える人たちよりも、一目でマツダ車とわかるブランドアイデンティティに共感する人をターゲットにしている。
 最近、「MAZDA3」を皮切りに「MAZDA6」「MAZDA2」と従来のペットネームを廃することを打ち出した点も相まって、仮想ライバルは国産メーカー以上に、輸入車、特にドイツ勢を中心とした欧州メーカーに置いていると映る。それだけに、ブランドイメージの一段のアップのためにも、都心のショールームは喉から手が出るほど欲しいのだ。
 現時点で、都心のフラッグシップショールームはなかなか叶わないが、目黒碑文谷店で神奈川県方面からの潜在顧客をカバーし、今回の板橋本店では埼玉県方面からの潜在顧客をカバーすることとなった。まずは都心の外周、外堀を埋める形で、ブランド力の一層の向上に向けたピースがはまった段階といえる。
 来年2020年は、マツダにとって創業100周年の節目の年。そのメモリアルなアニバーサリーイヤーに念願の都心ショールームが出せたら最高なのだが。

ビジネスだけでは語れない存在? マツダが教習車に力を入れる理由














画像提供:マイナビニュース
自動車メーカーにとって、自動車教習所向けに作る「教習車」とは一体、どういう位置づけの商品なのだろうか。先頃、新型教習車を発売したマツダで話を聞くと、「ビジネス的に、そんなに大きな果実ではありませんが……」とのこと。ただ、それ以上に大事な役割が教習車にはあるという。

○マツダの教習車が「デミオ」のセダンに

マツダは2019年5月に新型「マツダ教習車」を発売した。これまでは「アクセラ」をベースとする教習車を販売していたが、新型は「MAZDA2」のセダンタイプをベースに開発。「MAZDA2」とは日本でいうところの「デミオ」(もうすぐ日本でもMAZDA2に改称)で、セダンタイプは従来、海外向けに販売してきたモデルだ。

ベース車両がアクセラからデミオになって、マツダ教習車の何が変わったのか。まず、大きく異なるのはサイズだ。コンパクトなMAZDA2のセダンをベースとする新型は、全長4,410mm、全幅1,695mmと運転しやすい大きさで、従来のアクセラをベースとする教習車よりは一回り小さい。最小回転半径は4.7mと小回りも効く。

それと、根本的に進化したのは、クルマ自体の性能だ。そもそもマツダには、クルマを発売した後も定期的に改良を加えていく「商品改良」(年次改良と呼ぶ人もいる)という考え方がある。これにより、最新のクルマに搭載した技術を既存のクルマにも横展開できるのが、マツダの特徴だ。例えば、SUV「CX-5」は2012年に発売となったクルマだが、2018年11月に登場した最新モデルは、幾度もの商品改良を経て進化を遂げている。同じ車種でも、マツダのクルマは最新のモデルが最良のモデルなのだ。

新旧の教習車でも、同じ関係性が成り立つ。例えば新型教習車は、クルマの動きを滑らかにするマツダ独自の制御技術「G-ベクタリングコントロール」(GVC)を搭載しているが、これは従来の教習車に備わっていなかったものだ。

クルマ自体としても進化したマツダ教習車だが、教習車としての使いやすさにもマツダは徹底したこだわりを見せている。教官が指導に専念できるよう、シートの座り心地を向上させたり、エアコンの吹き出し口の確度を調整したりと、大小さまざまな気配りが施された新型教習車だが、注目したいのは教習車ならではの装置である「サブブレーキ」だ。

サブブレーキとは、助手席側の足元に付いていて、教官が踏めるようになっているブレーキのこと。マツダでは今回、サブブレーキの使いやすさを向上させるべく、全国464人を対象にサブブレーキの使い方を調べた。

サブブレーキは緊急時に教官が踏むようなイメージだが、実態は違った。教官がサブブレーキを使う主なケースはスピードコントロール、つまり、教習生がアクセルを踏みすぎた際の速度調整だったのだ。

緊急制動を想定した従来のサブブレーキは、敏感に反応するようなつくりになっていた。簡単にいうと「ガクン」と効くようにできていたのだ。それを新型では「マイルド」な設定に改めている。

今回、新旧の教習車を乗り比べてみる機会を得たので、教官の気分で助手席に乗り込み、サブブレーキも試してみたのだが、その違いはすぐに分かった。新型の方がブレーキの調整幅が広い感じがして、効かせ方をゆるくしたり強くしたりするコントロールが容易だったのだ。

「ガクン」とサブブレーキが作動すると、教習生としてみれば、いかにも「踏まれた!」という感じがして驚くし、場合によっては少しパニックに陥るかもしれない。その点、ゆるくサブブレーキを効かせつつ「ちょっと、速度が出すぎですよ」とでも助言してもらえれば、教習生としても安心だろう。

○収益だけでは測れない教習車の価値

さまざまな改良を加えているところを見ると、マツダにとって、教習車は重要な商品であるらしい。教習所は全国にあるし、実際のところ、商売の上でも収益は大きいのだろうか。マツダで教習車の開発担当(主査)を務める冨山道雄さんの答えはこうだ。

「いえ、ビジネス的にいうと、そんなに大きな果実がある分野ではありません。でも、初めて乗るクルマがマツダのクルマであるということ、そして、そのクルマがとても運転しやすくて、早く免許を取れたということにでもなれば、教習車は、マツダがファンを作る上で、起点になってくれるクルマになるはずです。そうなってほしいと思っています」

マツダの日本国内でのシェアは5%くらいだが、実際のところ、マツダの教習車で免許を取得した人が卒業後にマツダ車を買う割合は、5%よりも大きいという。長い付き合いとなる顧客(ファン)は自動車メーカーにとって重要な存在だから、全ての免許取得者にとって初めて運転するクルマとなる教習車で、どれだけ好印象を残せるかはマツダにとって重要だ。教習車は自動車メーカーにとって、潜在顧客とのタッチポイントになる。

とはいえ、教習車は商品でもあるのだから、どのくらい売れるのかも気になるポイントだ。教習車市場において、マツダはどのようなポジションなのか。マツダ 国内営業本部の小野弘行さんによると、同社のシェアは現在、22%くらいだという。かなり高い印象だが、最もシェアが高かった頃は5割近くまでいったそうだから、これでも下がってきている。なぜ、シェアが下がったのか。冨山さんに聞いてみた。

「やっぱり、サイズが(相対的に)大きくなったからですね。マツダの教習車は2代続けてアクセラをベースに作ったのですが、最初のアクセラでシェアが5割くらいまで伸びました。その後、競合からもいろんなクルマが出てきて、それらとサイズを比較した時、マツダはサイズも最小回転半径も、少し大きかった。それで、ちょっとずつお客さまが競合にいってしまった、というのがこれまでの流れです」

ただ、新型が商品力の面で競合に劣っている点は「どこもないと思う」と冨山さんは自信を示す。シェアについては、「V字回復させたいですね(笑)」とのことだ。

マツダが教習車の改良に注力する理由は分かった。ただ、1つだけ気になったポイントがある。

いいクルマで練習できるのは教習生にとって嬉しいポイントだと思うが、そういう人が実際にクルマを買って道路に出た時に、感覚が違いすぎて、逆に困るというケースはないのだろうか。

免許を取ってから初めて買うクルマには、かなり年式の古い中古車であったり、あるいはリッチなご家庭であれば大きな輸入車を買ってもらったりと、いろんなケースが考えられる。全てが新型マツダ教習車ほど、運転しやすい性能やサイズ感を備えたクルマではないはずだ。重いボールを使って練習しておけば、本番ではより遠くに投げられたりするものだが、これとは逆のメカニズムが、教習車の世界では働かないのか。冨山さんは以下のように考えているそうだ。

「教習車は誰でも、ゼロからのスタートですよね。ゼロからスタートする時、早く運転操作に慣れることができたり、車両の感覚がつかみやすかったりすると、教習生の習熟度合いも違ってきますから、それから後の上達は早いと思うんです。その後は、いろんなクルマにも応用がきくようになると我々は考えているんですけどね。できれば、デミオを買ってもらうのが一番いいかなと思ってますけど(笑)」

しっかりとした基礎を築いておけば、その後は幅広く応用がきくということなのだろう。

クルマが好きで、早く運転がしてみたくて免許を取得する人もいれば、生活する上で必要だから免許を取得する人もいる。クルマを運転することが楽しいと感じられれば何の問題もないが、運転に自信がなかったりして、いやいやながらクルマに乗っている人にしてみれば、移動時間は憂鬱なものなってしまう。

同じ移動時間であれば、楽しく過ごしたい。そういう意味でも、教習車を運転する教習生が、クルマに対して好印象を抱くかそうではないかは重要だ。そのうち、運転が嫌いな人は、自動運転車にしか乗らなくなってしまう時代が到来するかもしれない。自動車メーカーにとって、教習所でクルマ好きを増やせるかどうかは、将来の顧客を確保できるかどうかという問題に直結しているともいえるのではないだろうか。


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マツダの基幹車「デミオ」も消えた! 車名は「マツダ2」へ デザイン刷新で9月発売

7/18(木) 11:35配信

デミオもマツダ2に車名変更?
 マツダは、2019年になってから相次いで車名を変更しています。5月には、「アクセラ」から「マツダ3」へ変更して、マツダの次世代モデルの第一弾として、フルモデルチェンジしました。
さらに、7月にはフラッグシップセダン/ワゴンの「アテンザ」がマイナーチェンジを機に、「マツダ6」となり8月1日に発売。そして、7月18日には、コンパクトカー「デミオ」が「マツダ2」に車名変更するとともに、外観デザインを刷新して9月12日に発売されます。

 なぜ、マツダはこのタイミングで海外名称に統一するのでしょうか。
 フルモデルチェンジで車名を変えたマツダ3に対して、現行モデルのマツダ6(アテンザ)は2012年登場から7年目の途中で、2.5リッターターボエンジンを追加するとともに車名変更しました。

 今回の現行マツダ2(デミオ)は、2014年登場から5年目で車名変更とデザインや安全性・快適性を向上させています。

 マツダの日本車名について、同社常務執行役員の福原和幸氏は次のように話します。

「2019年5月、『アクセラ』から『マツダ3』に車名を変えましたが、『アテンザ』も『マツダ6』に。『デミオ』も『マツダ2』に変えました。

 その理由は、『マツダというブランドで選ばれたい』という想いから車名にもマツダを使いたいと考えました。また、カテゴリを表現する数字を付けるということで、海外で展開しているマツダ3、6、2という車名で統一をしていきます。

 ただし、ロードスターについては、商標でちゃんと取れている日本だけの車名です。これは、本当にマツダにとって財産といえるため、今後もロードスターはそのままの車名で行く予定です」

※ ※ ※

 マツダ3、マツダ6に続き車名変更するマツダ2は、従来モデルに比べてワイド感や安定感を追求し、より上質なエクステリアデザインするとともに、質感を高めた16インチアルミホイールを採用しています。

 室内では、上質さと遊び心を両立したインテリアカラーコーディネーションを施し、会話がしやすい静粛性を実現。また、シートポジションのメモリー機能やマツダ コネクトにCarPlay、Android Autoが対応するなど、利便性も向上しています。

 走行性能では、高速走行時の車両の挙動をより安定させるため、「G-ベクタリング コントロール プラス(GVC プラス)」や実用燃費を改善するi-ELOOP(減速エネルギー回収システム)をディーゼルエンジンに加えガソリンエンジンにも展開。

 また、安全性能は、 「マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)[全車速追従機能付]」や 「レーンキープアシストシステム(LAS)」、夜間のより早い危険認知を追求し、20ブロックに分割したLEDを個別に点消灯する「アダプティブLEDヘッドライト(ALH)」を設定しています。

 マツダ2の価格(消費税込)は、154万4400円から261万9000円です。

マツダの新エンジン、トヨタ超え世界最高の熱効率

2019/7/10 4:30


訂正>10日4時30分に掲載した「マツダの新エンジン、トヨタ超え世界最高の熱効率」の記事中、「2.0Lディーゼルエンジン」とあったのは「2.0Lガソリンエンジン」の誤りでした。(2019/7/10 14:42)

マツダが10月に投入する新型ガソリンエンジンの最高熱効率で、世界最高値に達する。トヨタ自動車が2017年に発表した最高値の41%を上回る。量産機で世界初とされる超希薄燃焼(スーパーリーンバーン)を実現し、トヨタ超えを果たす。


マツダの新型SUV、今秋に国内発売 CX-30

2019/6/11 6:30

マツダは新型の小型多目的スポーツ車(SUV)「CX-30(シーエックス―サーティー)」を今秋に日本で発売する。国内で人気が高まっているSUVでは、2017年末の「CX-8」以来、約2年ぶりの新車投入となる。国内顧客からの要望が多かった車体サイズということもあり、ディーラー各社からも販売への期待が高まっている。


他社買えない「マツダ地獄」脱却、中古価格が安定

2019/6/6 6:30

マツダの中古車価格が安定している。新車を購入してから3年後の残存価値は60%程度と、一般的な相場に比べて約1割高い。安定した中古価格は次の車を買うための原資となり、顧客に活発な乗り換えを促す。かつては値崩れが激しく、一度マツダ車を買うと他メーカーに乗り換えられなくなる「マツダ地獄」という言葉も生まれたが、いまや決別しつつある。


マツダの世界販売12%減 4月、貿易摩擦で中国が苦戦

2019/5/31 6:00

マツダが30日発表した4月の世界販売台数は11万288台だった。前年同月比12%減で、8カ月連続でマイナスとなった。米中の貿易摩擦の影響で景況感が悪化し、中国の販売が大きく減った。米国や欧州において、主力の多目的スポーツ車(SUV)「CX-5」の新型車効果が落ち着いたことも影響した。
中国の販売台数は前年同月比31%減の1万6919台だった。マイナスは12カ月連続。小型車「マツダ3」のほか、中国専用のSUV「CX-4」が苦戦した。「(値引きを抑制する)正価販売の維持に努めていることも影響した」(同社)という。
米国の販売台数は15%減の1万9702台と、10カ月連続で減った。2017年末に全面改良した「CX-5」の新型車効果が薄れた。全面改良した「マツダ3」を3月に投入したが、本格的な販売の立ち上げに時間がかかっているという。
日本国内の販売台数は19%減の1万1217台と2カ月連続でマイナスだった。小型車「デミオ」や大型SUV「CX-8」が減った。

マツダの中期経営計画、焦らず利益重視を鮮明に






























丸本社長
 マツダは9日、2025年3月期に売上高4兆5000億円を目指す6年間の中期経営方針を発表した。縦置き型の直列6気筒エンジンや新しい電動システムの投入で駆動機構を多様化。コネクテッドシステムなど出遅れている領域では他社との連携をさらに広げ、売上高営業利益率5%を安定的に稼げる体制を作る。

 世界販売台数の目標は最終年に約180万台、20年3月期見込み比約18万台増に設定。従来24年3月期に200万台としてきた目標を下方修正した。

 丸本明社長は「(21年の)米アラバマ工場稼働で生産能力は年間200万台を越すが、(下方修正で)台数達成のプレッシャーを緩和し生産に余裕を持たせたい」と説明。無理な値引き販売の抑制を続ける方針を示した。

 またロータリーエンジンを発電動力とする電気自動車(EV)の市場投入を先延ばしする。これまで2020年に発売するとしてきたが、少なくとも1年は延期する。

 コストが目標に達していないことや、人的な開発資源に余裕がないことなどが理由。エンジンを積まない純粋なEVや、ロータリー搭載EVと同じ車体を使ったエンジン車は予定通り20年の発売を目指す。

 中計初年度の2020年3月期は売上高が過去最高の3兆7000億円(前年比3・8%増)になりそう。近く日本でも発売する新世代技術を搭載した新型車が販売を押し上げ世界販売台数は過去2番目に多い161万8000台(同3・6%増)を見込む。

 世界販売は東南アジアなど一部の市場を除き、日米欧中の主要市場でいずれも増加すると想定。利益面でも出荷増の効果が大きく、米国新工場への投資などで設備投資や研究開発費が過去最高となることによる費用増を打ち消し、2年ぶりに営業増益に転じる。丸本社長は「経営環境は逆風にあるが、売上高利益率3%は最低でも確保したい」と話した。

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