お金をつくるにはお金が必要。これは非情なルールですが、考えを尽くせば、お金がない人でもお金を増やすことはできます。お金がない人でもお金を増やせる方法をご案内しますが、決して安全気楽な道ではないので、多くの人は真似をしてはいけません。

お金が無い人でもお金を増やすことができる?

1000万円をまず作ろうとした場合、預貯金や投資ということを思い浮かべます。そのためには、元金が必要です。そう、お金を作るには、手持ちの余裕資金がないとできないのです。

それは当たり前の話ですが、お金が無い人でもお金を増やすことができるとしたら、どんな方法があるでしょうか?

借金をして投資をする

普通の人にはすすめられませんが、ひとつの方法として例示しておきます。

たとえばヘッジファンドはお金を借りて投資をすることによって、投資効率をケタ違いに上げて、安全な取引から巨額の富を生み出しています。プロにとっては、当然の選択肢ですが投資初心者などの一般人には向かないでしょう。

ローン返済金を投資にまわす

普通の人にもできることとしては、まとまった「数百万円などの住宅ローンの繰り上げ返済」を考えている場合です。

住宅ローンを借りていて、その返済期間中にまとまったお金が残っていたら、繰上げ返済に当てようと考えるのは極めて健全です。そうすると、借金は減り、手持ちの現金も減ります。

そのときにあなたが「借金でお金をつくる」という発想を受け入れられたのなら、なにができるでしょうか?

そうです、繰上げ返済のお金をローン返済に回さないで、投資をするのです。借金は減りませんが、投資がうまくいけば現金は増えます。手持ち資金がなくて投資できなかった人でも、返済を遅らせることで投資するチャンスが作れるというワケです。

もっときわどい話として、奨学金で投資をしている学生さんがいました。

奨学金は、超低利の優遇金利で貸してくれて、返済は15~20年という長期返済ですので、とても有利なお金の借り方です。しかし、お金の使途を完全に逸脱していますから、皆さんは決して真似をしてはいけません。

贈与してもらってお金をつくる

借りてお金をつくることは危険ですが、もらえるなら上々です。

たとえば、親や祖父母からの贈与という仕組みがあります。こちらは借りるよりも真っ当ですが、ハードルは高いかもしれません。問題は、あなたが人からお金を恵まれるほど、徳のある人間であるかどうかです。あるいは、徳を積んできた歴史があるかです。

社会には贈与を促す仕組みとして、贈与税のかからない範囲が設定されています。たとえば、年間に110万円までの贈与には、基礎控除が適用されて、贈与税がかからず、申告すら不要です。

普通は、親や祖父母など目上の人が若い人に贈ることが想像されるでしょうが、実は贈与はだれに対してもできます。だれからもらってもいいのです。あなたの隣人を大事にしてください。

自分が相続人である場合には、もう少しまとまった金額の贈与が可能で、相続時精算課税制度が使えます。

たとえば、親から2500万円までの贈与金が非課税でもらえます。ただし、親が亡くなって相続が発生したときには、その贈与された資産は相続財産として持ち戻されます。

つまり、将来に相続税の対象となってしまうので、相続の全体像を把握した上で検討しなければなりません。もちろん、相続発生時までにお金が増えていなければ、贈与を受けた意味がありませんから、運用の成功が大前提です。
(文:北川 邦弘(マネーガイド))