2019年12月29日日曜日

日本郵政 増田寛也新社長 全容解明と再発防止で問われる手腕

日本郵政 増田寛也新社長 全容解明と再発防止で問われる手腕

2019年12月28日 4時52分
かんぽ生命の保険の不適切な販売問題で、日本郵政グループは27日、金融庁と総務省から厳しい行政処分を受けたことを踏まえ、グループ3社のトップが辞任すると発表しました。後任に決まった元総務大臣の増田寛也氏らは信頼回復に向けて早速手腕を問われることになります。
金融庁と総務省は27日、内部の管理体制に重大な問題があったなどとして保険販売の業務を3か月間停止することなどを命じた行政処分を出しました。

平成19年に民営化されたあと日本郵政グループに業務停止を命じるのは初めてで、抜本的な改革を迫った形です。


これを受けて会社側は記者会見し、日本郵政の長門正貢社長、保険の販売を担う日本郵便の横山邦男社長、かんぽ生命の植平光彦社長が来月5日付けで辞任することを正式に発表し、この問題が42万人の社員を抱える巨大グループのトップ辞任という事態に発展しました。

日本郵政の後任の社長には、元総務大臣の増田寛也氏が来月6日に就任します。

増田氏は政府の郵政民営化委員長を務めた経験もあり、郵政事業には通じています。
一方で、27日の記者会見でも会社側は「現在詳しい調査が行われている18万3000件以外にも不適切な販売はあると認識している」とするなど、問題の全容が解明されているとは言えない状況です。

不利益を受けた契約者などからも厳しい声は収まっておらず、増田氏をはじめとする新たな経営陣は、何より全容の解明を急いで顧客対応を進め、同時に再発防止策の実行にも取り組むという重い課題で早速手腕を問われることになります。

かんぽ生命問題 新規販売3か月停止の行政処分を検討 金融庁

2019年12月21日 6時14分

かんぽ生命の保険の不適切な販売問題で、金融庁は、かんぽ生命と日本郵便の内部の管理体制に重大な問題があったとして、新規の保険販売の業務を3か月間、停止する行政処分を検討しています。

かんぽ生命の保険販売をめぐっては、保険料を二重に支払うなど顧客が不利益を受けた契約がみつかり、会社側の内部調査で法令や社内ルールに違反している疑いのある契約が1万2836件確認され、実際に670件で違反があったことがわかっています。

金融庁は、この問題でかんぽ生命と日本郵便への立ち入り検査を行ってきました。

その結果、ノルマの達成が過度に重視されていたほか、経営陣も現場の実態を十分に把握していないなど、内部の管理体制に重大な問題があったと判断しました。

このため、かんぽ生命と日本郵便に対して新規の保険販売の業務を3か月間、停止するよう命令する行政処分を検討しています。

親会社の日本郵政に対しても、グループの統治に問題があったとして業務改善命令を出し、各社に経営責任を明確化するよう求めることも検討しています。

金融庁は、来週はじめにも会社側からこの問題に関する追加の報告を受ける予定で、それを踏まえて処分の内容を決めることにしています。

かんぽ生命 調査対象18万件に倍増 きょう記者会見へ

かんぽ生命は、不適切に保険を販売した可能性がある契約として、これまでの見込みのほぼ2倍にあたるおよそ18万件を対象に、詳しく調査する方針を固めました。金融庁はこの問題を重くみて、立ち入り検査に入るなどして内部管理体制などを詳しく調べることにしています。
かんぽ生命では古い契約から新しい契約に移る「乗り換え」の際に顧客が新たな保険に入れず、無保険の状態になったり、新旧両方の保険で保険料を二重に支払ったりと、不適切な販売が相次いで確認されました。

関係者によりますと、この問題でかんぽ生命は、全容を把握するため、過去5年間にさかのぼって不適切な販売だった可能性がある契約を調査する方針を固めました。

対象は、およそ18万件に上り、これまで見込まれていた9万件余りから、ほぼ2倍に増えることになります。

会社は、個別に顧客を訪問するなどして意向を確認し、元の契約に戻したり、払いすぎた保険料を返したりする方針です。

日本郵政グループは31日、経営トップが記者会見を開いてこうした方針を明らかにすることにしていて、調査対象を大幅に拡大することで速やかな全容の解明につなげられるか、問われることになります。

一方、金融庁はこの問題を重くみて、この秋にも立ち入り検査に入って内部管理体制などを詳しく調べることにしています。問題が明らかになれば行政処分を行うなど、厳しい姿勢で臨む見通しです。

かんぽ生命 保険料の二重払い2万件余 確認









日本郵政傘下のかんぽ生命で、顧客が新しい保険と前の保険の保険料を6か月間、二重に支払った事例が2万件余りあることが分かりました。保険を販売した郵便局員が受け取れる手当てが減るのを避けるために、顧客が不利益を被った可能性が出ています。
かんぽ生命によりますと、平成28年4月から去年12月までの2年9か月間に、新規の保険契約のうち、顧客が6か月間前の契約と二重に保険料を支払った事例が、およそ2万2000件あったということです。

中には、顧客の意向に沿わない形で二重払いになっていた事例が確認されたとしています。

かんぽ生命の保険の販売は全国の郵便局員が担っていて、顧客が新たな契約をしてから6か月以内に前の契約を解約した場合、「新規契約の獲得」ではなく、「契約の乗り換え」と見なされ、保険を販売した郵便局員が受け取れる手当てが半分に減る仕組みがあります。

このため、手当てが減るのを避けて満額を受け取るために、顧客にとって不利益な方法を取らせていた可能性が出ています。

こうしたことから会社は、手当ての在り方を含め、販売方法の改善策を検討しています。

かんぽ生命をめぐっては、これとは別に、顧客に不利になるような保険の乗り換えや、健康状態などの問題で乗り換えができず無保険の状態になる事例など、不適切な保険の販売が相次いで確認されていて、会社が詳しい調査を進めています。







麻生 副総理兼金融担当相「いかがなものかということになる」

かんぽ生命で、顧客が新しい保険と前の保険の保険料を二重に支払った事例があったことについて、麻生副総理兼金融担当大臣は、9日の閣議後の記者会見で「保険会社や保険募集人が、契約者の利益を害したり、信頼を損ねたりすることは、どう考えてもいかがなものかということになる。保険の募集業務の適切性に問題があると認められた場合は、必要な改善を促すなど、今後適切に対応していく」と述べ、事実確認や実態の把握を進める考えを示しました。

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