インフレや消費税増税により昨年に引き続き、食品の値上げラッシュが始まっています。家計を安定化させるためにも、食費の節約術は主婦の強い味方となります。
この数年、じわじわと食品が値上がりしていますが、主な要因は原材料の高騰と物流費・人件費の高騰です。食品の値上げにより、外食産業も値上げが行われ、さらに消費税増税によって便乗値上げもあるなか、家計を守るために私たちは、どんな対策を取ればよいのでしょうか。

インフレを想定し、賢い消費者としての眼力を鍛えよう

日本の人口は減っていますが、世界の人口は増えており、さらに今後も消費税増税は続く可能性が高いため、食品の値上げは続くと想定した家計管理が大切になるでしょう。

家計防衛策として食品の選び方、買い方をあらためて考え直す必要があります。多くのスーパーやドラッグストアが取り入れているプライベートブランド商品(PB商品)や、地場産品の活用は低価格なのに品質も良く家計に優しいといえます。

品質と価格を見極めてモノを選ぶ時代になり、食品高騰に慌てふためくのではなく、これを機にモノを買う姿勢やお金の使い方を再考し、賢い消費者としても眼力を鍛えていきましょう。

食費節約の5つの鉄則

▼鉄則1:使い切る日本の1人当たりの食料廃棄率は世界一といわれています。コストをかけて多くの食品を輸入しているにも関わらず、その多くを捨てているというのが現状です。買ってきた食材をできるだけ使い切る努力は節約の基本です。

食材を買う時に最後まで使い切るように頭の中でシミュレーションし、どのように料理に仕上げていくか、決めてから買うようにします。こうすることで、献立を1品増やせたり、過剰な食材を買うことを減らせたりできます。

▼鉄則2:在庫を確認し、あるモノで作る冷蔵庫や食品庫の在庫確認をし、まずは今あるもので作るということを始めましょう。在庫を確認することで、無駄なく買い足すことができます。多くのレシピサイトがありますので、在庫食品から作れる献立作りに役立てましょう。

▼鉄則3:旬の食材を多く取り入れる旬の食材は価格も比較的安価で、栄養価も高く、味も美味しいのが特徴です。旬の食材をメインにすることで財布もお腹も満足する一品ができるのではないでしょうか?

また、地場産品の直売店を利用すると、より良い商品が手に入ります。国内で生産されたものをできるだけ利用することで、良い生産者を多く生み出し、輸入に依存しない国づくりに貢献できるようになります。

▼鉄則4:底値を知る「こっちのお店のほうが〇〇円安かった……」という失敗は誰もが経験すること。そのような失敗を繰り返しながらも、広告やチラシでチェックし、食品の価格や底値をある程度頭に入れておきましょう。

このように金銭感覚を鍛えていくことも、家計を守る上で大切なことです。

▼鉄則5:料理の腕を上げる「あれば便利」な食材や調味料は、時短や手間を省くことを売りにしています。「時間」や「手間」を買うことになるので、当然高くなりがちです。時間のない時は便利ですが、それを日常にしてしまうと食費が増えるのは当然です。

時間のある時に簡単な下ごしらえをしてフリージングする、合わせ調味料は自分で作れるようにする、といった料理の腕を上げることは、食費の節約には大切なことです。

また、手料理が美味しくなれば、外食も減ります。愛する家族のためにも、栄養があり安価で美味しい食事を作れるように努めていきましょう。
(文:二宮 清子(マネーガイド))