「ブックオフ」を展開するブックオフグループホールディングス(2018年10月、ブックオフコーポレーションの完全親会社として設立)の業績が堅調だ。2019年3月期の売上高807億円(前年比100.9%)、営業利益15億円(同252.6%)。その原動力が目下、19年8月まで17カ月連続で前年比をクリアし続けている好調な既存店にある。前年比超えを開始した18年3月以前までは一進一退であっただけに店舗業績の改善ぶりが著しい。

店舗の改廃、改装が奏功

 ブックオフの売上構成比は、33.3%を占める「本」が102.3%、29.5%の「ソフトメディア(CD、DVD、ゲーム)」が映像105.5%、音楽102.0%と堅調であること、またウエートは低いが「貴金属・ブランド品」(構成比7.2%)が118.1%、「トレカ・ホビー」(同6.2%)が118.6%と際立った伸びが挙げられる。
 GMS店舗への居抜き中心に開設を進めているフルライン型の大型店「BOOK OFF BAZAAR」が既存店群に算入されていること、また前期69店舗の改装を行うなどが効果を上げていると思われる。特に改装では海浜地域の店舗ではマリンスポーツ関連、子育て層が多い地域の店舗では児童書の取り扱いを増やすなど地域対応の商品構成を進めている。
 同業チェーンの直近の業績を見ると、2019年3月期では、ゲオ、セカンドストリートなど1878店を展開する業界トップのゲオホールディングスが売上高2925億円(前年比97.8%)、営業利益156億円(同106.8%)、3位に位置するコメ兵が売上高509億円(同112.0%)、営業利益18億円(同114.4%)。売上げの増減以上の利益伸張ぶりをみると、ブックオフの場合は店舗の改廃、改装が奏功していると思われる。
 リユース業界全体で見ても、業界メディアである『リサイクル通信』によると2017年度の市場規模は1兆9932億円(16年比112.3%)と11年度以来の2桁の伸びとなった。同社では20年度には市場規模が2兆6000億円、22年度には3兆円に達すると見込んでいる。フリマアプリの台頭により、CtoC(個人間取引)が市場を押し上げているといわれるが、リユース商材の利用経験の増加が、ブックオフなど先述の企業が手掛けるBtoC(企業対個人間取引)の伸びにも寄与しているだろう。

断トツの売上利益率と販管費比率の理由

 売上総利益率を見ると、ブックオフは59.7%と先の2社(ゲオ41.6%、コメ兵27.1%)とは段違い。人気による価格変動が激しいソフトメディアや利幅の薄いブランド品を主力とする2社と、利幅の厚い古書を扱う同社の差が出ている。ただし、営業利益率1.9%はゲオ(5.4%)、コメ兵(3.7%)に差をつけられる。
 なぜ、高い売上総利益率が収益性につながらないのか。有価証券報告書で見ると売上総利益率に占める人件費比率、地代家賃比率はゲオのそれぞれの数値と比較する限り、利益圧迫要因とは考えにくい。
 ただし「その他」に計上される費目が178億円と人件費以上の比率を占める。これには1億3000万冊におよぶ書籍の保管在庫、年間250万点の出荷点数、またBAZAARなど大型店出店などの費用がかさんでいると思われる(同社決算発表資料より)。オンライン注文によりピックアップ店を選べるという900近い店舗網は強みでもあるが、単価の低い書籍を主力にしている点が現状のネックと見られる。
 同社の最近のIR資料では“総力戦で取り組む”とのスローガンで幾つかの施策を掲げている。店舗と(オンラインなど)店舗以外の事業でそれぞれ獲得した顧客、商品、運営に関するデータ、ノウハウを統合、共有化するというもので、“ひとつのBOOK  OFF”と名付け、オムニチャネルにシフトしている。“フルライン化”と“オムニチャネル化”がブックオフの今後の成長のカギになるといえる。