漠然とした不安感だけで思考停止し、ただお金を節約していると、いつのまにか貧乏性がDNAに染み付き、大胆な投資判断ができない自分になってしまいます。

お金を貯めて何をしたいのか?

お金を増やしたい、もっと貯めたい。これは私も含めて、誰もが思う感情です。

しかし昨今は、無目的に貯金する傾向があるように感じます。先日もある雑誌の取材を受けたとき、20代がもっとも節約志向が高い、という話を記者から聞きました。

お金は道具です。パソコンを買うのも、ネットを見たい、文書作成をしたいなど、自分の目的を達成する道具。

なんだかわかりきっている話ですが、「100万円もらったら、どうしますか?」と聞くと、多くの人が「貯金する」か「住宅ローンの返済に充てる」と答えます。

反対に、「道具である以上、自分と自分に関わる人たちが幸せになるように使うべきでは?」と聞いても、YESと答えます。

お金の循環に対して、クリエイティブに発想する力を失わないようにしたいものです。

目的もなく、ぼんやりとした願望や漠然とした不安感だけで思考停止し、ただお金を節約していると、いつのまにか貧乏性が染み付いてしまい、大胆な投資判断ができなくなる自分ができ上がってしまいますから。

漠然とした不安を具体的にすることが不安を払拭する

特に目的があるわけではないけれど、先行きが不安だからお金を使えない、貯めるしかないと感じている人も多いでしょう。

その場合は当たり前ですが、その不安のタネを取り除いてあげる必要があります。もしそう簡単に取り除けないことでも、その不安がいったい何で、何が原因で起こっているのかを把握することは重要です。

電車が急に止まったとき、何のアナウンスもなければ、誰もがイライラします。しかし、「前の電車がつかえています」「線路内に人が立ち入ったため、安全確認中です」などの案内があれば、そのイライラも和らぐものです。

自分が不安を感じているのは何か。老後か、子育てか、雇用か。まずは、自分の不安の原因を具体的に洗い出してみること。そして、それらの対処法を考える。

老後の生活資金であれば、会社が決めた定年退職ではなく、自分の意思で引退する「老後」を、何歳からにするかをまず決める。

生活に必要な額からおおよその年金支給額を引き、不足する金額を計算する。その額に、引退してから平均寿命までの年数をかけて不足総額を把握する。

雇用であれば、エンプロイアビリティを高めるために、社内で何をどうすれば評価されるのかを考える。仕事を失うのはどういう人であり、どういう場合に起こるかを理解しておく。

子供の受験であれば、行かせたい学校の社風や試験制度などを調べる。そして受験対策として何をするべきかを洗い出す。

漠然とした不安を感じながら生きるのではなく、その不安が何なのか、まずは紙に書き出して「見える化」する、ということをやってみましょう。
(文:午堂 登紀雄(マネーガイド))