2018年(平成30年)は副業元年だと言われています。背景には厚生労働省が「モデル就業規則」を改訂したこと。かつては、副業禁止の項目があったのですが、1月31日の改定では、その項目が削除され副業を容認する方向になりました。
これを受けて、多くの企業が就業規則を改訂。副業を容認する企業が続々と登場したことは、ニュースにもなりました。
この裏を返せば、会社側が終身雇用や年功序列の昇給を続けられないと考えている、とも取れます。複数の収入源を持つことで、自分の身を守る……そんな時代に来ているのかもしれません。
特技は生かしたくても、特技がない!何を副業にすればいいのか……
しかし、いざ「副業OKですよ」と言われても、仕事としてお金を得るほどの特技がない人がほとんど。いったい何をすればいいのか……?調べたところ、実際に副業をしている人の中で「週末に兼業でモデルをする」という女性たちがいました。
しかし、一般人が“モデル”など名乗ってもいいものなのか。いい気になっているとか、カン違いしていると思われないのか、そもそもどんなビジュアルで、どんなモデルをやっているのか?今回は『週末モデル』というアプリに登録し、兼業モデルとして活動している女性たちの女子会に潜入し、その内情を取材してみました。
定期的に開催されている、週末モデルの女子会。おしゃべりをしながら、美や健康についての勉強会を行なうそう。
「今、web広告、雑誌、健康系アプリなどで、“親しみが持てる等身大の女性”のモデルのニーズが高まっています。『週末モデル』は、そんなクライアントと女性をつなげるアプリサービスです」(週末モデル事業部長・広報部長 下田奈奈さん)
下田さん自身も、モデル・タレントとして活躍。『Zip!』などの情報番組でレポーターをしていた。
どんな女性がモデルとして活躍するのか……
今回、取材したのは定期的に行なわれている週末モデルの女子会。参加した人の年齢は20~53歳と幅広く、それぞれが特技を生かして仕事をしているとのこと。具体的な仕事内容について伺いました。
「例えば、IT関連会社に勤務する女性が、お菓子会社の撮影モデルなどの仕事をしています。また、ファッション、不動産、ウエディング、美容院のヘアカタログなどにも登場しています。多くの場合、週末の数時間で撮影が終わります。プロにメイクしてもらったり、撮影してもらうこともあります」(下田さん)
収入は案件によって異なりますが、最低でも5000円以上が相場といったところ。
参加者の方に話を伺うと、「何か挑戦がしたくて登録してみました」という人がほとんど。容姿に自信がなくても、やってみることが大切なのかもしれません。
ちなみに、参加者の中でも最も年上の53歳の女性は、日ごろは栄養士として活躍しており、その本業のプラスになるために、週末モデルを始めたと言います。
全員の集合写真。中には、有名雑誌で読者モデルをしている人も。
多くの女性は歪んでいる!?プロによる美容レッスンも開講!
プロが顎の歪みを個別カウンセリング
この女子会では、美容と健康のプロが、すぐに使えるメソッドも紹介。今回は、一般社団法人『日本整顎協会』代表理事・藤原邦康さんが、顔の歪みを正す方法について解説。藤原さんは、米国公認ドクター・オブ・カイロプラクティックでもあり、あごや体の歪みを正すエキスパートでもあります。
「食事のとき、左右どちらかに偏って噛んでしまう人は歪んでしまいがち。なるべく左右均等にかむように心がけるだけで、あごの歪みは改善していきます。あとは正しい姿勢を意識することが大切です」(藤原先生)
顎の歪みは不調の原因。藤原邦康さんは、『自分で治す! 顎関節症』などの著書がある。
自分の顔が歪んでいるかどうか、セルフ診断も。
美味しいだけでなく、栄養素もたっぷり!世界初・真空ジューサーの試飲も
この女子会では“モデル”としての自覚を促すためか、美容に関する情報を提供するのが目的のようです。多くの女性を驚かせたのは、テスコムの『真空ミキサー TMV1000』の威力。 これは、真空状態でスムージーが作れる世界初のマシーンで、空気が入らないから栄養も鮮度も長時間キープできて、飲んだときのフレッシュさが段違いでした。
手前が真空ミキサーで作ったスムージー。奥は従来型で作ったもの。色も味も全く異なりました。
最後に、この女子会参加者に週末モデルの仕事のリアルについて伺いました。
「実際にやってみると、オーディションで落とされることもあるので、メンタルが強くなります」(20代・OL)。
「いつもの仕事がとても地味なので、世界を広げてみたいと思い参加しました。プロの世界の厳しさがわかったことと、人見知りがちょっと直ったことがよかった」(20代・派遣社員)
この週末モデルのサービスは、首都圏での使用がほとんど。かつては「雑誌に出てみたい」という読者モデル願望が若い女性を中心にありました。かわいくておしゃれであること、都内近郊に住んでいることが必須条件でしたが、今はよりカジュアルに“モデル”体験ができてしまうようです。
現在、会社員の副業として、投資、輸入代行、翻訳、文章のライティング、試験監督などが人気を集めています。クラウドソーシングサービスやモニター、覆面調査などアプリを通して様々なビジネスが以前よりも簡単にできるようになっています。しかし、これらの副業はあくまでも副業、本業ほどの収入は得られないのがほとんどです。本気でモデルやライティングなどで生計を立てるとなると、かなりのリスクがあるのが現実。そこを理解したうえで、あくまでも「お小遣い稼ぎ」といったスタンスで副業には取り組むのが、堅実女子的には良いかもしれませんね。
(撮影/フカヤマノリユキ 取材・文/前川亜紀)