子供はともかくとして、孫には「ケチ」と思われたくないという高齢者は多いのですが、お金を好きなように使ってしまうと老後貧乏にもなりかねません。そんなプラスとマイナス、陰と陽が見え隠れする? 高齢者が孫と上手に付き合って行くにはどのようにすれば良いのでしょうか。

老後の財布の紐が緩むあの存在

セカンドライフに突入すると収入が限られるため、事前に貯蓄に励んでいる人は多くいます。

せっかく貯めたお金ゆえ自分のためにはなかなか使えないものの、その倹約精神を一気に崩してしまうのが孫の存在です。

可愛いのはもちろんですが、ケチと思われたくなくて倹約老人から浪費老人へと変身させられてしまうこともしばしば。

とはいえお金には限りがあります。周りの人にケチと思われずに倹約するには、どのようにすると良いのでしょうか。

老後の出費は「節目」を中心に!

どうせ出さなければならないお金ならば、効果的に使いたいもの。

特に人付き合いの場合、節約のためにいつも断ってばかりではケチと思われるだけでなく、人付き合いの悪い人と思われてしますます。そのように思われることを避けるには、冠婚葬祭等の節目だけは必ず出席&出費するようにしましょう。

若いときと年齢を重ねたときの冠婚葬祭では、義理というだけでなく、お付き合いの要素がより色濃く表れてきます。滅多に会わない人との交流の場ともなりますし、単なる飲み会や遊びの場ではありませんので、有意義な時間になります。

いっぽうで、誘われたものの参加したくないというような場合には、「趣味の時間に充てたい」と言うように誰も悪者にすることがない内容で断るのも手です。

よく「孫の面倒を見るから」「夫(妻)がうるさい」からと言うような理由を口にする人がいるのですが、自分以外の人を口実に使ってしまうと、家族に対する余計な悪口を言う羽目になることもあり良くありません。

自分が意図したこととは違う内容が家族の耳に入ると、思わぬトラブルにもなり兼ねませんので気を付けて下さい。

孫への出費は打ち合わせを!

可愛い孫には何でもしてあげたいという気持ちは分かります。でも、むやみにものを買い与えるのは教育上良くないことも。

プレゼントは自分の気持と貰う孫の気持ちが大切なのですが、孫の親である自分の子供にも意見を聞いておくと良いでしょう。くれぐれも家庭によって教育方針は違うということ、育てているのは子供たちだということを忘れてはなりません。

いつも子供たちに相談してからプレゼントを渡すことになっていれば、孫はおじいちゃんおばあちゃんにものをねだることは少なくなりますし、子供夫婦との余計なトラブルを防ぐにも役立ちますよ。

相談するというのは、もうひとつの効果もあるのです。

子供夫婦が毎回、買ってあげてくれと言うのは考えにくく、孫に「ダメ」と言う役目を果たしてくれるのです。孫からすると断った人=自分の親。おじいちゃんおばあちゃんは悪くないという図式が成立しますので、ケチと言うレッテルは貼られずに済みます。

子供夫婦にもプレゼントを!

ケチと言うレッテルを貼られずに済んだのですから、その分は子供夫婦に還元してあげましょう。ポイントはまさに節目のタイミングで!

お金やプレゼントというのもアリですが、子供夫婦の結婚記念日は孫を預かり夫婦だけの時間を作ってあげる。子供夫婦が多忙なときは孫の面倒を見てあげる等、お金やもの以上に感謝されることはたくさんあります。

本当のケチというのは、人との繋がりをおろそかにしている人のことだと思います。

大切なのはバランス感覚!

周りの人の節目には誠心誠意向き合い、お金を使うべきときは使うことが大切です。そうすることで、心身ともに豊かな生活を手に入れるための助けになるのです。
(文:飯田 道子(マネーガイド))