時短生活とは、同じ時間を過ごしても、人より多くのことが得られるような工夫をすることです。ふだんの行動よりもスピーディに生活する必要がありますが、人生をせわしなく生きるのではなく、充実感を得るための工夫です

自分の生活全体のスピードを割り増ししてみる

私が見てきた限り、お金持ちの人は、時間を上手に使っています。私も自分の時間を10倍活用できるように工夫しています。

お金持ち体質を目指す人であれば、ダラダラと時間を無駄にすることをやめなければなりません。そこで提案したいのが「時短生活」です。

自分の時間を10倍活用するには、「人間とは慣れるものである」という習性を利用してみましょう。具体的には、日常の動きをスピードアップすることと、同時並行で処理することを習慣にするのです。

車の運転をするとき、一般道を時速50キロで走ると、わりとスピードが出ていると感じます。しかし、高速道路を時速100キロで走った後、一般道に下りると、時速60キロで走ったとしても、ノロく感じます。これを高速道路理論と呼ぶそうです。

いつものことに制限時間をつけてみる

同様に、自分の動きの全てを加速させて生活することに慣れると、力を入れなくても速い行動で物事を処理できるようになります。そのためには、いつものことに制限時間をつけてみる、という方法があります。

朝起きてから家を出るまで15分でやると決めてみると、しばらくは「せわしない」と感じますが、多忙な朝で無駄な時間が一切なくなります。歯磨きも、普段は3分かけているところを1分でやるようにしてみると、歯ブラシを動かすスピードが速くなります。

仕事にも、制限時間を設けてみましょう。たとえば会議の時間もお尻を切っておくとか。メール対応も普段一時間くらいかかっているなら30分で片付ける、と決めて取りかかります。

すると、本当に丁寧に書かなければならないメールに時間が割けるようになります。最初は、キッチンタイマーやタイマーアプリを使うと便利です。ヨーイドンでスタートし、一気に片付けます。

ほかにも、今からすぐできることに以下のことがあります。

・ランチに30分かけているのなら、10分で済ませる
・洗濯物を干すのに10分かかっているなら、5分で済ませる
・レストランのメニューは1分で決める

などなど。

倍速オーディオ活用術

「速聴」という方法があります。これも先ほどの高速道路理論を活用したもので、いつもの2倍のスピードで聴くことで、理解力を2倍にしようというものです。

私はこれを、セミナーや講演会などのオーディオ教材で活用しています。60分のオーディオ教材なら、30分で終わりますから、人と同じ時間を使って2回聴くことができます。普通の人が2回聴く間に、自分は4回聴くことができるわけですから、定着度が格段に上がります。

速聴に慣れると、理解のスピードも速くなります。頭の回転まで速くなるかどうかはわかりませんが、ノーマルスピードの会話を聞くことがまだるっこしくなります。

これは英語の学習にも使えます。速聴で聴いた後にナチュラルスピードで聴くと、耳が慣れて聴き取りやすく感じます。速聴機能は、アイフォンやアイフォンアプリ、パソコン用の動画再生ソフト、ソニーのウォークマンなどについています。

自宅の家具や家電の配置を替えて「スピード動線」に

生活のスピードアップを図るために、もっともコントロールしやすいのが、自宅です。そこで、家の中の動線を工夫し、無駄な動きを少なくできるように工夫します。たとえば、モノの配置をこんな風に工夫します

・ 本を部屋のあちこちに置いて、どこでも読めるようにしておく
・ケータイの充電器はリビングと寝室の2カ所に置き、つねにフル充電を維持
・モバイルパソコンのACアダプターは会社と自宅の2カ所に置き、モバイル生活をキープ
・下着→くつした→ワイシャツ→スーツ→コートと、着替えの順番に衣装ケースを並べておく

そして、自分の行動も最適化し、無駄な動きを省きます。

・ 洗濯機はタイマーで朝起きたときに終わっているように設定し、時間と電気代を節約する
・エレベーターは「閉じる」ボタンを押してから目的階のボタンを押す
・店はかならず予約してから行き、待ち時間をゼロにする
・モバイルパソコンはスタンバイモードにして、画面を開いたときに直前の作業画面からスタートできるようにする
・パソコンは、「ご」と打てば「午堂登紀雄」が、「おせ」と打てば「お世話になっております」が出るように、用語登録をしておく

など、ほんの一部ですが、朝起きてから寝るまで、自分の行動をひとつひとつチェックし、自分の生活スピードを向上させる工夫をしてみましょう。
(文:午堂 登紀雄(マネーガイド))