「家計簿つけてもお金が貯まらない」そんなあなたに贈る、これが家計簿のつけ方の基本です。基本を押さえて、後は自分のアレンジで最強の家計簿を作りましょう!

みんなが家計簿に失敗した理由

「家計簿をつければ、お金が貯まるって言うけど……ちっとも貯まらない」と悩んで、挫折した人は多いでしょう。こういう挫折した人は、どんな風に家計簿をつけていたのでしょうか?

■買ったものを、家計簿に記入していった
多くの人が「家計簿をつける」というと、買ったものや、銀行引き落としになったものを記入し続けることだと思っています。確かに、それも間違いではありません。でも、家計簿は魔法のノートではないので、記入し続けるだけではお金は貯まりません。では、どうすればよかったのでしょうか。

お金が貯まる家計簿とは?

▼使途不明金を発見!家計簿をつける第一の目的は、知らないうちに「どこかに消えたお金」を発見することです。お金に羽が生えた訳ではなく、何に使ったかを知ることが大切。どの家庭も、家計簿をつける前は2~3万円の使途不明金があります。まず1カ月家計簿をつけてみて、「食費」「通信費」という費目ごとに集計してみましょう。

<ポイント>
「あ、やばい!」と思うことがとっても大切。

▼予算を立てる家計簿をつけると、こんなに外食してたの!携帯使い過ぎ!などなどの発見がでてくるでしょう。ここで「ヤバイ」と思わないと、家計簿はただの記帳で終わってしまいます。使い過ぎと思ったお金、いくら位にできそうですか? ここで「外食費2万円」、「通信費1万5千円」という「予算」を立てます。最初は無理せず、今月よりちょっと減らすつもりでやってみましょう。

次に、来月使えるお金はいくらですか? 手取りから、家賃、ローン、保険料等、決まって出ていくお金を引いた額です。

<ポイント>
「使えるお金」ー「予算」=「貯金できるお金」

▼まず、貯めよう!「お金が余ったら貯金」なんて言っていても、なかなかお金は余らないものです。では、先に貯めてしまいましょう。「貯金できるお金」で、積み立て預金をするもよし、別の金融機関に預けるもよし。

<ポイント>
お金が入ったら先に貯金をする。

■あなたは、どこで止まっていましたか?
1.買ったものを、家計簿に記入していった。
2.「あ、使いすぎ」と、意外な所にお金を使っていることを発見した。
3.このムダ○○円をなくそう!
4.使えるお金から予算を引いて、先にお金を貯金!

家計簿には正解なし。あなたがルールです

家計簿に正解はありません。家庭によって生活パターンや、お金の使い方が違うので、費目や書き込む項目に捕らわれず、どんどん自分でルールを作りましょう。家計簿に線をたしたり書き込んだり、使いやすいようにアレンジすることが成功の秘訣です。いくつか例を出してみましょう。

■「食費」
費目で外せないのが「食費」です。細かく記入する方法と、大ざっぱに記入する方法はこれだけ違います。

<底値チェック派>
食費の中でも、何をどこでいくらで買ったかを書いておけば、この食材はどのお店で一番安く買えるか、底値をチェックできます。もう一つ罫線をひいて、お店の名前を書く欄を増やしたり、品名の隣に書くなど、自分でルールを決めましょう。
・ネギ98円 駅前スーパー
・豚コマ262円(特売105円/100g)駅前スーパー
・もやし48円 駅前スーパー
・キャベツ49円(98円半額)駅前スーパー
・納豆89円(特売:底値!) 駅前スーパー
・牛乳145円 (底値!)山口商店
・食パン98円 (底値!)○○ストア

<大ざっぱ派>
スーパーで食材だけでなく、トイレットペーパーや電池等の日用雑貨を買うこともありますね。大きな金額でなければ、それらもまとめてお店ごとに記帳してしまいます。
・駅前スーパー 546円
・山口商店   145円
・○○ストア  289円

■コレって何費?
費目のどこに入れたらいいのか、最初のうちは迷います。パソコンの家計簿ソフトは、入力すれば仕分けしてくれるものもあるので悩む必要がありませんが、手書きなら自分のルールを決めます。
・お父さんのタバコ
・お父さんの昼食代
・お父さんの本
・お父さんの趣味の物
⇒まとめて、「お父さんお小遣い」として月始めに引いておく。

・結婚式のご祝儀
⇒特別費or交際費として記帳

・電子マネーで買ったジュースとお菓子
⇒買った日に「食費」として記帳

自分で分かりやすいようにルールを決めましょう。使っていくうちに無理があれば、ルールの変更を。最初から完ぺきを目指さず、自分のルールが決まるまでいろんな方法を試してみることが長続きにつながります。

家計簿を楽しくするための工夫

家計簿を楽しくつけるための工夫をご紹介します。

▼具体的な目標を立てる「マイホーム頭金100万円」
「ディズニーランド10万円」
「バッグ5万円」
「靴2万円」
「チワワ10万円」

ただ漠然とお金を貯めたいと思って家計簿をつけても、おもしろくありません。せっかくなら、よく見える表紙や毎月の最初のページに、具体的な楽しい目標を書いてみましょう。思いついたら、預金残高を確認して「わんちゃんまであと、8万円!」なんて書くのもモチベーションが上がります。

▼家族を巻き込むお母さんが鉛筆のように細い水でお皿を洗っている横で、水を出しっぱなしにしながら歯を磨いている家族がいたら、水道代は減りません。どんどん家族を巻き込んで、協力を仰ぎましょう。「今回の水道代は、皆さんの協力のお陰で4000円でした! これは、先月よりも1450円節約できています!」と、報告することも忘れずに。

▼ほめる・ほめる・ほめる先月よりも今月の出費を抑えられたら、家族もちろん自分もほめてあげましょう! 家計簿に「やった!」という気持ちを書いておくと、見直した時にその気持ちが思い出せます。
・花まるを書く
・外食を1回にしたので成功(具体的な要因を書く)
・シールを貼る(お金が貯まりそうな金色?!)

最初に、目標を達成できたら……
・節約できたお金の5%で、○○のケーキを買う
・1万円節約できたら、動物園に行く
という、ごほうびを用意しておくのもいいですね。節約ばかりで楽しみがなくては、長続きしません。

みなさんも続けていくうちに、もっと楽しい方法が見つかるはずです。家計簿は買ったままの状態で使うのではなく、どんどんアレンジして「マイ家計簿」にカスタマイズするのが長続きの秘訣。キレイに書かなくても、書いている自分が分かればOKです。ルールは自分で決めちゃえばいいので、難しく考えずにまずはやってみましょう。思い立ったら始めてみるのがコツです。
(文:山口 京子(マネーガイド))