大好評の日本株高ファンダメンタルのベストバイ50銘柄の19年10月度最新版をお届けします。株価が調整している今こそ、銘柄選定の際に役立ててください!

2019年10月度最新版の日本株ベストバイ50銘柄

米中の貿易摩擦問題やブレグジットなど、いくつかの問題を抱えて揺れる株式市場。しかし、大きく下がったところがあれば、優良銘柄の仕込みどころと思います。

今こそ、最新版日本株ベストバイ50銘柄を銘柄選びの参考にしていただければと思います。

このベストバイ50銘柄は業績予想伸び率、ROE、株価推移、業績予想を出しているアナリスト数などから、ファンダメンタルのトップ銘柄を選出したものです。

上位50銘柄を発表していますが、実際にはアナリストのフォローがついている600銘柄ほどの全てのランキングを出してします。

今回は、2019年9月末時点の数値で算出した日本株ベストバイ50銘柄10月度最新版を特別に公開したいと思います。

▼日本株ベストバイ50銘柄10月度最新版
さて、トップ50銘柄ですが、現在の上位銘柄はここ数カ月は安定的に上位を維持しており、上位銘柄の大きな入れ替えはあまりない状況が続いています。

そこで今回は第1位のレーザーテック<6920>、第3位のラクス<3923>、第14位の寿スピリッツ<2222>について、もう少し詳しく見てみたいと思います。

第1位:レーザーテック<6920>

レーザーテック<6920>は、半導体製造に必要不可欠な検査・測定装置を開発・販売する半導体検査装置メーカーです。

グローバルニッチトップ戦略を掲げ、マスクブランクス欠陥検査装置で世界シェア100%、フォトマスク欠陥検査装置で世界シェア75%と、グローバル規模でトップポジションを確立。

また、この2つをコア技術として開発した半導体ウェハ向け検査装置やパワーデバイス向けSiC検査装置などでも高いシェアを獲得しています。

こうした実績の背景には、1962年の設立以降掲げてきた「その時代にないものを開発する」という経営理念があります。

独自の光応用技術をコア技術として、次世代技術を支える製品開発を続け、ついに1976年には世界初となるLSIフォトマスク自動欠陥検査装置を開発。

以降も、時代の先を見据え、「マスク欠陥検査装置」や「マスクブランクス欠陥検査装置」「FPD用マスク欠陥検査装置」といった既存製品の技術革新、開発を続け、世界トップの座を獲得していきました。

現在シェア100%のマスクブランクス欠陥検査装置も元々は日立ハイテクノロジーズなどが有力企業でした。

ところが製品規格が180~130nmとなる2000年頃、後発の同社が既存製品を上回る検査感度の150nm対応製品を投入したことで一気にシェアを獲得。さらに日立ハイテクノロジーズが撤退したことでシェア100%を獲得するに至りました。

同社はこれまで、コア技術である光技術を応用し、次世代製品に必要な製品開発を行ってきました。

IoT時代に必要となる小さな半導体の製造に必要な製造装置に欠かせない製品の開発、というとてもニッチな領域ではありますが、ここでトップを獲ってこれたのは、高い技術力と市場ニーズを反映できる研究開発体制があったからこそ。

同社では売上の10%を研究開発に投じ、全従業員の6割強がエンジニアという研究開発にウェイトを置いた運営を行っています。

設計から開発・試作までは自社で行って、量産工程は委託するファブライト体制をとり、固定費を抑制しながら、その分経営資源を研究開発に集中させることで、他にないオンリーワンの製品を生み出すことに成功してきました。それが7nmに対応できるEUV用製品の開発に結び付いた勝因だと思います。

同社ではさらに5nm世代で用いられるEUV関連装置の開発を進めています。半導体の微細化レベルは3nmまで行くとの見方もあるだけに、成功すれば長期的ですが更なる先行者メリットを享受することができると思います。

第3位:ラクス<3923>

ラクス<3923>は、強い製品をベースとしたストック型ビジネスモデルによって、19期連続増収、18期連続黒字、そして7期連続増配という高成長を遂げている成長企業です。

「IT技術で中小企業を強くする」をミッションに、IT技術で、中小企業の業務効率化に資するビジネスを展開しています。

展開する事業は、中小企業の業務効率化に資するクラウドサービスを提供する「クラウド事業」と、ITエンジニアの派遣を行う「IT人材事業」の2つから成り、クラウド事業が売上高の77%、営業利益の86%を占める主力事業となっています。

そしてそのクラウドサービスのうち主力となっているサービスが、問い合わせメールをクラウド上で一括管理する「メールディーラー」と、交通費や旅費、経費精算を行う「楽楽精算」です。

両方とも高いシェアを取っている強い製品であり、ユーザー数やデータ量に応じた月額課金型をベースとしたサブスクリプション型のストックビジネスであることは重要なポイントです。導入社数は右肩上がりで伸び続けており、高利益事業による持続的な成長が今後も期待できると思います。

なお、IT人材事業は、ITエンジニアに特化した正社員派遣サービスで、クラウド事業のエンジニア不足を解消するために始められました。

案件がなくなると派遣期間終了となるSI企業は対象とせず、楽天などWebサービス事業者に派遣先を絞り込んでいるのが特徴。これにより営業費用が必要最低限に抑えられ、採算の高い事業となっています。

人手不足を背景とした働き方改革の推進や省力化への取組み、またデジタルトランスフォーメーションが進められるなど、業務効率化クラウドサービスの需要環境は実に良好です。

市場成長を追い風に業績は絶好調です。今期は「減益も厭わない」と公言するほど先行投資を積極化させる期としており、来期からの高い利益成長が期待されています。

成長ドライバーに成長した「楽々精算」は導入社数が4000社を超えましたが、それでも国内企業のうち50~1000名規模の企業は約12万社あるといわれており、まだ顧客増加の余地は十分残されていると見ることができます。

さらに、投資の積極化を計画している「楽々明細」が次の成長ドライバーとなれば、ストック型ビジネスの基盤はより強固なものとなり、高い利益成長が期待できます。

財務状況は、自己資本比率74.8%(前期70.9%)、有利子負債ゼロ、22億を超える現金等を用意しているという盤石の内容で、厚いキャッシュを活用した事業拡大の動きも期待できるところです。

収益力も高く、のれん償却費や収益拡大に伴う法人税の影響をこなし、EPSは順調に増加を続けており(2015年3月期8.71円→2019年3月期22.8円)、結果ROEも2019年3月期実績で24.5%と高いレベルとなっています。

株価は市場期待の高さが反映され高値圏にあります。中長期の視点では200日移動平均線まで調整したところで購入を検討できればよいと思います。

第14位:寿スピリッツ<2222>

寿スピリッツ<2222>は、地域限定菓子製販会社を統括する「ブランド菓子の総合プロデューサー」1952年創業の菓子大手。

連結子会社18社(国内16社・海外2社)を擁す純粋持株会社となっており、各子会社が地域色豊かなブランドを展開しています。戦後すぐ創業を始めた企業であるにもかかわらず、成熟期を迎えず、成長を続けている数少ない企業として注目に値すると思います。

同社が単なるお菓子の卸売会社に留まらず、「ブランド菓子の総合プロデューサー」としての地位を確立しつつあるのは、M&Aを駆使しながら事業を拡大してきたことが背景にあります。

業績は好調で、今期も最高益を更新する見通しとなっています。増収効果に加え、グループ全体で収益構造の改善を進めてきたことで粗利が改善しているほか、人件費など販管費の抑制も効いて利益率が改善しています。

収益力向上に向けた施策も進捗しており、足元では生産面の改善に着手していることから、利益率は今後も改善が見込まれると思います。

取り組みの過去の効果は業績推移に表れています。2015年3月期からの4年間の年平均成長率は、売上高が+15.4%、営業利益が+30.9%。

そして同社が重視する経常利益率は9.0%から14.7%まで改善が続いています。経常利益については中期的に20.0%を目指していますが、施策の動向を見る限り達成できる可能性は高いと思います。

財務状況も健全で、自己資本比率71.1%、有利子負債は3.7億円ありますが、現金等を考慮すると51億円のネットキャッシュとなり、実質無借金経営です。

株主還元にも前向きで、今期は配当を40.0円とする方針です。ただ、業績が好調で利益が積み増しされていること等を考えると増配の可能性は高いと思われます。

また株主優待制度も設けており、2019年3月期では100株以上500株未満の株式保有で2000円相当のグループ製品が贈呈される内容となっています

参考:日本株通信

※記載されている情報は、正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告無く変更される場合があります。また、資産運用、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、御自身の責任でお願い申し上げます。
(文:戸松 信博(マネーガイド))