「夫婦の財布はどちらが握るのか?」新婚時にはこういった話し合いも必要ですが、大事なことは他にもあります。

お金に関することも夫婦で共有すること

家庭では夫と妻、どちらが財布を握るのがいいのでしょうか? この問いの答えとしては「時間があって管理が上手な方がすれば良い」ということになりますが、私が常日頃お伝えしていることは、「結婚は共同生活なので、お金に関することも夫婦で共有してくださいね」ということです。

実際に、私のところに相談に来るお客様の7割の女性が、3割の男性が財布を握っています。男性が財布を握っている場合、その男性の性格は几帳面な方が多いように感じます。

夫婦のお金のトラブルは離婚に繋がりやすい

離婚の原因のランキングでは、借金やギャンブル、浪費といったお金のトラブルは常に上位に挙がっています。夫婦で家計の確認を定期的に行わないことで、次のようなトラブルをよく見かけます。

◆夫は稼ぐことが仕事だからと、妻に管理を任せきりにしてしまったことで、家計がひっ迫していることを夫に伝えられず、妻は自分でなんとかしようとキャッシングを繰り返し、気付いたら多額の借金を抱えていた。

◆財布を握っているほうに浪費癖があり、気付けば貯蓄も底をつき、多額の借金を抱えていた。

◆大きなミスや事故をして、多額の支出があることをパートナーに伝えられず、借金で賄い、返済ができなくなったところで発覚した。

◆本当の家計状況を知らずに、お金はあると思い込み、高額な買い物や無駄使いをしてくる。

◆家計の為に節約しても、パートナーが無駄使いしてしまい、何の意味もなくなってしまった。

◆知らない間に、パートナー名義の借金やクレジットカードを作っていた。

皆さんの身近のところでも上記のようなケースがあるのではないでしょうか? このようなことを防ぐためにも、お金に関することについて2人で確認し合うことはとても大切です。普段の管理はどちらかに任せても、節目節目で現在のこれからの収入と支出、資産と負債について確認し合いましょう。

お金のことでケンカするのは当人達も嫌ですが、それを見る子ども達はもっと嫌な気持ちになり、お金に対してネガティブな感情を植え付けてしまいます。親としても「夫婦で家計をコントロールする」姿を見せたいものです。

夫婦別財布でも、一緒に取り組もう

夫婦別財布の場合でも、生涯を共に過ごすつもりなら、やはり収入と支出、資産と負債の確認はある程度しておくことが大切です。住宅ローンや子どもの教育費、老後資金といった多額な支出に関してはやはり夫婦が協力し合ってお金を準備しなければいけませんので、お互いのお金のことを全く知らないと、気付けばお互いに貯蓄がゼロだった……いうことにもなりかねません。

また、財布の距離が開きすぎると、夫婦の距離も開きやすくなりますので、程よい距離感を保ちましょう。

しかし、夫婦で資産を築きたいと思うならば、2人で一緒にお金のことに取り組むことで、資産作りに成功する可能性は高くなります。早い時期から2人で力を合わせて始めれば、早い段階で資産が劇的に築けるようになるでしょう。パートナーと夢を叶えることができれば、それは最高に幸せなことだと感じます。
(文:二宮 清子(マネーガイド))