食費の平均とはいくらなのでしょうか? 家族の人数によって平均食費、外食費、エンゲル係数がいくらかについて分析してみました。食費を節約するならどうしたらいいのかについても解説します。

食費の平均はいくら? どう節約すればいい?

気になるけど人には聞けない毎月の食費。1人暮らし、2人世帯、3人以上世帯ごとの食費はどれくらいか、そのほかにも地域や年収ごとに違いはあるのか。2018年の総務省の家計調査のデータをもとに解説します。

食費の平均を見ることで、あなたの家の食費はかけすぎなのか、うまく節約できているのかを測る基準ができます。食費を把握できていないご家庭は、まず毎月いくらの食費がかかっているのかを知ることから始めてみてください。

▼世帯人数別の食費の平均まず世帯人数ごとの平均がいくらくらいなのか見てみましょう。総務省の家計調査をもとに作成した世帯人数ごとの平均食費を表にしました。


(1)1人暮らしの食費は44,606円。3分の1は外食費!

勤労者世帯のうち、単身世帯つまり1人暮らし世帯の平均食費は44,606円、1日当たり約1,400円です。内訳を見てみると外食代が16,914円と食費の3分の1以上を占めています。

一方収入はどうでしょう。1人世帯の平均可処分所得(手取り収入)は、268,462円です。手取り収入に対する食費の割合は約16.6%となります。収入の大小が支出の割合にも影響するのでしょうか。次の図は、年収区分ごとの各指標の変化を示しています。

▼年収別の食費・外食費・エンゲル係数比較(勤労者・単身世帯)

1. 年収が高くなるほど、食費の割合は減っていく

2. 年収が高くなるほど、(食費に占める)外食費が増える

といえそうです。

図に登場する『エンゲル係数』とは、消費支出に対する食費の割合(=食費÷消費支出)で、生活水準を示す指数のことです。

エンゲル係数の値が高いほど生活水準は低いとされていますが、表を見てもわかるように収入と比例しているわけではなく、ほぼ横ばいですので家族の人数ごとの違いは気にする必要はありません。

(2)2人世帯の食費は毎月66,100円。年収による違いは?

2人世帯の食費は、66,100円、1日当たり約2,200円です。対する手取り収入額は、379,827円。手取り収入に対する食費の割合は、約17%と若干単身世帯を上回る割合です。

収入の増減による比較をしてみましょう。2人以上世帯(3人、4人世帯も含まれます)のデータです。

▼年収別の食費・外食費・エンゲル係数比較(勤労者・2人以上世帯)

年収区分が1人暮らしのデータとは異なるのですが、次のような傾向が表れています。

1. 年収が高くなるほど、食費の割合は減っていく

2. 年収が高くなるほど、(食費に占める)外食費が増える

3. 年収に関わらず、収入に対する外食費(外食費÷手取り収入)の割合はほぼ3%

エンゲル係数は、年収の増加に応じて減っていることがわかります。

(3)3人以上世帯は?

3~5人世帯、6人以上世帯をまとめて見てみましょう。


1. 世帯の人数が多いほど、収入に対する食費の割合が増える。世帯人数が増えると1人当たりの食費は小さくなるが、手取り収入が大きく変わらないため食費負担は重くなる

2. 世帯の人数が多いほど、外食率は減っている

となっています。

(4)九州住まいとしては地方別の違いも気になります

最後に、私の住んでいる九州と関東の食費の使い方に違いがあるのかを見てみたいと思います。

表は食費・外食費・エンゲル係数を地方別に比較したものです。2人以上・勤労者世帯のデータを使用しています。


地域ごとに特徴がでていて、関東は外食率が突出しています。九州は食費の割合が高いと想像していたのですが、収入に占める食費率は平均的で、エンゲル係数(消費支出に占める食費の割合)が四国に次いで低くなっています。

まとめ:食費の節約は無理なくしましょう

平均とあなたの家計とを比べてみてどうでしたか。家族構成や世帯の年齢、生活スタイルなどにより食費は大きく違うと思いますが、今回紹介した数値を目安にして見直してみてください。

食費の節約する際は、健康に影響を与える支出ですので、過度な削減は決して行わないようにしましょう。食費だけを見るのではなく、家計全体を見直すことが大切です。

外食や宅配(中食)などが多いと感じる方は、「手取収入の3%を超えない」「週に1回」などのルールを作って管理するのはどうでしょうか。

今回紹介したデータは、家計調査のうち「勤労者世帯」に絞っています。勤労者世帯とは、世帯主が「会社」「官公庁」「学校」「工場」「商店」などに勤めている世帯のことです。
(文:井上 陽一(マネーガイド))