たまに「純金積立は投資だ!」「純金積立は安全だ!」という人がいます。ですがこれは嘘です。嘘にダマされると損をします。損をしないためにも、正しい情報を知りましょう。

純金積立は安全な投資

YouTubeでライブ配信をしていたときのこと。リスナーから「純金積立で投資をしようかと考えています。中原さんは、純金積立についてどう思いますか?」と、質問をもらいました。

たまに「純金積立は投資だ!」「純金積立は安全だ!」という人がいます。ですがこれは嘘です。嘘にダマされると損をします。損をしないためにも、正しい情報を知りましょう。

とはいっても、「純金積立は投資だ!」「純金積立は安全だ!」という話は、もっともらしく聞こえます。では、なぜこの2つが嘘なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

純金積立は投資ではない

純金積立は投資ではありません。正確には「投機」です。「金投資」という言葉が広く使われていますが、これは客寄せのための宣伝文句です。投資と投機は、お金を増やす原理が違います。

投資は「金貸し業」に似ています。投資家は、リスクを取る対価にお金を受け取ります。この原理をリスク・プレミアムといい、利回りは年率5%ほどが期待できます。投資はプラスサムゲームです。つまり、参加者全員でお金を増やすことができます。

投資家は「割の良い条件でお金を増やしてくれる企業にお金を貸し出す」ことでお金を増やします。投資商品は主に「株式」「債券」「不動産」の三択です。これ以外はほとんど投機に当てはまります。

投機は「小売業」に似ています。この原理をアルファ(ミス・プライス)といいます。投機はマイナスサムゲームです。つまり、「食うか食われるか」の世界です。弱者は損をし、強者が得をしがちです。

投機家(トレーダー)は、「安く買い高く売る」ことでお金を増やします。取引対象は主に「FX」「仮想通貨」「商品」などがあります。「経済活動に参加していないモノ」にお金を投じるのは、全て投機です。

純金積立も投機です。買った純金がムクムク膨らんで、「気づいたら量が2倍になっていた!」なんてことはありません。あるのは需要と供給だけです。必要とされなくなれば、価値は下がってしまうのです。

純金積立は株式投資と同じくらいハイリスク

純金積立は安全ではありません。僕らは条件反射的に「純金積立=安全!」と思い込んでいます。しかし、純金積立は危険です。どれだけ危険なのか、ざっくり説明します。

投資商品ごとのリスクは、以下のように分類されることがよくあります。

・低リスク:銀行預金
・中リスク:不動産投資
・高リスク:株式投資

これが全てではありませんが、大体イメージがつくはずです。リスクの大きさは、「値動きの激しさ」と言い換えることもできます。大きく上がったり下がったりするほど、高リスクといえます。

実は、純金のリスクは「株式並み」です。ここ10年間の純金投信(GLD)は、株式投信(VTI)よりも値動きが激しく、「純金積立は、高リスクな株式投資よりも危険!」といえるでしょう。

損をしないためには、学びの姿勢が大事!

ちなみに、僕は「純金積立は全てダメだ!」と言いたい訳ではありません。純金積立にも利用価値はあります。特に、リスクを分散したいときには有効です。

ここまで読むと、「純金積立は投資だ!」「純金積立は安全だ!」という2つが嘘だと理解できるでしょう。

「直感的」には正しく聞こえることも、間違いであることがよくあります。金融の世界では、そういうケースがとても多いです。イメージ本位で投資を始めると失敗します。間違った知識に振り回されないように、しっかり勉強することが大切です。

参考資料:純金積立にまつわる2つの嘘(https://allabout.co.jp/gm/gc/479321/)記事下段に記載
(文:中原 良太(マネーガイド))