1月相場は「ご祝儀相場」として投資家に広く知られており、買いが入りやすく、株価上昇しやすい傾向にあります。今回は1月の株式市場の動向や注目したい業種について、過去の株価データから統計的に検証してみました。

1月の株式市場の傾向は?

1月相場は「ご祝儀相場」として投資家に広く知られています。年末最後の立会いである大納会に続き、年明け最初の立会いである大発会にもご祝儀の意味を込めた買いが入りやすく、株価上昇しやすい月といわれています。

今回は1月の株式市場の動向や注目したい業種について、過去の株価データから統計的に検証してみました。

▼検証条件検証対象:全銘柄
検証期間:1990年3月1日~2019年11月30日
1銘柄当たりの投資金額:20万円

買い条件:12月末の寄り付きで買い
売り条件:25日経過後の翌日営業日寄り付きで売り

12月末に全銘柄を購入し、25日経過後に売却した場合について検証を行います。勝率が50%以上で損益がプラスならば、1月は株価が上がりやすい月となります。反対に損益がマイナスであるならば、1月は下がりやすい月といえます。

以上のルールで過去のデータを用いて検証した結果は、以下の通りです。

▼1月株式市場の検証結果
勝率:54.74%
勝ち数:45,920 回
負け数:37,964 回
引き分け数:1,938 回

合計損益(率):182,923.54%
平均損益(率):2.13 %

合計利益(率):457,370.30%
平均利益(率):9.96 %

合計損失(率):-274,446.76%
平均損失(率):-7.23 % 

プロフィット・ファクター(合計利益÷合計損失): 1.667
平均保持日数: 27.11 日

検証結果を見てみると、勝率は54.74%、平均損益は2.13%です。勝率が5割を超えており、1トレード当たりの平均損益もプラスとなっていることから、1月は上がりやすい傾向があるといえるでしょう。

12月も、投資家の節税対策の売りが一巡すると株価上昇する傾向があるといわれており、特に中旬から上昇傾向が強くなります。1月はこのような12月の流れを引き継ぎ、上昇トレンドを形成しやすい傾向があるといえるでしょう。

次は、上がりやすい1月相場の中でも特に成績が好調だった個別銘柄を確認してみましょう。

▼1月の好成績銘柄ランキング
表は先ほどの検証結果において、勝率が高かった銘柄のランキングです。ランキング上位の銘柄から特徴を見ると、「仙波糖化工業<2916>」「AFC-HDアムスライフサイエンス<2927>」「はごろもフーズ<2831>」などの銘柄が挙げられます。

これらの銘柄は、「食料品」に関連する銘柄です。これらの銘柄は2月末、3月末に権利確定月を迎えるものが多く、権利取りのために早いうちから買いを入れる投資家が増えるため、株価が上昇しやすいのだと考えられます。

1月の投資戦略を考える上でこれらの銘柄に注目してみてはいかがでしょうか。
(文:西村 剛(マネーガイド))