筆者の息子とその友人たちは最近、高校のホームカミング・ダンスパーティー(米国の高校や大学で、卒業生を迎えて行われる学園祭のダンスパーティー)に参加しました。

夜のパーティーに出かける前に、彼らはわが家に集まって、写真を撮ったりピザを食べたりしたのですが、そのとき私は、息子を呼んで20ドル札を渡しました。
息子が怪訝そうにこちらを見たので、私は、「現金が必要になったときのためにね」と言いました。
息子は目を丸くして、今どき誰も現金なんか使わないよ、と言いました。「だって、そのためにAppleペイがあるんでしょ?」と、息子は冗談めかして言いました。

ウェイトレスが激怒した理由は?

その夜遅くに息子が帰ってきた時、筆者はどうだったと尋ねました。
息子はダンスパーティーの後に友だちと地元のダイナーへ行ったそうで、「すごく楽しい時間を過ごしたよ、だいたいはね」という答えが返ってきました。
「大盛り上がりだったんだけど、最後にウェイトレスが僕たちに激怒した」と言うのです。
しばらく話をして分かったのですが、息子と友人たちは、いざ会計しようという時になって、その食堂がAppleペイに対応していないことを知ったのです。
息子たちが慌ててそれぞれ自分の勘定をクレジットカードや現金で支払ったので、少年10人のグループの対応をさせられたウェイトレスが腹を立てたのです。
もちろん筆者には、そのテーブルが、つまらないジョークやら大きな笑い声やら支払方法に関するパニックやらで、どれほど迷惑な存在だったか想像できますが、同時に、お金に関してティーンエイジャーたちが知っておくべきことがいくつかあると気づかされました。
特に、子どもたちだけで夜遅くに食堂で過ごす時間が増える場合は。

1. 会計の基礎

近ごろのティーンエイジャーは、会計技術に関して、筆者たちの若いころよりもずっとたやすく身につける手段があります。
それに、小切手帳の収支を手計算で合わせようとする時の苦労を知らないですむというのは確かです。
それでも、お金にまつわる基本的技能をしっかり理解しておく必要があるという事実は変わりません。
ティーンエイジャーに、社交のための資金の貯め方や予算の立て方、お金の稼ぎ方についての基本を教えておけば、子どもたちが大学でさらに自立した生活を送るのに大いに役立ちます。

2. チップの計算方法

筆者は、息子がダンスパーティーに出かける前に、ウェイトレスにチップを渡すように注意し、チップの重要性を繰り返し言い聞かせました。
そして息子に、20%のチップを計算する次のような簡単な方法を教えました。合計の10%を計算して、それを2倍しなさい、と。
これは、どんなに忘れっぽいティーンエイジャーでも適切な額のチップを渡せるようになる、早くて簡単な方法です。
それに、心配することはありません。お子さんが今すぐにこの計算ができなくても、自分がチップを受け取る側になればすぐできるようになります。

3. 領収書の書き方

確かに、ティーンエイジャーの間では『Venmo』や『PayPal』などのアプリが主流ですが、それでも、ケーブルテレビの料金などの料金は、アプリを使わずに支払わなければならないでしょう。
それはつまり、ティーンエイジャーの子どもと一緒に座って、領収書の1つ1つの項目に記入する方法を説明しなければいけないということです。
これは、会計の基礎を見直す良い機会でもあります。領収書の内容は当座預金に転記されるからです。
筆者の息子は、領収書のつけ方を初めて学んだ時、自分の口座からお金が魔法のように消えてなくなること、そして、お金を使う時は使い道をはっきりさせる習慣を身につけなければならないことに驚いていました。
そして、領収書の書き方を説明する時に、ついでに時間を取って、領収書詐欺が違法とされる理由を説明しておくのも良い考えでしょう。

4. ATMの使い方

馬鹿げていると思われることは分かっていますが、ティーンエイジャーはマネーアプリとアプリ内課金にあまりにも慣れてしまっています。
緊急の場合に、子どもたちが銀行からお金を引き出す方法くらいわかっているだろう、と決めてかかってはいけません。
銀行口座の暗証番号を暗記させ、高校や大学のキャンパスに一番近い支店の場所を教えておけば、いざという時の救いとなるかもしれません。
子どもが銀行窓口で手続きする必要がある場合に備えて、払戻用紙の書き方をおさらいする時間を作りましょう。
もちろん、ほとんどの銀行員はとても協力的ですが、銀行業務の実用的な基本的知識を持っている顧客はどこでもありがたがられます。
子どもにATMの仕組みを説明して、ほとんどの銀行は引出可能額に上限を設けていることを教えましょう。
こういう基本情報をおさらいする必要があると言うのは、馬鹿げたことに聞こえるかもしれませんが、子どもが自宅から200マイル離れた土地でお金に困るようなことがあったら、教えておいて良かったと思うでしょう。

5. お金のエチケット

大学時代、真夜中にピザが注文されたり、テーブルに全員分のドリンクが魔法のように現れたりした夜の記憶は誰もが持っているでしょう。
大学時代に筆者が一番不愉快に思ったのは、グループで注文したピザを食べ尽くした友人たちが、筆者が立て替えて払ったお金を返すのをどうやら「忘れた」らしいことでした。
ティーンエイジャーの子どもと、お金に関するエチケットについて基本的な話し合いを持ちましょう。
お金に関しては友人やルームメイトに礼儀を尽くしなさいと、子どもたちに教えましょう。
ガソリン代は安くないし、ピザは木に成るわけではないし、最終的に請求書を押しつけられるとむかつくものだ、と言い聞かせましょう。
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Christine Burke - Lifehacker US[原文]