契約時に指定した年齢になったら定額の年金を受け取る個人年金保険は、日本円で運用するもので元本割れはしません。しかし、他にも、しくみが複雑なタイプもあり、リスクがあるものもあります。どんなリスクがあるか知っておきましょう

商品のしくみ、リスクを理解する

個人年金保険は、定まった年金が必ず受け取れると思いがちですが、これは日本円で運用する定額型のことです。他にも、しくみが複雑なものもあり、リスクがあります。ですから、加入しようとしている商品のしくみとリスクを理解することが必要です。他のタイプの主なリスクは次の通り。

●市場価格調整タイプ
中途解約時に、積立金額に所定の市場価格調整率を用いて価値を評価し、解約返戻金に反映されるので、契約時と比べて金利が上昇していると解約返戻金は元本を下回ることもあること。

●変額型
特別勘定は国内外の株式や債券などで運用されるので、株価や債券価格の下落、為替の変動により、解約返戻金や年金額が変動し、元本を下回ることもあること。

●外貨建
受け取り時の為替相場によって、円に替えた場合に元本を下回ることもあること。

契約にあたって書類をしっかり読む

加入する商品が決まったら、次の3つの書類にきちんと目を通して内容を理解してから署名・捺印するようにしましょう。もし、わからないことがあったら、理解できるまで担当者に説明してもらうことが大切です。特に、リスクの部分は、こちらから積極的に聞くようにしましょう。

●契約概要
商品の内容を理解するために必要な事項が説明されています。

●注意喚起情報
契約にあたって特に注意すべき事項が説明されています。

●ご契約のしおり
契約上の決まり事をまとめた約款中の重要な事項、諸手続きなどが説明されています。

その他、保険会社、窓口で渡された書類にもしっかり目を通しましょう。なお、低金利の今は、日本円で運用する個人年金保険は加入に適した時期ではないことを承知したうえで、検討・契約してください。
(文:小川 千尋(マネーガイド))